
ロレックスほど知名度も人気も高い腕時計ブランドは他にない。圧倒的な性能と、品質の高さが背景にあるからだ。ロレックスは現代の腕時計の基本技術のパイオニア。卓越した技術開発力で性能を進化させ、時計の世界でいくつも「技術革命」を成し遂げてきた。その革命がなければ現代の腕時計は存在しなかっただろう。
重要な革命の一つが、1926年に発表されたブランド初の実用的な防水腕時計「ロレックス オイスター」だ。ねじ込み式リュウズと完全防水の“オイスターケース”を採用した。時計愛好家の方はご存知のとおり、過去の腕時計には十分な防水性能は備わっていない、すなわち「非防水」が一般的だった。雨や手洗いなど水しぶきが時計にかかる可能性がある状況では、腕時計を外す必要があったが、オイスターケースの採用により、誰もが安心して日常的に身に着けられる道具へと進化した。

また、このモデルは時計史に残る象徴的なエピソードによっても知られている。1927年10月21日、メルセデス・グライツが、イギリス人女性として初めて英仏海峡の横断泳に挑み、10時間以上にわたって冷たい海と闘った末に、快挙を遂げた。その過酷な環境下で行われた“実証テスト”こそ、オイスターの防水性能を世に知らしめた出来事である。
挑戦の2週間前、彼女は15時間15分、距離にして推定48〜64kmも泳ぎ続け、7回の失敗を経てようやく成功した。だが「自分こそ先に成功した」と主張する人物の出現により、彼女は疑惑の目を向けられてしまう。そこで彼女は「より過酷な条件下で再び横断に挑み、疑惑を払拭してみせる」と宣言。挑戦に着目したロレックスの創立者ハンス・ウィルスドルフから、モデルを贈呈され、「この腕時計の防水性を証明してほしい」と依頼された。
残念ながら、再挑戦は低体温症のために成功には至らなかったものの、10時間を超えてなお時計は正確に時を刻み続け、防水性能は証明された。やがて疑惑も晴れ、結果的にモデルの優れた防水性能を象徴するエピソードとなった。
グライツは後にウイルスドルフに宛てた手紙の中で次のように述べている。「私が泳断中にロレックス オイスターの腕時計を身につけたのは、私の知る限り、完全な防水性能を備え、砂や潮風のダメージを受けない唯一の時計だからです。そのうえ、遠泳中の過酷な状況に耐えられる時計は他にありません」
彼女はその後もジブラルタル海峡の初横断など、長距離スイマーとして数々の偉業を打ち立てていく。引退後は、貧困と闘う社会活動家としても名を残し、現代では「ロレックス初のテスティモニー(ブランドアンバサダー)」としても語られる存在となっている。

今回紹介する「オイスター パーペチュアル 41」は、エピソードに登場するブランド初の完全防水腕時計「ロレックス オイスター」の誕生100周年記念モデル。今年4月に発表されたばかりで、オイスター スチール製のオイスターケースとブレスレットに、ドームベゼルとリュウズのみに18Kイエローゴールドを採用した史上初の「イエローロレゾール」モデルである。

リュウズにはクラウン(王冠)マークと「100」の数字が浮き彫りで刻まれている。サンレイ仕上げのスレートカラーの文字盤、6時位置のバーインデックスの下、ミニッツマーカーのところには「100 YEARS」の文字が並ぶ。
ロレックスは、精度、防水性能、自動巻き、パワーリザーブの4項目で遵守されてきた独自の認定基準「高精度クロノメーター(Superlative Chronometer)」の検査項目に、今年から新たに「耐磁性」「信頼性」「持続可能性」を加え、さらに精度や品質が高められた。その中でも最も魅力的なのが100周年記念モデルなのだ。
ROLEX(ロレックス)/オイスター パーペチュアル 41
価格:142万8900円(税込)ケース径:41mm ムーブメント:自動巻き(Cal. 3230)
パワーリザーブ:約70時間
ケース:オイスタースチール&18Kイエローゴールドベゼル
防水性能:100m防水
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日本ロレックス TEL:0120-929-570
Text : Yasuhito Shibuya








