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Eastside Golfが「CHANGE.」「1961」に込めたメッセージ

デトロイト発のゴルフブランド「Eastside Golf(イーストサイドゴルフ)」が10月初旬、「CHANGE.1961 COLLECTION」をテーマとした今季秋冬のアパレル、アクセサリーを発表した。ストリートスタイルの源流であるブラックカルチャーをディテールに落とし込んだアイテムがラインアップされ、日本でも販売を開始した。

「Eastside Golf」はプロゴルファーのオラジュワン・アジャナクと、全米プロゴルフ協会のインストラクター、アール・クーパーが2019年にデトロイトで設立した。アジャナクがツアーの転戦費用を稼ぐために起業したのがはじまりだ。黒人(アフリカ系アメリカ人) オーナーのゴルフブランドは世界中を見回しても現在のところ珍しい。

公民権運動が盛んだった1950~60年代、当時アメリカのプロゴルフツアーへの参加は白人だけに限られていた。ビル・スピラー、テッド・ローズ※といった先駆的な黒人ゴルファーの訴えは法廷闘争へと発展。全米プロゴルフ協会(PGA)が「白人のプロゴルファーであること」という条文を規約から取り除き、チャーリー・シフォードが黒人初のメンバーとして入会したのが“1961”年だった。

とは言え、大きな変化が一夜にして訪れたわけではない。元テニスプレーヤーで、黒人女子スポーツ選手の開拓者として道を切り開いたアリシア・ギブソンが、黒人女性として初めて米国LPGAツアーでプレーするまでには、それからおよそ2年、さらに黒人プロゴルファーのリー・エルダーが「マスターズ」に招待されるまでには12年を要した。これらの出来事がなければタイガー・ウッズの出現もなかったかもしれない。

アジャナクは「このブランドがスポーツを変え続け(CHANGE)、世界中の人々がスポーツを見る視点を変えられるようなサポートがしたい。人種の壁を越え、公正なチャンスを得るために道を切り開いた変革者たちについて、多くの人に知ってほしい」という願いを込めた。ティグランドに立つたびに、未来を創造し、過去の歴史に敬意を示す。 常にゲームは個人のものであり、みんなのものであるべきだ、と。

9月末、米サンディエゴで「Eastside Golf Invitational(イーストサイド ゴルフ インビテーショナル)」というイベントを開催した。アジャナクらの働きかけに賛同した元NBA選手のアンドレ・イグダーラ、元MLB選手ジミー・ローリンズといったスポーツ選手やアーティスト、セレブリティらが集まり、過去の偉業を称えた。活動を通じてバスケットボール界のスーパースター、マイケル・ジョーダンもEastside Golfのローンチからジョーダンブランドとのコラボレーションが実現した経緯もある。

アイテムには、「CHANGE.」「1961」のモチーフが散りばめられ、変革に携わったゴルファーたちがグラフィカルにデザインされている。今回のコレクションはゴルフの過去と未来にまつわる想いを表現した。オラジュワンはブランドを通じ、文化的な背景が影響したゴルフへの理解を深め、若い人たちが積極的に参加できるようなスポーツへの進化を目指している。

※PGAは2009年、現役時代にメンバーになることができなかったジョン・シッペン(John Matthew Shippen Jr.)、テッド・ローズ (Ted Rhodes)、ビル・スピラー (Bill Spiller) の3名の黒人選手に対してメンバーシップを与えている。

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Edit/Text : Junko Itoi

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