ホットドリップはともかく、自宅で淹れるアイスコーヒーはなんだか物足りない。氷を入れたらさらに薄くなったという経験も…。都内に店舗を構えるカフェ「CAMELBACK」のゼネラルマネージャーで、バリスタを務める山﨑啓輔さんに、家庭用エスプレッソマシンと、ハンドドリップによる本格アイスコーヒーの淹れ方を教えてもらいました。
家庭用エスプレッソマシンを使う
マグカップに氷を山盛りに入れて、エスプレッソを長く抽出します。イタリアでは「ルンゴ(lungo=長い、の意)」と呼ばれ、通常の約2倍程度の水量で抽出する淹れ方です。抽出時間を長くすることで、エスプレッソの華やかな甘みから、徐々に苦み・渋みが出てくるのが特徴で、味の変化を楽しめます。氷が解けて薄まっても、風味を損ねず、濃厚な味わいが続きます。
抽出時間は通常のエスプレッソマシンにセットされている規定量よりも10~15秒、水量にして20~30cc増やすと良いでしょう。慌ただしい朝に飲むというよりも、リラックスタイムにゆっくりと味わう贅沢な楽しみ方です。
ハンドドリップで淹れる
ハンドドリップ、もしくはフレンチプレスで淹れる場合は、コーヒー豆の量を2倍、水量を3分の2の割合で淹れるとコーヒー本来の味わいを引き出せます。例えばホットで飲む場合、コーヒー20g、水量180ccなら、アイスはコーヒー量を40g、水量は120ccにしてドリップし、氷を加えます。また、湯の適正温度は88~92度℃が一般的。雑味を消したい時には低めに、粗さが欲しい時は高めにします。
最適なコーヒー豆の産地は?
ブラジルやコロンビアなどの南米産がおすすめです。穏やかな酸味と甘みのバランスが絶妙。アイスコーヒーは氷によって薄まることが前提にあるので、ボディに濃さが求められます。そのため時間をかけて焙煎する深煎りが絶対条件です。
COOPERATION
山﨑啓輔
「CAMELBACK TOKYO」ゼネラルマネージャー、バリスタ歴7年。19歳の頃、ロサンゼルス・ベニスビーチを旅した時に訪れた「Menotti's Coffee Stop」で飲んだコーヒーの味と現地のバリスタに心動かされ、自身もバリスタに転身した。
CAMELBACK sandwich&espresso
奥渋谷、東京ミッドタウン八重洲に店舗を構える東京発祥のコーヒースタンド。「Quality First」を掲げ、厳選した食材・コーヒー豆を使用して、品質の高いサンドウィッチとエスプレッソを提供している。
Instagram / @camelback_tokyo
〒150-0047 東京都渋谷区神山町42-2
CAMELBACK TOKYO MIDTOWN YAESU
〒104-0028 東京都中央区八重洲2-2-1 2F
Photo : Takao Ikemoto
Edit : Junko Itoi