
長時間のフライト後に訪れる時差ぼけは、旅先でのパフォーマンスを左右する大敵。疲労や眠気を感じる前に、早めの対策が肝心です。効果的な解消法を、睡眠改善インストラクターの小林麻利子さんに解説していただきました。年末年始に海外旅行を計画している方はぜひ参考に。
時差ぼけってどんな状態?
時差ぼけは、渡航先の昼夜サイクルに対して、体内時計や環境(光、食事、活動)のタイミングがずれることで発生します。体内リズムは即座に変わることができないため、体は渡航先にあっても、体内リズムはまだ日本のまま、ということがよくあり、不眠、消化不良、気分が優れない、集中力低下といった症状につながります。
対策方法は、日本を中心とした世界地図で見た場合、東飛行(アメリカやハワイ方面)に向かうか、西飛行(ヨーロッパ方面)かで異なります。
東飛行では1日あたり約1時間、西飛行では約1.5時間のペースで現地の時間帯に同調すると言われており、9時間の時差がある国へ行く場合、東であれば7~10日、西であれば5~6日かかります。そのため飛行の方向によって異なるアプローチが必要です。
現地時刻に早く同調するための準備

日本を飛び立つ前から準備をすれば、到着後にいち早く現地時刻に対応できます。体内時計をあらかじめ、少しずつ同調させましょう。
ハワイ(時差19時間・東飛行)旅行を例に挙げると、出発のおよそ1週間前、遅くとも3~4日前から、起床・就寝時間を30分ずつ早めていきます。ポイントになるのが入浴です。深い眠りにつくためには、内臓の深部体温をコントロールすることが大事なので、就寝時間の遅くとも1~2時間前にお風呂を済ませておくのがベストです。
現地到着後は、朝晩に浴びる光も非常に重要です。ハワイへの到着便が日本での起床時刻の2時間以上前であれば、サングラス・帽子を装着して、宿泊先に向かうのがおすすめ。
東飛行では、早寝早起き型に体内リズムをシフトさせたいので、深部体温が最も低い、起床の2時間前より後に光を浴びると、リズムが整いやすくなります。逆にそれよりも前の光であればリズムが遅寝遅起き方向にシフトするので、ハワイ時刻に同調しづらくなります。無理に現地時間と合わせようとして光を浴びてしまうと、時差ぼけは解消されません。できれば、レジャーも到着日の午後や、2日目から計画することをおすすめします。
消化活動も大事です。はじめは日本時間を意識しつつ少しずつ現地時刻に合わせていきます。旅先での食事はよく噛んで食べましょう。咀嚼することで消化活動を助け、体への負担を軽減させましょう。
旅先でのパフォーマンス上げるためには、ここでも入浴が重要です。バスタブに浸かる、もしくはシャワーのみの場合も、お湯をはってバスルームが温まってから体を洗い始めるのがいいでしょう。寝巻はバスローブなどの裾がめくれるものは寝返りを妨げてしまうので、愛用パジャマを持参しましょう。
帰国後の時差ぼけが心配 短期滞在向け

1週間程度の短期旅行なら、無理に現地時間に合わせないのも手段の一つ。日本での体内時計の維持を心がけます。食事の時刻と、太陽を浴びる時刻を日本時間に固定するだけなので、帰国後も負担が少なくて済みます。
日本から持参するものは、光を遮断するアイマスク、帽子、サングラス、長袖・長ズボンです。早朝に空港へ到着したらまずホテルへ移動し、チェックイン時刻まで、持参したアイテムを使って睡眠を摂ってください。午後から夕方の時間のパフォーマンスが上がります。
再びハワイ旅行を例に挙げてみます。ハワイの午後から夕方(日本時間の午前中から正午)は、光をしっかり取り入れるためにビーチに出かけたり、街に出かけるのが最適です。食事の時間は、日本の朝食時の午前7時は、ハワイの正午。しっかりと咀嚼を意識して食事を摂りましょう。日本の夕食時にあたる午後6時は、ハワイの午後11時。この時間帯の食事は難しいかもしれませんが、軽食であれば睡眠にも影響しにくいでしょう。少し早めの夕食にしてもいいかもしれません。
入浴は就寝1時間前には済ませます。起床時間は、いつもより1~2時間早めにシフトする方が、体内リズムも崩れにくく、現地時刻で楽しめると思います。
「旅先でどう過ごしたいか」「旅先はどこか」「時差はどのくらいか」。スマートフォンで常に日本時間と、渡航先の時間を確認しながら過ごしてみてください。

小林麻利子(睡眠改善インストラクター)
14年以上にわたり、最新研究を基にした「JCSP日本睡眠改善カウンセリング」を行い、これまで5,000人以上の睡眠の悩みを解決。医師や看護師、CAなど不規則な職業の方や、パフォーマンスを高めたいアスリートや経営者の支援も積極的に行う。科学的な根拠に基づいたアプローチと、日常生活に取り入れやすい実践的な指導が好評。メディア出演や執筆など幅広く活動している。
- Edit : Junko Itoi








