旅する写心 〜「コース巡礼」27.ベスページ・ブラック 17番ホール

タイガーのマスターズ復活優勝の
興奮が冷めやらない。
メジャー通算15勝目。
ジャックのメジャー18勝という
ターゲットが再び見えてきた。
次なるメジャーは5月16日開幕、
ベスページでの全米プロだ。

ベスページは公営ということもあり
誰でも気軽にラウンドできるようにと
1935年ティリング・ハーストの設計で
まずはブルーコースとレッドコースがオープンした。
そして翌年、公営コースでは珍しい
難易度の高いブラックコースができた。
これが全米のゴルフファンに名を轟かす
「ベスページ・ブラック」だ。
米国でゴルフ好きが集まって酒を飲むと
「ベスページ・ブラックを回ったことあるか」
と必ずと言っていいほど話題に上る。

88年初めて行った時の衝撃は
今でも覚えている。
有名な1番ティの看板もすごかったが
ティグラウンドから見える景色は
身の毛がよだつような光景の連続だった。
そんなコースはこれまで
一度も経験したことがない。

2002年全米オープンの開催にあたり
大幅に改修され綺麗に仕上げられたが
優勝スコアは通算3アンダーで、
モンスターであることには変わりなかった。
勝ったのは26歳のタイガー・ウッズ。
モンスターを制したのはモンスターだった。

今年の全米プロ開催へ向けて
オープンドクターの異名を誇るリース・ジョーンズが
さらにブラッシュアップしたという。
40歳を超えたタイガーは
ベスページ・ブラックをどう攻略するか?
きっとタイガーの頭の中では
サクセスプランが描かれ始めているだろう。

Bethpage State Park Golf Course
ニューヨーク州ファーミングデール
Black Course 17th hole 207yards par3

宮本 卓Taku Miyamoto

1957年、和歌山県生まれ。神奈川大学を経てアサヒゴルフ写真部入社。84年に独立し、フリーのゴルフカメラマンになる。87年より海外に活動の拠点を移し、メジャー大会取材だけでも100試合を数える。世界のゴルフ場の撮影にも力を入れており、2002年からPebble Beach Golf Links、2010年よりRiviera Country Club、2013年より我孫子ゴルフ倶楽部でそれぞれライセンス・フォトグラファーを務める。また、写真集に「美しきゴルフコースへの旅」「Dream of Riviera」、作家・伊集院静氏との共著で「夢のゴルフコースへ」シリーズ(小学館文庫)などがある。全米ゴルフ記者協会会員、世界ゴルフ殿堂選考委員。

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