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Inspired by GLOBE SPECS

世界一の称号を得た日本の眼鏡店から学ぶ、目標達成のカギ

いくつになっても自分に対して妥協をしない、いかなるときも上だけを見つめ、誇り高く人生を楽しめる男でありたいと願うものだが、現実は厳しく、なかなか理想通りにはいかないもの。しかし、世の中にはその厳しさと真向から向き合い、乗り越え、ありたい姿を実現している人がいるのも事実だ。

毎年イタリア・ミラノで開かれる世界最大規模の眼鏡展示会、MIDO(ミド)展で、世界一の眼鏡店の称号を得た、グローブスペックスの代表 岡田 哲哉(おかだ・てつや)氏もその一人である。そんな岡田氏から、理想の人生を歩むためのヒントをもらってきた。もちろん、眼鏡選びのコツ、それからゴルフプレー時のサングラス選びについても話を聞いたので参考にしてもらいたい。

― 目標達成は、次なる一歩

渋谷の公園通りを登り、頂上近くを右に入った渋谷区神南に店を構えるグローブスペックス 渋谷店。眼鏡の国際展示会であるイタリア・ミラノのミド展において、2018年の最優秀店舗賞 イノベーション部門を受賞した。昨年の代官山店の受賞に続き、グローブスペックスは2年連続受賞という快挙を成し遂げた。日本に初めて眼鏡をファッションとして取り入れ20年、会社設立当初に描いていた「世界一の眼鏡店づくり」という目標を、物理的に達成してのけたのである。

これがいかに快挙であるかというと、例えるなら、1983年に青木功が日本人で初めてPGAツアーで優勝をおさめた時か、それを超えるほどの出来事であるかもしれない。イタリアといえばトレンドの発信地。このミド展には、目新しいもの、本物を求めて、目利きのバイヤーたちが世界中から集まるのだから。

(C)GLOBE SPECS

岡田氏は今回の受賞についてこう語る。

「昨年度の受賞も感無量でしたが、今年はイノベーション部門を受賞ということで、違う喜びがあります。店を始めた当初、いつか世界一の店を作ろうと漠然と思っていました。

当初は何が世界一なのか、自分でもよく分かっていなかった節がありますが、徐々に『世界で一番お客様が楽しんで眼鏡を選べる店にしたい』、そんな思いが強くなったんです。今回はその意味において、世界で一番ユニークかつお客様が楽しめるショッピングの環境を作っているということを評価してもらい、受賞ができたことが嬉しいです。今年で59歳を迎えますが、何年も抱いていた夢が叶いました。ただここからまた新しい何かが始まる、決してゴールではないと思っています」

― 何歳になっても挑戦し、変化し続ける努力を

今回グローブスペックスが受賞したイノベーション部門の評価ポイントは、店舗のデザインはもとより、商品ラインナップの革新性や変革力などソフトウェアの部分が審査対象となる。店舗の歴史を含め、より顧客との関係性を深める創意工夫があるか、深い印象を残す店かどうかなど、ショッピング時の感動がある店かどうかが問われるものだ。

審査員の構成はヨーロッパの眼鏡雑誌の編集者、アイウェアのデザイナー、大手メーカーの経営者、建築家、インテリア専門家などで、眼鏡業界で最も権威のある賞といえる。

ゴルフ業界においても言えることだが、長年同じ場所に身をおくと、常に変化しつづける、変革をもたらすということがどれだけ困難なことか。もともと大手眼鏡チェーンに勤務していたという岡田氏。彼はどのようにしてそれをこなしたのだろうか。

その原点は岡田氏の経験にある。世界一の眼鏡店と聞けば、売上がナンバーワンだとか、店舗数がナンバーワンだとか、そういったことをイメージしがちだ。しかし、岡田氏はそもそもそんなことには目を向けていなかったという。

「昔は眼鏡といえば、見えないことを見えるようにするという、どちらかというとハンディキャップを補う視力矯正の道具でしかありませんでした。お店に眼鏡を楽しんで買いに来るような人は、ほとんどいなかった。しかし、前職の大手眼鏡チェーンに勤めているとき、ニューヨークに転勤する機会があったのですが、そこで現地の人達が眼鏡を楽しんで掛けているのを見て感銘を受けました。

もともとファッションやアートが好きだったこともあり、それを機に眼鏡の違う捉え方を日本にもってきたいなと思いました。もっとファッションとして楽しめるのではではないかと。20年ぐらい前の話ですが、『世界で一番お客様が楽しんで眼鏡を選べる店にしたい』という思いでこの店を始めました。

ただ、その新しい価値観を浸透させるために、ベースは積みました。渡米した際には、オプティシャン(眼鏡士)のライセンスを取得し、技術を磨くことに集中しました。最大限楽しんで頂くためには、最高レベルの安心や快適さを保証する必要があると思ったからです」

