アディダスゴルフは14日(水)、ゴルフ・ライフスタイルブランド「Bogey Boys(ボギー・ボーイズ)」とのコラボアイテムの販売を開始。ウェブでは一部完売アイテムが出るなど大きな反響を呼んでいる。日本ではまだ馴染みのないBogey Boysとは、いったいどんなブランドなのか? グラミー賞受賞のアメリカ人ラッパーで、同ブランドをプロデュースするマックルモアー氏に独占インタビューした。
―Bogey Boysってどんなブランド?
Bogey Boysは「僕のすべて」なんだ。デザインについて1年以上話し合い、2021年にようやくローンチした。Bogey Boysは僕にとってクリエイティブな考えや、自身の主張を表現できる場だと思っている。過去と現在を融合させ、他ブランドとは違う自分が着たいと思うものをプロダクトとして生み出してきたし、これからもそうありたいね。
―ゴルフアパレルをはじめた理由はなんですか?
僕はタイガー・ウッズを見て育ち、14歳になった頃、自宅近くのショートコースに遊びにでかけたんだ。本格的に夢中になったのは2019年。兄弟のようでもあり、友でもある知人に、カウアイ島のゴルフコースに強引に連れていかれたラウンドで、完璧なショットを打った。あのワンショットのゾクゾクとした感覚が忘れられなくて、一瞬でゴルフの虜になってしまったんだ。
そのあとスポーツショップにゴルフウェアを見に行ったけど、自分が着たいと思えるクリエイティブで、オーセンティックなウェアがなくて…。元々ファッションが好きで、自分のグッズをデザインしていたこともあり、ゴルフコースで他人と同化しない、個性を強調したい僕みたいな人のためのアパレルを作ってしまおうと思ったことがきっかけさ。
―ゴルフアパレルブランドではなく、“ライフスタイル”ブランドとした理由は?
それまでは、ゴルフアパレルのポロシャツやパンツをビンテージショップで購入して、ゴルフ場以外でも着ていたんだ。ゴルフウェアはゴルフ場だけで着るものではないし、普段着をゴルフで着たっていい。朝起きて服を着たときに、フレッシュな気分で一日を始められるような…、ゴルフという枠を超えて、多くの人が着たいと思うものを作りたかった。だからゴルフに限定せず、ライススタイルの部分をとても大切にしているんだ。
―Bogey Boysのこだわりは? プロダクトのインスピレーションはどこからくるのですか?
こだわりは機能性とビジュアルを考慮しながら、ゼロから作ること。既存のポロシャツやニットに、ただブランドロゴをつける、ということは絶対にしたくない。特に70~90年代のファッションが大好きで、デザインのアイデアは、過去のアーカイブから得ることが多い。その頃は、今よりも服にこだわっている人が多かった気がするんだ。PGAツアーのプロ、例えばチチ・ロドリゲスやアーノルド・パーマー、リー・トレビノ、タイガー・ウッズといった選手らが着用していたアパレルやスタイリングの美学は、現代とはまったく違う気がしている。過去のスタイリングを参考にしながら、現在のファッショントレンドと掛け合わせて、ブランドの方向性を考えているよ。
―今回、世界的なスポーツブランドである「アディダス」とコラボした理由を教えてください。
僕が初めて手にした靴は、アディダスのスニーカーだったんだ。父がアディダスの「カントリー」をいつも履いていて、彼のクローゼットには新品から、履きつぶしたものまで、様々なアディダスのスニーカーが置かれていた。物心ついた頃からそんな思い出とともに、ずっと人生の中に存在していた。「Run-D.M.C.(ラン・ディーエムシー/ニューヨーク州出身のヒップホップグループで、アディダス『スーパースター』を若者のファッションとして最初に流行させた)」に代表されるように、ヒップホップのDNAにも名を刻んでいる。Bogey Boysのような新しいブランドが、レガシーのあるアディダスとコラボできたことは素晴らしい機会だと思う。
―楽曲制作とウェア製作の共通点はありますか?
確実にある!まず、自分の意志を何よりも大切にしているということ。必ずしも全員に受け入れられるものとは限らないし、自分が納得できないと意味がない。だから僕は、共感してくれる方のために、自分自身がカッコいいと思えるものを作りたいと思っている。
コラボレーションの依頼や、TikTokで流行りそうなものを提案されることもあるけど、自分が本当にいいと思わなければやりたくない。すべては自分の心と直感に従って、音楽もアパレルも作っているんだ。聴きたい音楽、着たい服は、自分が設定した基準を必ず満たす必要がある。満たしていないものは、世には出さないことを徹底しているよ。
―マックルモアーさんにとって、ゴルフはどんなスポーツですか?
ゴルフは、ゴルフクラブとボール、自分の体さえあれば、どこでも楽しめるスポーツ。ゴルフコースにいるだけで楽しい気分になるし、一人でラウンドすることもあるくらい好きなんだ。ボールがどこに飛んでいこうと、それが“定め”であるかのような、あるがままを受け入れるという瞑想的な性質も好き。どんな自分や、どんな結果でも、いまこの一瞬こそが、自分の生きるべき瞬間なんだと感じられることを楽しみながらね。なにも考えずに笑って楽しめることが一番さ。
―日本のゴルフファンへメッセージをお願いします。
日本が大好きなので、日本でプレーする日を楽しみにしているよ。東京は大好きな街だし、大阪の食事や文化も魅力的だよね。日本でもBogey Boysが広まって、ゴルファーをはじめ、より多くの人に手に取ってもらえることを願っている。日本のみなさんに着ていただくことは、僕の夢のひとつだから。
お問い合わせ先
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ボギーボーイズhttps://bogeyboys.com/
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アディダス ゴルフhttps://shop.adidas.jp/golf/
Edit/Text : Tsugumi Someno