OFF THE GREEN

メルセデス・ベンツ日本株式会社 代表取締役社長兼CEO 上野 金太郎 x 戸賀敬城 対談 はじめて乗った車は「スターレットKP61」

初ゴルフはラリー参戦の合間に

戸賀敬城(以下、戸賀):今日はありがとうございました。僕は最後までいいところを見せることができませんでしたね。上野さんはバーディも出しましたし、豪快なショットも見せて頂いて、勉強になりました(笑)。

上野金太郎(以下、上野):いえいえ、緊張しっぱなしのゴルフで……(笑)。

戸賀:よく言いますよ! 

上野:ボールがあちこちに行ってしまいましたが、いいところを見せようと頑張りました。

戸賀:実は上野さんとの付き合いは25年以上になります。最近はなかなかお会いする機会がなくて、ゴルフをご一緒するのは今回が初めてです。若い頃は、多いと月に1回くらいはお見かけしていた気がします。今でも特に週末はテレビを見ていると……。

上野:ゴルフ中継の表彰式で、何度か行かせて頂いています。毎週ゴルフ場に行っていると思われていますが、実はそんなことはないんですよ。

戸賀:表彰式のみで、ラウンドはしていないんですか?

上野:本番前に行われているプロアマ大会にはたまに出させてもらっています。基本的に日曜日の朝に入って、日曜日の午後には出ていますね。プレーオフになって、飛行機に乗り遅れたことが2〜3回はあります(笑)。興奮しながら試合結果を待つんですが、最近は週末ごとの緊張感がとても好きになりました。優勝者に直接副賞を渡せるのなんて、なかなかない経験ですからね。この時間を大切にしています。

戸賀:もちろん上野さんご自身もゴルフをされるわけですが、いつ頃始めたんですか?

上野:一番最初にゴルフをしたのは、大学4年生の時です。

戸賀:早いですね。

上野:まったくプレーする予定はなかったんです。当時、世界ラリー選手権(WRC)の「RACラリー」がイギリスで行われていて、そこに参戦していたチームのアルバイトマネージャーをやっていました。ラリーに向けた準備期間にちょっとした空き時間があって、「ゴルフに行くぞ」ということになって……。当時、ラリーチームにはゴルフ好きの方が多かったこともあって、急遽僕も初ラウンドすることになりました。

戸賀:練習は?

上野:まったくなしです。散々なスコアでした。

戸賀:叩かれました?

上野:叩きました(笑)。秋でしたから、落ち葉にボールが隠れたり、それこそあっちこっちに飛んでしまって。この時をきっかけにゴルフにのめり込むことにはなりませんでした。月並みですが、就職後数年経って、「そういえばゴルフってあるよね」と始めたのがきっかけです。皆さんと同じように、会社に入って少し経ってから始めた感じです。

広がるゴルフ界の交友関係

戸賀:道具へのこだわりはありますか?

上野:何事も格好から入ってしまいます(笑)。良いものだと、きちんと正確に飛ぶんじゃないかと思ってしまいがちです。もちろん腕が大事なんでしょうけどね。ギアにはかなり興味があって、色々と見ることも多いです。でも、知識はほとんどないので、皆さんのギア談義には半分くらいついていけません。ただゴルフ道具を見たり、デザインをチェックしたり、実際に構えてみたりするのは大好きです。でも、実際に打ってみると、まっすぐ飛んでくれればいいんですが、なかなかそうもいかないですね。

戸賀:上野さんの周囲には、ゴルファーがかなり多いですよね。

上野:そうですね。弊社がサポートしている女子選手もいますし、プロアマがきっかけでお会いしたプロゴルファーの方たちとも仲良くさせて頂いています。プロゴルファーの皆さんには、メルセデスのオーナーが多いんです。乗り換えのタイミングでご相談を受けたり、交友関係がどんどん広がっていきます。それこそ自動車業界の知り合いよりも、ゴルフ業界の知り合いが増えているほどです(笑)。

戸賀:お気に入りの道具はありますか?