しかし、目標への道のりは険しく、心が折れそうになることもたくさんあったという。

「決して順風満帆ではありませんでした。ただ、お金を稼ぐことよりも、自分が成し遂げたいと思ったことをずっとやり続けることでここまで来れたし、それを幸せだと感じています」

基礎を学んだ上で、変化を恐れないこと、自分を信じて、諦めずに続けること。シンプルでありながら一番難しい。これこそが目標達成のカギだったようだ。

― お客様を楽しませるためには、まず自らが楽しむこと

世界で一番お客様が楽しんで眼鏡を選べる店と称するとおり、岡田氏のこだわりや遊び心は、店舗のデザインやレイアウトから展示品、商品、接客にいたるまで空間全体に詰まっている。

例えば、店の中には岡田氏が世界から収集したというアンティーク雑貨がところ狭しと並んだスペースがある。

さりげなく置いてある三面鏡も100年ほど前のアンティーク鏡で、コレクターの知人から譲り受けたというもの。

「インスピレーションを受けるものは眼鏡屋さんというより、どこかの美術館であったりレストランだったり、良いと思ったものは取り入れます。

また、お客様にも店づくりに参加していただきたくて、店内の壁面はアーティストの画家の方に絵を描いてもらい、外壁にはNYでアーティストとして活躍しているお客様にウォールペインティングを施していただきました」

他にも、テンプル部分が伸縮式になっているヨーロッパのアンティーク眼鏡や、テンプルがない鼻掛け眼鏡など、見たことのないような、珍しく面白いものがたくさん並んでいる。

ヒト・モノ・コトと対象は問わず、自らの価値観を信じ、強い好奇心を持ち続けることは、何歳になっても人を輝かせる材料となるのかもしれない。

― 国内外、老若男女の多用なニーズに対応

実際に販売している商品に目を向けても、店にある在庫は3,000本にものぼる。客層も20代~50代とさまざまで、海外のメディアでも度々紹介されているため、世界中から顧客が訪れる。

多様性に応えるために、できるだけ世界中からセレクトし、バリエーションを増やして行く方針を取っている。場所柄ファッション関係の顧客も多いというが、大企業のエグゼクティブや、政府関係者も訪れるという。

「うちの店は、眼鏡を通じて自分を楽しみたいという方はどなたでもウェルカムです。全体の20%ぐらいの方は、度数を入れず、眼鏡をファッションとして楽しんでいます。

眼鏡は一番視線が集まる、顔の中心にくるウエアですから、かけるだけでガラッと印象が変わるのは当然です。イメージチェンジや、セルフブランディングのためにいらっしゃるエグゼクティブの方も結構いらっしゃるんですよ」

接客方針にも個性が光る。もちろん顧客の好みに合わせたものを提供するが、せっかく店に足を運んだのなら新しい発見が得られるよう、決して顧客本人では選ばないものも試すよう勧めるのだそうだ。そして、ほとんどの顧客が、そのお勧めを選んで購入するという。情熱と好奇心のなせる業だ。

― 自分に似合う眼鏡選びのコツ

そんな岡田氏に眼鏡を選ぶコツを聞くと、ずばり「スタッフに任せてもらうこと」だという。

「自分ひとりで小さな鏡を見ただけで決めるのでは、その場では気に入っても、実際家に帰って、いざかけて全身鏡でみるとちょっとイメージと違う…ということが起きてしまいます。先入観なく、その方の服装や、全体の雰囲気を第三者目線で見てアドバイスできる人間が必要です。

うちは心からその方に似合うものを探そうと思っているスタッフばかりなので、信頼いただき、任せていただくのが一番です」

そう言われると、是非選んで欲しいと思ってしまう。これぞ岡田マジック。せっかくなので、ゴルファーが選ぶとしたら、どんな眼鏡やサングラスが良いかを相談してみた。

するとまた意外な答えが。

― ゴルフプレー時のサングラス選びについて

「じつは眼鏡って最大限調整できるので、スポーツ専用の眼鏡を敢えて選ばなくてもOKなんです。私もスポーツをしますが、通常の眼鏡やサングラスを、ややスポーツ向きにフィットするよう調整しているだけです。

例えば普通よりも耳の部分を沿うようにするというか、もうちょっと巻き付ける感じです。身体が動いても眼鏡は動かないというようなイメージです」

普段の延長で良いというのは、ファッション好きなブルーダー読者には朗報だろう。

次回は世界一の眼鏡店の代表、岡田氏がこの夏おすすめのサングラスを紹介する。タウンでもターフでも活躍必至のトレンドアイテムから、なかなかお目にかかれない変わり種アイテムまで、抑えておきたいものばかりだ。

【グローブスペックス 渋谷店】
〒150-0041
東京都渋谷区神南1-7-9 1階
Tel:03-5459-8377
営業時間:11:30 - 20:00 無休
http://www.globespecs.co.jp/

  • Shooting by Yoshifumi Ikeda
  • Text by Go Hosomura
  • Edit by Yuka Sato

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