ラグジュアリーアイテムとして人気の高級時計「スケルトンウォッチ」。その多くが機械式だが、今回は、その魅力を手軽に楽しめる、アメリカの名門ブローバの新作スケルトンウォッチを紹介したい。
機械式時計は、西暦1300年ごろ、現在の北イタリアやドイツでキリスト教会の塔時計として始まったとされる。その歴史は、携帯できるサイズのものでも400年を超える。この小さな精密機械は、無数の科学者や時計師たちの叡智(えいち)と情熱の結晶だ。
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そんな歴史が詰まった機械式時計の魅力を、視覚的かつ直感的に楽しめるのが、歯車やバネで構成された開式ムーブメント。メカニズムを観察できるよう、地板や文字盤を可能な限りくり抜いたスケルトンウォッチだ。
1990年頃、スケルトンウォッチを製造していたのは、ほとんどスイスの老舗時計ブランドに限られ、一本数百万円する芸術品だった。しかし、2000年代に入ると状況は一変。テンプとアンクル、ガンギ車の部分が見える「オープンハート」モデルと並び、フルスケルトンモデルも手頃な価格で登場するようになった。ムーブメントの部品が可視化され、機械式時計らしさを目で楽しめるこれらの時計は、レギュラーモデルとして広く展開されている。
とはいえ、老舗ブランドのフルスケルトンモデルは、依然として数十万円するのが常識。だが、創業から約150年の歴史を誇るアメリカの老舗時計ブランドのブローバは、その常識を打ち破った。この冬の新作「クラシック サーベイヤー」は、フルスケルトンモデルとして、これまでの価格の壁を大きく超えた。レザーストラップモデルなら5万円台、ブレスレットモデルでも6万円台と、驚くべき価格だ。
現代の高級時計は多くが機械式だが、時計愛好家を除けば、その400年にわたる歴史と魅力を知らない方も少なくない。機械式時計の奥深さをもっと知りたいなら、2本目、3本目としてこの時計をぜひおすすめしたい。眺めているだけで「機械の小宇宙」と称えられる時計の精密さと、その偉大な歴史を堪能できる身近な逸品だ。
BULOVA / ブローバ
クラシック サーベイヤーRef. 96A310 5万6100円、Ref. 96A292 6万1600円、Ref. 97A175 6万1600円(税込)
- SPEC
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- ケース径:41 ㎜
- 自動巻き、SSケース、カーフストラップ、3気圧防水(Ref. 96A310)
- SSケース&ブレスレット(Ref. 96A292)
- SSローズゴールドPVDケース、カーフストラップ(Ref. 97A175)
お問い合わせ先
- ブローバ相談室 : 0570-03-1390
Text : Yasuhito Shibuya