シャツIN! ユナイテッドアローズが掲げるゴルフウェアの「グッドマナー」

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昨年秋にゴルフ参入を発表したユナイテッドアローズの掲げるコンセプトは、『グッドマナーな本気のゴルフウェア』です。機能性やファッション性を売りにするメーカーが多いなか“マナー”を押し出した狙いとは。新レーベルの立ち上げから企画した営業統括本部販売支援部長の早稲田貴也さんに話を聞きました。(聞き手:林洋平=BRUDER編集)

―昨年11月にゴルフウェアの新レーベルを発表しました。改めてゴルフ界に参入した理由を教えてください。

まず、コロナ禍でゴルフ界に追い風が吹いているというのがあります。世の中の趣向性は明らかにアウトドア、趣味、健康の方に流れましたから。また弊社のお客様にゴルファーが多いというデータもあり、すぐにスタートすることになりました。

―『すぐに』というのは、どれくらいのタイムスパンだったのでしょうか?

2021年の春にスタートし、秋にはローンチさせました…(笑) 本音では1年から1年半くらい準備期間を欲しいのですが、発表が遅れるとブームに“後乗り”したというイメージがついてしまう。そのため、まずは秋に間に合わせました。

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―ゼロから構想するのに、よく間に合わせましたね。

弊社でラボという形で企画を社内でプレゼンする機会があり、私は数年前に「ゴルフ事業」を提案していました。当時は通らなかったのですが、昨年春の時点では、ある程度の構想が固まりつつありました。ゴルフ好きな社員が多い会社です。ラウンドによく行き、カッコ良いウェアの話などもよくしていました。だから、僕らが欲しいと思うウェアを作る熱量は高かったですね。

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―『僕らが欲しいウェア』を具体的に言うと?

シンプルでスタイリッシュ、そしてコーディネートを組みやすいウェアです。ゴルフウェアは、どうしても派手な印象を受けます。好みの話なので良し悪しではありませんが、もっとシンプルかつ上品なものを欲している方は多いのでは?と思っています。そういったものをお客様に提供したいです。

―『グッドマナーな本気のゴルフウェア』、このコンセプトの意味は?

文字通りに受け取っていただきたいです(笑)。ゴルフは、ある意味で社交の場でもあると認識しています。名門コースでも、パブリックコースでも、誰とゴルフに行っても『品が良いね』と言われるものを作りたいです。

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―ウェアはすべてこのコンセプトに沿って作られているのですね?

たとえば、ウェアはすべてシャツインする仕様になっています。着丈をかなり長くしているためウェアを出すと、すごくだらしない。モックネックで言えば、襟部分をある名門ゴルフコースのドレスコードに記載されていた長さにあわせています。

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―文字通りのグッドマナーですね。他に工夫している点はありますか?

ウェアをインしたときに、ウェアの左右両サイドがダブつかないように工夫しています。見た目はわかりにくいですが、袖下にあえて丸みを持たせています。ストレートラインにすると、シャツインの際に、ダブついてしまう。袖下に膨らみを持たせて、その下を少し絞ると、ウェアを入れたときにキレイに見えるのです。

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―たしかに、シャツの裾を入れて「嫌な気持ち」になる同伴競技者はいないですね。

スーツを着るとき、シャツをインするのは当たり前ですよね。それと同じで、ゴルフウェアはインするものと思っているんです。私自身は社内のカジュアル畑で育ち、普段はシルエットの出る(ゆるめの)ものを好んで着ますが、ゴルフウェアは必ずジャストサイズです。

―御社のゴルフ好きの方は、ウェアをかっちり着るのですか?

実は弊社の社員コンペには20~30人ほど参加しますが、なぜか、ウェアを出している人は一人もいない。誰かが「シャツ出しNG」と言ったわけではありません。ただ、昔からみんなシャツインなのです。理由? んー、社風なのかな(笑)

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―それはすごいですね!

ドレスコードなどを含めて、決められたルールのなかで楽しもうよ、という思いがあるのかもしれません。あとは、みんなPGAツアーを見過ぎ、というのもあるかも(笑)

―「グッドマナー」は、ゴルフ分野以外でも御社の根底にあるのですか?

どうなのでしょう?(笑)実際に出来ているのか出来ていないのか、は置いておいて、ドレス軸でビジネスやフォーマルな服装を提案してきた会社として、どこに着て行っても恥ずかしくないものをお客様にしっかりご紹介する、という思いは根底にあると思います。

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―このコンセプトをぶれさせないことで独自路線になるという狙いですか?

正直、独自路線は意識していないです。純粋に品の良いものを提供する。あと誤解を恐れずに言えば、お客様はユナイテッドアローズというフィルターを通して、弊社のゴルフウェアを見ますよね。その期待に沿いたい。繰り返しですが、スタイリッシュで品良く見られ、そしてコーディネートを組みやすい。こんなウェアを目指しています。

―最後に今後の展望を教えてください。

夢はめちゃくちゃ描いているものがある。ただ、まずは着実に認知を広げていきたいです。昨年発売したウェアは、少しコンサバだったと思っています。カラーは定番の白やネイビーを外さず、シーズンカラーやトレンドを取り入れたスタイルを目指します。あと上品に見えるような柄のあるウェアやキャディバッグなども出していきたいですね。

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