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『変な家』もう読んだ? 日常の“変”が気になる2024年上半期ベストセラー

友人からでも、家族からでも、書評でも、課題図書でもない「オススメの本」を読んだことはありますか? 現実と少し距離を置く“小説の世界”への入り口は、時に不意の方が新鮮で心踊りそう。東京・六本木の本屋「文喫 六本木」のブックディレクター・及川貴子さんにBRUDER読者をイメージした一冊を選んでもらいました。

「変な家」/雨穴

あっという間に2024年も半分が過ぎました。下半期に向けての振り返りの時期でもある今回のテーマは、“ベストセラー”です。

毎年、年間ベストセラーに加え、上・下半期のベストセラーランキングが発表されています。今回、1位を含む3作品が上半期トップ10にランクインし、映画・漫画化もされた大人気シリーズをご存じでしょうか。その1作目であり、2023年の年間ベストセラー1位でもある『変な家』をご紹介します。

物語の中心は、1枚の間取り図。購入を検討している家の間取りが、どこか「変」だと、主人公のオカルトライターのもとに相談が舞い込みます。幸せな家族が暮らしていたはずの家の間取り図のあちこちに潜む、強烈な違和感。そこから膨らむ奇想天外で恐ろしい想像は、どこまで真実に近いのでしょうか。

――まあ、これも単なる「憶測」ですから。気にしないでください――

――本文より

著者はもともとYouTuber、WEBライターとして活躍していて、本作品もWEB記事がもとになっています。フラットな読み心地とどんどん先が気になっていく展開に、誰でもつい引き込まれてしまいます。読み終わると、日常の中の少し「変」なところが気になってくるかもしれません。考えすぎか、それとも……。

「変な家」 雨穴(飛鳥新社)/¥1,400(税込)

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COOPERATION

文喫 六本木 ブックディレクター 及川貴子

2018年日本出版販売入社。2021年4月より文喫 六本木のブックディレクターとして、企画選書や展示イベント企画、本のある空間のプロデュースなどを行う。

Edit : Junko Itoi

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