旅する写心 〜「コース巡礼」29.いぶすきゴルフクラブ 7番ホール

日本を代表する
コース設計家といえば
東の井上誠一と西の上田治。
ともにC.H.アリソンの来日時に
多大な影響を受けた。

ゴルファーの中には井上作品に惚れ込み
現存する41コース全てを巡る旅をすると聞く。
井上の作品は大きく分けて
3つの時代に分かれると言われているが、
いぶすきGCは海外の名コースを旅した後の
50~60歳の時に作られたもの。
海外のコースで影響を受け
重機を使うダイナミックな発想で
円熟期の作品だ。

トーナメント開催を意識し、
地形をうまく利用した設計だ。
開聞岳からの風と海からの風が交錯し
その土地の自然が難易度を高めている。
男子の「カシオワールドオープン」が
2004年まで当地で開催され、
海外のトッププロも攻略に挑んだ。

7月4日から「日本プロ」が開催される。
このシーズン、どんな風が選手を惑わすか。
井上誠一愛好家には見逃せない試合となりそう。

宮本 卓Taku Miyamoto

1957年、和歌山県生まれ。神奈川大学を経てアサヒゴルフ写真部入社。84年に独立し、フリーのゴルフカメラマンになる。87年より海外に活動の拠点を移し、メジャー大会取材だけでも100試合を数える。世界のゴルフ場の撮影にも力を入れており、2002年からPebble Beach Golf Links、2010年よりRiviera Country Club、2013年より我孫子ゴルフ倶楽部でそれぞれライセンス・フォトグラファーを務める。また、写真集に「美しきゴルフコースへの旅」「Dream of Riviera」、作家・伊集院静氏との共著で「夢のゴルフコースへ」シリーズ(小学館文庫)などがある。全米ゴルフ記者協会会員、世界ゴルフ殿堂選考委員。

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