上野:昔はドライバーで飛ばすのが楽しみだったんですが、最近は飛ばなくなってしまったので……。右に左に行ってしまうから、地道なサンドウェッジが好きな道具です(笑)。色々とやりたいこともあって、欲張りなんですが、頼りになるのはやっぱりウェッジやパターのような、距離の短いクラブですね。距離の長いクラブは頑張って振り回しても、差がついてしまって、寂しいだけなんですよ。僕のゴルフは人に習うことなく、我流できてしまいましたから、とにかくカップに近づくことだけを考えて、計画性もなく猪突猛進型というのが現状です。ギャンブルも必要になればしますし、成功する場合もあれば、大失敗もするって感じですね。

戸賀:今日の8番パー5は、その両方がつまっていましたね。第2打のアゴが近いバンカーでのユーティリティもありましたし、一方でグリーン面が見えない右下から打ったのが綺麗に乗っていましたから。

上野:上手くいくことを前提にプレーしています。「失敗するかも……」と思ってするよりも、一番いいショットが出ると思ってやっています。もちろん地道に練習するのが一番なんでしょうが、あまり練習もしないんです(笑)。ゴルフをすると、その日の自分の体調や調子がすごくよく分かりますよね。上手くいっている時は、ゴルフが上手くなったのではなく、体調がいいからだと思っています。それもあって、前の日はなるべくお酒を控えていますし、しっかりと寝て、当日の朝も早起きして、朝食も食べています。

スコッティ・キャメロンとのコラボ

戸賀:メルセデス・ベンツ日本と言えば、僕も大好きなんですが、最近スコッティ・キャメロンとコラボレーションしましたよね。メルセデス・ベンツ・マガジンで見て、「よくコラボできたなぁ……」と思いました。すぐに完売したそうですね。

上野:おかげさまで、発表後すぐに完売しました。実はひょんなきっかけから、スコッティ・キャメロン氏に直接お会いすることができました。「コラボしましょうよ」とダメモトで頼んだら、「いいよ」と気持ちよく答えてくれたんです。それで限定300本を、コラボ第一弾として発売しました。我々としては第二弾もしたいんですが、またどこかで偶然会わないと……(笑)。

戸賀:スコッティ・キャメロンは、なかなかコラボレーションしないですよね。第二弾もあるのかな? 今回の対談を放送したら、「次はいつだ?」と問い合わせが殺到するくらい、皆さん注目していますよ。

上野:スコッティ・キャメロン氏が、メルセデスに乗っていることもあって、直接話すチャンスがありました。クルマ好きだったからこそ、今回のコラボレーションが実現したと思っています。でも、約束してから実現するまで少し時間がかかったので、「ダメなのかな……」とも思ったんですが、きちんと約束を守って、パターを作って頂けました。チャンスがあったら、またお願いしたいですね。

好きなコースはハワイのホアカレイカントリークラブ

戸賀:今日は成田ゴルフ倶楽部でラウンドしましたが、好きなコースはありますか?

上野:ハワイのホアカレイカントリークラブです。プライベートコースですが、毎回やっつけられてばかりです。ここは距離、水の配置、グリーンの上がり、バンカーの位置、どれをとっても本当に巧みで絶妙です。

戸賀:バンカーの数も多いですしね。

上野:シグネチャーホールもしっかりしています。今年の夏に新しいクラブハウスがオープンするそうですし、また行きたいですね。後半に行けば行くほど厳しさが増していって、最後に二百数十ヤードのパー3で終わるのが、本当に厳しい。後半はすべて左側に水があって、油断して引っ掛けるとペナルティも多い。でも、成功すれば、すごく楽しいし、いい思い出になります。ここが一番「キテる」コースですね。

スターレット KP61からアルファ・スパイダーを経てG63へ

戸賀:これまでどんなクルマに乗ってきましたか? 初めてお会いした時は、25歳くらいでしたよね。

上野:最初はオートバイから始まりました。12歳くらいからレーシングカートをやっていたので、そもそも動力がついたものが好きなんでしょうね。16歳で二輪免許、18歳で普通運転免許を取って、最初に手に入れたのはトヨタ・スターレット。後輪駆動の通称「KP」でした。

戸賀:名車じゃないですか!

