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自社キャリバー搭載の渾身作で魅了する!メゾンブランドの底力

今、時計業界は「メゾンブランド」の存在感が増している。“メゾン”とは、ファッション業界においてトップブランドを指しており、洋服はもちろんのこと、ホームコレクションや革製品など、幅広いジャンルで高い品質の製品を作り出すだけの規模と実力を有している。こういった“メゾン”が時計業界に参入しているのだ。
ブルーダーの多くはギアにこだわるゴルファーだろうから、餅は餅屋という考え方が強いだろう。しかし、時計業界においては専業ではないメゾンブランドの時計が、実は面白いのである。

機械式時計というのは、数百年単位で受け継がれてきた技術の結晶である。そのため様々な機構や時計を開発し、それを守ってきた老舗の時計専業ブランドは、ステータスが高く、一目置かれている。しかしながら問題もある。スマートフォンの普及と共に、時計には“時間を知ること”以上の価値が求められるようになってきた。しかし伝統と格式を重んじる老舗時計ブランドは、思い切った戦略をとることは難しい。信条を曲げることでもあり、旧来のファンを裏切る可能性もあるからだ。
そこで急浮上してきたのが、既に他のジャンルで名を成していたメゾンブランドたちだった。彼らにとって時計はあくまでも装身具の一つ。そこに磨きぬいた美的センスを投影するのだ。しかも彼らは自社製品のクオリティに徹底的にこだわる。そのため時計工房を傘下に収めたり、ムーブメント会社と資本提携を結んだり、あるいは時計メーカーとコラボレーションすることで、品質を磨いた。その結果生まれた時計は、高品質でありながら、遊び心と表現力に長けていた。となれば、時計愛好家の目に留まるまでに、さほど時間はかからない。
贅沢な嗜好品へと役目を変えた時計にとって、眺めているだけでワクワクするという要素はとても重要だ。メゾンブランドが本気で作った時計が魅力的なのは、当然なのである。

01 Selected byToru Kamine, Takanori Demizu, Seiichiro Furuichi

国内有力時計店のオーナー3名が自信をもってオススメするメゾンブランドの秀逸作

シャネル「ムッシュー ドゥ シャネル」

[左] ホワイトゴールドモデル [右] ベージュゴールドモデル

「シャネルのエッセンスが盛り込まれ、実に手の込んだ逸品です」上根 亨

シャネルが時計事業に参画したのは1987年で、2000年には傑作「J12」を発表。すでにその時点で時計業界でも名声を築いていたが、2016年に待望の自社製キャリバー搭載モデルとして発表されたのが、この「ムッシュー ドゥ シャネル」である。まず、目に飛び込んでくるのは、6時位置にセッティングされたジャンピングアワー。そしてレトログラード式の分針は240度で大きくフライバックする。
「アイボリーのダイアルとシャネル独自の配合によるベージュゴールドのケースをベースにしたシャネルらしい気品のあるデザイン。シンプルなようで難しい輪列設計のジャンピングアワーを採用しており、シャネル マニュファクチュールの意気込みを感じる逸品ですね」と上根氏は絶賛。
一方、ムーブメントの完成度の高さを語るのは出水氏。「スイス・ラ ショード フォンにあるシャネルの自社ファクトリーで生み出されたこの時計には、最高レベルの手仕上げが施された、息を飲むほどに美しいムーブメントを搭載しています」と心底惚れた様子である。
また古市氏も「時計ブランドではありえない芸術的な輪列。そしてこの時計のために開発されたアラビア数字のフォントも美しい」とシャネルの美意識の高さも絶賛。デザインと機構の両面で、識者三名の絶賛は止まらなかった。

[左]通常のムーブメントとは異なり、円形のブリッジのみで輪列を支える構造になった自社製ムーブメントキャリバー 1.。歯車やテンワのデザインもオリジナルで、シャネルのアイコンの一つでもある星形になっている。[右]リュウズにはライオンのモチーフ。これはマドモアゼル シャネルが“獅子座”であったことに由来しており、ケースバッグにも配された獅子のエンブレムは自社ムーブメント搭載モデルのみに採用される。

SPECスペック ー ホワイトゴールドモデル
  • ケース径:40mm
  • ケース素材:18Kホワイトゴールドモデル
  • ケース素材:18KWG
  • ムーブメント:CHANEL キャリバー1. ジャンピングアワー(手巻き)
  • パワーリザーブ:3日間
  • 防水性:3気圧
  • 価格:¥4,300,000(税抜)
SPECスペック ー ベージュゴールドモデル
  • ケース径:40mm
  • ケース素材:18Kベージュゴールドモデル
  • ムーブメント:CHANEL キャリバー1. ジャンピングアワー(手巻き)
  • パワーリザーブ:3日間
  • 防水性:3気圧
  • 価格:¥4,100,000(税抜)

上根 亨  Toru Kamine

カミネ代表取締役社長
神戸に5店舗を展開する正規輸入時計宝飾専門店カミネの4代目社長。時計全般のアドバイザーとして世代を超えた顧客の信頼を得る。富裕層の好みを把握した、適切でわかりやすい時計の解説に定評あり。カミネ社長ブログは公式サイト内の人気コンテンツ。新商品入荷情報や海外レポート、機械式時計の魅力などを定期的に更新中。

www.kamine.co.jp

出水 孝典  Takanori Demizu

オオミヤ代表取締役
関西に6店舗、2015年には鹿児島に新店舗をオープン。オフィシャルサイトやブログ、SNSが充実。長年の経験を武器に富裕層に刺さる時計を厳選。

www.jw-oomiya.co.jp/

古市 聖一郎  Seiichiro Furuichi

トミヤ代表取締役社長
岡山を中心に、広島・福岡と西日本に広く店舗を展開するトミヤ時計店。フランク ミュラーの店舗を初めて立ち上げるだけでなく、セレクトショップをオープンするなど時計店の枠に収まらない活動を続ける仕掛け人。トミヤ タイムアート店にて9/17〜9/30ウブロフェア開催。

