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40年の時を経てアディダスゴルフにトレフォイルロゴが復活したワケ

1972年からアディダスの象徴として親しまれているトレフォイル(三つ葉)ロゴは、現在のプロダクトの多くに使われているスリーストライプスを原型としたパフォーマンスロゴの登場により、次第にスポーツの世界から姿を消した。ブランド伝統のロゴは今月3日、40年ぶりにゴルフアパレルにリバイバル。その理由を探った。

トレフォイルロゴとは?

左がトレフォイルロゴ、右がパフォーマンスロゴ(Getty Images)

トレフォイルロゴはかつて古代スポーツの勝利者に与えられた“月桂樹の冠”をモチーフにデザインされた。アスリートの勝利や栄光を象徴したブランドの証は1972年から1995年までカンパニーロゴとしても使用されていた。

2000年以降、トレフォイルロゴはブランドのルーツであるスポーツから派生した様々なカルチャーを表現するために「アディダス オリジナルス」の看板として再構築。三つの葉が重なり合ったデザインは、「スポーツ」「ストリート」「ハイファッション」という異なるカルチャーを融合させ、ライフスタイル分野での新たなシンボルであると同時に、現代においてはアディダスブランドが持つ多様性を表現したものだ。ライフスタイルウェアや、スポーツではスケートボーディング商品に採用されている。

過去、現在、未来をつなぐ特別な倉庫

ドイツ・ヘルツォーゲンアウラハにあるアディダス本社には、76年にわたる歴史を支えてきた数々のプロダクトが保管されるアーカイブ倉庫がある。庫内にはこれまで発表したアディダス オリジナルスのコレクションも多く収められている。室温、湿度が一定に保たれ、プロダクトは劣化を防ぐ特殊な紙や布で包まれ、最良のコンディションで保管。触れるときは手袋の着用が欠かせない。

アーカイブ倉庫は、ブランドの歴史と革新を垣間見ることができる場所であり、新たな商品開発においても重要な役割を果たしている。社内のデザイナーはもちろん、コラボレーションするアーティストもここを訪れ、過去の名作からインスピレーションを得るという。

アディダスCEOのビョルン・ガルデン氏

「これまで培ってきた歴史をアーカイブとして残していくことは非常に大事なことであり、それこそが我々の大きな強みだ」と語るのはアディダスCEOのビョルン・ガルデン氏。トレフォイルロゴもまた、アディダスの歴史の一部であり、その変遷はアディダスが常に新しい文化と融合しながら歩んできた証でもある。レガシーを大切にしながら伝統を未来へとつなぎ、新たな価値を生み出し続けている。

なぜアディダスゴルフはオリジナルスに回帰したのか?

1988年にマスターズを制したサンディ・ライル(Getty Images)

かつて、ベルンハルト・ランガー(1985、1993)やサンディ・ライル(1988)が海外メジャーの「マスターズ」を制したとき、彼らはトレフォイルロゴが入ったシューズやウェアを着用していた。伝統的なロゴはなぜ再びゴルフアパレルに登場したのか。

近年、他競技のアスリートやアーティストがゴルフを楽しむカルチャーが広がり、ゴルフウェアも機能性だけでなく、日常になじむライフスタイル寄りのコレクション人気が高まっている。実際にアディダスはハイブランドからのコラボ要望も多く受けているという。

アディダスゴルフ・クリエイティブディレクターのディラン・ムーア氏

こうした流れを受け、同社は「今こそゴルフをストリートカルチャーやファッションと結びつける絶好のタイミングだ」(アディダスゴルフ・クリエイティブディレクター/ディラン・ムーア氏)と判断した。スポーツブランドでありながら、異なる要素を融合させるのは、アディダスが得意とするところ。こうした経緯から今季、オリジナルスのアイコンだったトレフォイルロゴを施したゴルフウェアが復活した。

契約選手のルドビグ・オーベリ

男子ゴルフの世界ランク上位者で、契約選手のルドビグ・オーベリ(スウェーデン)は、10日に開幕する「マスターズ」でトレフォイルロゴの入ったウェアを着用する。デビューコレクションでは、栄冠のグリーンジャケットを彷彿とさせるグリーンがキーカラー。アディダスはこのウェアを通じて、スポーツとカルチャーをつなぐ次の物語を生み出そうとしている。

<関連記事>アディダスがトレフォイルロゴを採用した「オリジナルスゴルフ」を発売

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お問い合わせ先

  • アディダス コールセンター TEL:03-6732-5461

STAFFスタッフ
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adidas
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Marina Nakada
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