上野:3ドアハッチバックが良かったのに、5ドアだったので、「ちょっとダサいなぁ」と思ってました(笑)。国産車を何台か乗り継いだんですが、会社に入ってすぐになぜかオープンカーに乗りたいと選んだのが、アルファロメオ・スパイダーです。

戸賀:FFですか?

上野:いや、FRで左ハンドルのマニュアルです。未だになぜ買ったのか分からないんですが(笑)、けっこう楽しみましたよ。非常に原始的でハンドルも重いんですが、クルマ感が抜群でした。しかもオープンにもなる。その後はボルボにも乗りましたね。最初のメルセデスはW124の300CEで、これはアルファロメオ・スパイダーの前に買っています。一応会社にも不義理をせずに、という感じです(笑)。30歳以降はずっとメルセデスに乗っています。

本当はポルシェも所有してみたかったですし、未だに乗るとワクワクします。クルマに携わる者として、色々な車種に興味があります。海外でレンタカーに乗る場合は、あえて違うブランドのクルマに乗ります。メルセデスと比較もしたいですし、色々と理解もしたいんです。運転自体も好きなんですが、平日に運転する機会が減っているのは少し残念です。それでも、週末はブイブイと運転してるんですけどね(笑)。

戸賀:週末に乗っているのは、会社のクルマですか?

上野:メインは妻が乗っているメルセデスGLAです。もう1台、G65(写真:左)を借りています。けっこう押し出しの強いクルマです。

戸賀:僕も以前ゲレンデヴァーゲンに乗っていました。ショートの直列6気筒最終モデル、97年ですね。

上野:Gクラスは海外でも引く手数多です。G65には「それだけの価値があるなら」と思って乗りましたが、やはりよく止まるし、V12が引っ張る加速力も素晴らしい。燃費が玉に瑕ですが、「電気自動車よりも距離を走らない」なんて言ったりもしています(笑)。やはりゲレンデヴァーゲンには長い歴史があります。G65も原始的ながら、進化した味付けも少しずつあって、気に入っています。こそこそ乗っていますよ(笑)。

戸賀:ゲレンデヴァーゲンに乗っていた当時は、ヒラの編集者でした。ある企画で「2トンのLeica」というキャッチをつけたら、あるジャーナリストから褒められたことを思い出しました。すでに新しいGクラス(写真:右)も、見られているんですよね?

上野:今年のデトロイトショーで発表したんですが、その場にも居合わせました。何度か見ていますが、お客様から好評を得るんじゃないかと思っています。

戸賀:それを聞いて、ファンとしても安心しました。

上野:外観は現行モデルと似ていますが、足回りや内装などを徹底的にやり直しています。現行型と新型で人気が二分するんじゃないでしょうか。今年の年央過ぎに日本導入する予定ですが、すごく楽しみです。私もすぐ乗り換えるつもりです。

息子たちに父親から与える時計

戸賀:BRUDERには、昨年の11月から時計のコンテンツが加わりました。今日はとてもいい時計をつけていますね。

上野:そうですね。僕は背広を着ることが多いので、時計の存在が大きくなっています。スマートに収まる時計ということで、フランクミュラーがいいなと思いました。しっかりとしたデザインですし、モノもしっかりしています。付けっ放しではなく、しっかりと時計を見ながら手巻きするという作業が、さらに愛着をわかせますね。中のムーブメントも見ることができて、本当に気に入っています。

戸賀:フランク ミュラーのデザインもですが、ムーブメントの動きがとても綺麗なんですよね。それにカフスの邪魔をしない。ちょっとクラシックな趣だけど、遊んでもいる。背広に合わせていると仰っていましたけれど、ジャケット姿にハマる時計ですよね。

上野:表彰式など、色々な機会でよく付けています。このようなしっかりとした時計を持っておくのが大切だと思っていて、思い切りました(笑)。

戸賀:素晴らしい。他にも時計はお持ちですか?

