BRUDER

メニュー 検索する
閉じる

『スタンド・バイ・ミー』を小説で 大人に“なってしまった”人へ

友人からでも、家族からでも、書評でも、課題図書でもない「オススメの本」を読んだことはありますか? 「文喫 六本木」副店長の小粥莉子さんにBRUDER読者をイメージした一冊を選んでもらいました。

「スタンド・バイ・ミー」/スティーヴン・キング

映画の元になった小説を読むと、映像では触れられなかった人物の考え方や、背景の深部に気づくことがあります。年末年始は、お気に入りの作品と原作を見比べてみるのはいかがでしょうか。今回は、名作『スタンド・バイ・ミー』の原作を収めた短編集『スタンド・バイ・ミー 恐怖の四季 秋冬編』をご紹介します。

1960年代、アメリカの田舎町。4人の少年が行方不明の少年の遺体を探す旅に出ます。映画と同じ骨格を持ちながら、小説では家庭環境や社会的地位による彼らの抱えている痛みが、より直接的に描かれています。

原作の終わり方は、きれいとは言い切れません。4人のその後にも触れ、大人になることの残酷さ、儚さを現実的に描いているのが、映画とは異なる魅力です。小説にしか登場しない場面や、実写版とは異なる描写も多く、両者を比較しながら読むのも楽しみのひとつです。

これからの季節には、同短編集に収録された冬編「マンハッタンの奇譚クラブ」もおすすめ。雪の夜に開かれる奇妙な会員制クラブを舞台にした物語で、短いですが秋編とは異なる不思議な余韻がある一編です。こちらは映画化されておらず、本でしか味わえない特別な締めくくりです。

「スタンド・バイ・ミー 恐怖の四季 秋冬編」スティーヴン・キング(新潮社)/¥935(税込)

<関連記事>謎解きだけが面白さじゃない 大人に勧める極上のミステリ

COOPERATION

文喫 六本木 副店長 小粥莉子

2024年日本出版販売入社。現在文喫 六本木のブックディレクターとして、企画選書や展示イベント企画、本のある空間のプロデュースなどを行う。

Edit : Hiroto Goda

閉じる