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「芸術の秋」を一冊で味わう 原田マハが描く美術館の小さな奇跡

友人からでも、家族からでも、書評でも、課題図書でもない「オススメの本」を読んだことはありますか? 現実と少し距離を置く“小説の世界”への入り口は、時に不意の方が新鮮で心踊りそう。東京・六本木の本屋「文喫 六本木」のブックディレクター・及川貴子さんにBRUDER読者をイメージした一冊を選んでもらいました。

「〈あの絵〉のまえで」/原田マハ

ようやく涼しくなってきて、心にも体にも少し余裕が出てきたのではないでしょうか。軽やかな気持ちに応えるようにやってくる芸術の秋、読書の秋。忙しい日々の中、まずは読書でアートに触れてみませんか? 美術館のキュレーターの経歴を持ち、多くの魅力的なアート小説を執筆している、原田マハさんの短編集をご紹介します。

主人公の多くは、元はあまりアートに興味がなかった人たち。彼らは人生のふとした瞬間に一枚の絵画と出会い、美術館に足を運んで作品と向き合うことで、人生に新しい可能性を見出します。物語は奇跡のようでありながら、アートの持つ力の真実味と迫力に満ちています。芸術に興味がある人もない人も楽しめる、温かく力強い作品です。

―――いつでも待ってるよ。あなたが来るのを――

――本文より

いつか実物を見てみたいアート作品や、読んでみたい本はありますか? この秋は、あなたを待っている作品たちに会いに出かけてはいかがでしょう。

「〈あの絵〉のまえで」/原田マハ(幻冬舎)/¥594(税込)

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COOPERATION

文喫 六本木 ブックディレクター 及川貴子

2018年日本出版販売入社。2021年4月より文喫 六本木のブックディレクターとして、企画選書や展示イベント企画、本のある空間のプロデュースなどを行う。

Edit : Hiroto Goda

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