OFF THE GREEN

第二回 ゴルフ編

株式会社ビームス 代表取締役社長 設楽洋x戸賀敬城 対談「長嶋茂雄氏とのラウンドで、宙に浮く」

戸賀:ゴルフは電通時代から、やられているんですか?

設楽:電通に入ったタイミングで、上司から「やれ」と言われてですね。最初は馬鹿にしていたんですよ。僕は学生時代ずっと激しいスポーツ、サッカーをやっていたので……。半分冗談ですが、「当時Jリーグがあったら、BEAMSはなかった」と言ってるほどです。かなり強い高校にいましたし、言うだけなら勝手ですからね(笑)。

設楽:ゴルフはオヤジのスポーツだと思っていた上に、まったく練習せずにある程度プレイできるようになってしまいました。運動神経があるのと、割と器用な方だったんです。でも、それがいけなかった。習わずにプレイして、ある程度できてしまったから、基礎がないのに「こんなの簡単だ」と思ってしまったんですよ。始めてすぐに100を切ったんですが、そこから40年間、全然スコアが変わらない状況が続いていて……(笑)。やはり基礎ができていないとダメですね。

戸賀:アメリカ文化が好きでも、ゴルフはアメリカのスポーツという風には考えなかったんですね。

設楽:そうですね。クライアントとの付き合いもあったり、あくまでも上司に言われてやっていました。当時は、コンペの時だけ参加する感じだったんですが、やり始めて10年くらいかな。それまではいい加減にやっていたのに、スクラッチのライバルができた時に、「こんなに面白いものがあるのか!」と気が付いたんです。もっと早く気が付いてやれば良かったと、心底思いましたね。

戸賀:いくつくらいでハマったんですか?

設楽:37~38歳くらいですね。未だに彼はライバルです。お互いに「自分の方が上手い」と思ってるんですが、勝ったり、負けたりです。ただ残念なことに、習わずにある程度できてしまったので、フォーム改造も自分でやろうとしてしまった。それが原因か、ある程度から全く伸びなくなってしまいました。こんなに難しくて楽しい、両極端なスポーツはないと思います。

戸賀:それが今も週に1~2回、ゴルフを続けている理由ですか?

設楽:そうですね。僕らはものすごくスピーディな世界に生きてるじゃないですか。情報だったり、流行だったり。自然の中で過ごすゆっくりとした時間、ある程度自分を抑えなければならない時間は、すごく大切です。同業ではない方々と、ゆっくり情報交換できたりしますし、人の本性も分かりますよね。自分もそうですが、「意外とこの人は気が短いな……」とかね(笑)。色々な意味でゴルフは奥深いスポーツだと思っています。

戸賀:色々と行かれていると思いますが、コースについて聞かせてください。SNSによると、「戸塚カントリー倶楽部」が多いようですね。

設楽:自宅からも近いですし、会員にもなっているので、戸塚が一番多いですね。細かいテクニックを駆使するより、自分を解放したいので、男性的なコースが好きなんですよ。コースが広めで、トリッキーではないところが好きですね。

戸賀:僕も何度か戸塚でラウンドしたことがありますが、素晴らしいコースですよね。他に思い出に残るコースや、忘れられないホールはあったりしますか?

設楽:ホールインワンを経験したのが、筑波カントリークラブの4番だったかな……。それは思い出に残っていますね。あと忘れられないのは、僕が憧れている長嶋茂雄元監督と、2000年に回った「程ヶ谷カントリー倶楽部」です。

僕はほとんどアガったり、緊張することはないんですが、生まれて初めて舞い上がることを経験したコースです。ご一緒に回った時、スタートしてから、長嶋さんがお帰りになるまで、ほとんど30cmくらい宙に浮いていましたから。18ホールのうち、17ホールで「ドンマイ~」って言われて、1ホールだけ「ナイスショット~」って言われましたよ(笑)。長嶋さんが後ろで見てると思うと、もう空振りするわ、まともに当たらないわで……。

戸賀:内容的にはドンマイだったんですか? その頃は、確か絶好調時代ですよね。

設楽:絶好調なのに、ドンマイでした(笑)。もう当たるもなにもない。スコアも数えられないくらい、舞い上がって。朝、ご挨拶するタイミングで、「一緒に写真を撮ってください」とお願いして、肩に手を回された瞬間、背中からパリンと音がして、羽が生えてきました。そして飛んで言ったまま、降りてこなかった(笑)。とにかく一番印象深いラウンドです。

戸賀:僕も「MEN'S EX」時代に長嶋さんをインタビューしたことがあります。色々な話題の中にゴルフの話があったんですが、ずっと「最近使っているセルシオってドライバーがいい」って仰っている(笑)。すぐに間違いを気づきましたけど、誰も「違う」と言えない。最後に「ゼクシオですよね?」と言ったら、「ゼクシオ、ゼクシオ! ゼクシオって言ってるじゃん」」って。何回もセルシオって言っていましたけど、誰も突っ込めない(笑)。

設楽:そこが好きなんですよ。

戸賀:原稿は文字なので、まったく問題なかったんですけどね。長嶋さんは、本当に独自の人ですよね。

設楽:経営者には2種類あって、マネージメントタイプと、ソフトタイプがいます。僕はどちらかと言うと、ソフトタイプの経営者なんです。データよりも直感派、長嶋さんも直感派ですから(笑)。監督は選手の名前を間違えましたが、僕もスタッフには「俺が名前を覚えたら一人前」だと、あえて言っています。昔から長嶋さんは僕にとっては神様です。色々なスーパースターに会った時もまったく問題なかったのに、あの時だけは宙に飛びました。

戸賀:それが40年近いゴルフ歴の中で、忘れられないことですね。

設楽:自分にとっても本当に思い出深いゴルフです。

─第3回目は10月26日公開。「クルマ」について伺います。

PROFILE : 株式会社ビームス 代表取締役社長 設楽洋(したらよう)

1951年、東京都出身。
1975年、慶應義塾大学経済学部卒業。1975年、 電通へ入社。セールスプロモーション局にてイベントプロデューサーとして活躍。1976年、 父の立ち上げた「BEAMS」設立に参加し原宿で「AMERICAN LIFE SHOP BEAMS」を6坪のショップとしてオープン。1982年、株式会社ビームス設立。ゴルフ歴40年、ベストスコア76

COOPERATION
取材協力

カメリアヒルズカントリークラブ

国内女子トーナメント「アース・モンダミンカップ」開催コース。安田幸吉氏の設計によるコースはフラットで広いフェアウェイと巧みに配されたハザードにより、すべてのプレイヤーが楽しめる正統派の美しいコースに仕上がっている。また、クラブハウス内はヨーロピアンエレガンスに統一し、心安らぐ空間で贅を尽くした施設ときめ細かな温かいサービスをご提供している

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