www.tomiya.co.jp

02Selected byTetsuo Shinoda

時計に関してオールジャンルの知識を持つジャーナリストが 自信をもってオススメするメゾンブランドの秀逸作

ラルフローレン「オートモーティブ 45mm スケルトン スティール」

「大人の趣味嗜好、ライフスタイルが透けて見える」篠田 哲生

製品が主役という考えからか匿名性が高い時計の世界だが、ファッションの場合はデザイナーやクリエイティブディレクターのセンスやライフスタイルが製品に強く反映されるし、そこに惹かれるファンは多い。そういった手法を時計業界に持ち込んだのがラルフ ローレン氏。時計コレクターだった彼は時計コングロマリット「リシュモン」と合弁会社を作り、自分の好きなことを投影した時計を作った。「インド紫檀で作られたベゼルは車のハンドルをイメージし、スケルトンムーブメントはまさにエンジン。ラルフ ローレン氏の愛する“車×時計”という二つの要素が詰まっています。こういう作り手の顔が見える時計っていいですよね」と篠田氏も納得の様子。

[左]ラルフ ローレン氏が愛する1938年製の名車ブガッティ 57 SC アトランティック クーペの ステアリングホイールをイメージしたインド紫檀製のベゼル。他にはないデザインには、ラルフ ローレン氏の美意識が色濃く反映されている。[右]搭載するムーブメントはスイス製のラルフ ローレン専用キャリバーRL1967で、表も裏も完璧なスケルトン仕上げを施されている。この審美性も同ブランドの特徴である。

SPECスペック
  • ケース径:45mm
  • ケース素材:ステンレススチール
  • ムーブメント:RL1967、16 3/4 (手巻き)
  • パワーリザーブ:約45時間
  • 防水性:5気圧
  • 価格:¥3,440,000(税抜)

篠田 哲生  Tetsuo Shinoda

時計ジャーナリスト
ラグジュアリーウォッチに関する特化した知識を有するジャーナリスト数多くの媒体で時計記事を担当。時計学校を修了した実践派で、複雑機構を備えた高級機械式時計を熟知した敏腕ライター。ラグジュアリーとは、なんたるかを日々探求中。

03Selected byToga Hirokuni

スーパーバイザー戸賀が自信をもってオススメするメゾンブランドの秀逸作

ディオール「シフル ルージュA02」

「ファッションとメカ好きにはたまらないよね」戸賀 敬城

パリのオートクチュールメゾンが、メンズウォッチに本気を出したのは2004年のこと。当時クリエイティブディレクターを務めていた某デザイナー(最近、別ブランドで活動を再開したあの人)が考案した左右非対象ケースは、モードな佇まいで人気に。しかも同じLVMHグループ傘下のゼニスからムーブメントを提供してもらっていたり、COSC認定ムーブメントを搭載していたりと時計の品質も極めて高い。「モードなメンズウォッチといえばこれしかないでしょ。私が所有しているモデルは、クロノグラフの名機エル・プリメロを搭載しており、時計としても完璧で、愛用していますよ」と戸賀も大推薦。

SPECスペック
  • ケース径:38mm
  • ケース素材:ステンレススチール
  • ムーブメント:COSC認定ムーブメント搭載
  • パワーリザーブ:約40時間
  • 防水性:10気圧
  • 価格:¥763,000(税抜)

戸賀 敬城  Toga Hirokuni

ブルーダー スーパーバイザー
数々の媒体で編集長を歴任し、現在はハースト・メンズ・メディア・ブランド・アンバサダー、ナノ・ユニバース メンズディレクターなどさまざまな肩書をもつ。ファッション界を超えた幅広いネットワークとこれまでに培った上質で豊富な知識をもって「BRUDER(ブルーダー)」全体を監修するスーパーバイザーとして携わる。

04 Selected byBRUDER

BRUDER 編集部が自信をもってオススメするメゾンブランドの秀逸作

グッチ「エリクス」

「いま最も次が気になるブランド」BRUDER 編集部

1970年代からファッションブランドとして初めてウォッチ分野に進出し、時計を作ってきたグッチ。同社が属するケリンググループは、スイスの名門マニュファクチュールであるジラール・ペルゴを傘下に持ち、コラボレーションウォッチを生産していた時期もあった。しかし近年はクリエイティブ・ディレクターのアレッサンドロ・ミケーレの独創性を発揮したモデルが、コレクションのランウェイでも話題になることもしばしば。「アクセサリーとしての時計の可能性を探求しているのがグッチ。機械式のGMTウォッチという本格派でありながら、スネーク型の針やブラックアリゲーター カフなど、遊び心は満点。そのバランスは秀逸です」と編集部は大注目している。

SPECスペック
  • ケース径:40mm
  • ケース素材:ステンレススチール
  • ムーブメント:スイス製オートマティックムーブメント
  • パワーリザーブ:約42時間
  • 防水性:5気圧
  • 価格:¥323,000(税抜)
  • Text : Tetsuo Shinoda
  • Photographer : Katsunori Kishida
  • Direction : Keiichi Moritani

お問い合わせ先

  • シャネル/シャネル(カスタマーケア) TEL.0120-525-519

    www.chanel.com
  • ディオール/ディオール TEL.0120-02-1947

    www.dior.com
  • グッチ/ラグジュアリー・タイムピーシズ ジャパン TEL.03-5766-2030

    www.gucci.com
  • ラルフ ローレン/ラルフ ローレン TEL.表参道

    www.ralphlauren.co.jp

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