上野:戸賀さんもそうだと思いますが、クルマ、時計、ファッション……、前に進みたいという思いがあります。時計も過去に何個買ったか分かりません。苦労して買うのが、やはりいいじゃないですか。クルマはメルセデスだけなので、時計に関してはブランドを問わずに、色々と試してみたい。買うまでに苦労して、買ってしまうと、大切にしちゃいますね(笑)。だから、そんなに付けない時計もあります。多いのはロレックスかな。あとIWCも、とてもいい時計として出会いました。食わず嫌いはなく、色々な時計を、買える範囲で楽しんでいます。最近はこのフランクミュラーがお気に入りです。

戸賀:次に狙っている時計はありますか?

上野:数ばかり集め過ぎるのもよろしくないので……(笑)。今度は子供に買ってあげる方向に切り替えていこうと思っています。彼らにはクルマも好きになってほしいし、時計にも興味を持って欲しい。スポーツもやって欲しいしと思っています。僕が与えられるチャンスを、彼らには与えてあげたいですね。

戸賀:いいお父さんですね。

上野:双子の高校1年生で、二卵性だからか、趣味が二分されているんですよ。兄弟に何か買ってあげても、どちらかが気に入って、どちらかはいらないというんです(笑)。その辺りもよく考える必要がありますね。

戸賀:違う時計を買うんでしょうか?

上野:たぶんそうなるでしょうね。まだ彼らも価値を分からないでしょうが、成長の過程で父親から何か貰ったことって、覚えているじゃないですか。僕も父親から貰ったものを、今も持っていたりします。彼らもそうなってくれれば、いいですね。買ってあげても、すぐになくしてきちゃうかもしれない(笑)。ちゃんと想いを込めて、何かを渡せられたらと思っています。

戸賀:最後に、ゴルフは公私にわたって切っても切れない関係だと思いますが、「2018年はこんなゴルフをしたい」とか、「行きたいコース」など、上野さんの抱負を聞かせください。

上野:そろそろ、ちゃんとゴルフができるようになりたいです。もう何十年もゴルフを続けているのに、毎回ティアップする寸前まで緊張している。最初のショットがまっすぐ飛んで、ホッとするところから始められるようにしたいです。一発目からキャディさんに「ファー!」と言われると、やはり凹みますから(笑)。整えた状態でゴルフに挑めるよう、しっかりとした気持ちと体で、ティーグランドに立てるようにしたいです。……と、言いながら、今日はそうではなかったので、もう一度ネジを巻き直したいと思っています(笑)。

戸賀:そう言う上野さんに、僕は負けているので、話になりませんね(笑)。ぜひ、またご一緒させてください。

PROFILE : メルセデス・ベンツ日本株式会社 代表取締役社長兼CEO 上野 金太郎(うえのきんたろう)

1964年生まれ。東京都出身。早稲田大学卒業後、創業間もないメルセデス・ベンツ日本に新卒採用1期生として入社。営業、広報、そしてドイツ本社勤務を経験。帰国後、社長室室長、商用車部門取締役や副社長などを経て2012年に代表取締役兼CEOに就任。2012年から5年連続で過去最高となる国内新規登録台数を達成している。

撮影協力:
成田ゴルフ倶楽部
衣装協力:

ニット¥46,000/ムニタルプ(グリップインターナショナル☎03-6408-8686)ポロシャツ¥8,500/フットジョイ(アクシネット ジャパン インク☎0120-935-325)パンツ¥13,000、ベルト¥8,800/ともにニューバランス(TSIグルーヴアンドスポーツ☎0120-519-515)シューズ¥18,000/ナイキゴルフ(NIKEカスタマーサービス☎0120-6453-77)グローブは私物。

ジャケット¥22,800、ニットポロ¥10,500、パンツ¥14,500/すべてナノ ライブラリー(ナノ・ユニバース カスタマーサービス☎0800-800-9921)

ニット¥16,000、パンツ¥12,000/ともにロサーセン(グリップインターナショナル☎03-6408-8686)インナー¥13,000/パーリーゲイツ(パーリーゲイツ☎03-6748-0392)グローブ、シューズは私物。

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