
ゴルフにはラウンド後にお酒を片手に仲間と語らう「19番ホール」と呼ばれる習慣があります。アルコールとの付き合いはゴルファーでなくとも大人の嗜みでしょう。東京・渋谷に佇む「THE MUSIC BAR -CAVE SHIBUYA-」のバーテンダー、眞柳壮良さんに聞く“宅飲み”をアップグレード術は最終回。お店でも、おウチでも、誰もが楽しめるウイスキーハイボールの本格的なつくり方を伝授いただきました。
ウイスキー「オールドプルトニー12年」
まずはハイボールはもちろん、ロックでもストレートでもお勧めしたいウイスキーを紹介しましょう。「オールドプルトニー12年」はスコットランドのハイランド地方でも北部にあるウィックという港町で生まれました。1826年創業の蒸溜所は来年、200周年を迎えます。
「オールドプルトニー ハーバー」という新しいバージョンもありますが、「12年」がブランドのシグニチャーボトル。誕生当時、搬入したポットスチル(蒸溜用の銅製の釜)の高さが天井に収まりきらず、上部を切り離して管に繋いだという逸話があります。スコッチ本来の重たい味わいに、柔らかいニュアンスが加わったバランスの良さ、そして独特の粘り気は、この製法が影響していると言われています。

さあ、ハイボールをつくりましょう。最初にこだわるべきは氷です。より美味しく頂くのであれば、おウチの冷凍庫(製氷機)でできるものではなく、市販の軟水の氷を選びたい。カルキが含まれている水道水、ミネラルが多い硬水よりも、ウイスキーのフレーバーを邪魔しません。
グラスに入れる順番は、氷→お酒→炭酸水。ソーダ割は炭酸が早く抜けないことがポイントです。まずは氷の上に、付着した霜を落とすようにウイスキーを注ぎます。引き締まった氷に直接ソーダ水を注ぐと、「バキバキ!」とアイスにひびが入る音がしますが、炭酸はこの刺激によって抜けやすくなってしまうのです。
グラスにお酒を注いだら、バースプーンを回して氷と馴染ませます。常温のお酒と、冷たい炭酸水との温度差を少なくするのが目的。スプーンではなく、お箸でもまったく構いません。
炭酸水は氷に極力当てないようにして、端から静かに注ぎます。最後にスプーンで軽く底をたたき、一度氷を引き上げてから、何度か回します。下に溜まっていたウイスキーが上がってきたところを、横方向の対流をつくってソーダと馴染ませるイメージを膨らませましょう。氷を静かに下げて完成です。お酒は水を含ませる(加水する)ことで香りが開きます。きのうの晩酌とは一味違うハイボールをお楽しみください。
飲酒は20歳になってから。飲酒運転は法律で禁止されています。妊娠中や授乳期の飲酒は、胎児・乳児の発育に悪影響を与えるおそれがあります。
<関連記事>コンビニでも買える コスパ最強アイリッシュウイスキー「バスカー」の“前割り”アレンジ
- COOPERATION
-
-
眞柳壮良 SORA MAYANAGI
-
THE MUSIC BAR -CAVE SHIBUYA-

東京・渋谷駅の喧騒を背にして、地下にひろがる別世界。3000枚以上のアナログレコードとハイエンドオーディオが鎮座する空間で、上質なカクテルを片手に没入体験を。
住所:東京都渋谷区渋谷1-15‐12
営業時間:月―土 18:00~27:00、定休日/日、祝
https://the-musicbar.jp//Edit : Yoichi Katsuragawa








