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謎解きだけが面白さじゃない 大人に勧める極上のミステリ

友人からでも、家族からでも、書評でも、課題図書でもない「オススメの本」を読んだことはありますか? 「文喫 六本木」副店長の小粥莉子さんにBRUDER読者をイメージした一冊を選んでもらいました。

「十角館の殺人」/綾辻行人

人生を重ねるにつれ、私たちは人間の複雑さを知ります。だからこそ、大人になって読むミステリは、謎解きだけでなく、人間の心理や理性を解き明かす物語になる。今回は、綾辻行人の『十角館の殺人』をご紹介します。

舞台は1986年の日本。大学の推理小説研究会の7人は、半年前に殺人事件が起きた孤島に建つ十角形の館を訪れます。しかし、学生たちは次々と命を落とすことに。携帯電話やインターネットが普及していない時代。外部との連絡が絶たれた空間で、理性と感情のせめぎ合いが人間の本質をあぶり出します。

一方、本土では突如「怪文書」が届きます。真相をめぐって調査が進行し、過去の事件と現在が交錯していく──。離れた2地点で進む物語が結びついていく構成は、読者を強く惹きつけ、“思い込み”を見事に裏切ります。

デビュー作にして、「館シリーズ」の第1作目である本作は、ミステリ好きなら必読の名作。新装改訂版では著者による新たなあとがきや、新旧の解説も収録され、今もなお多くの読者を魅了する極上の一冊です。

「十角館の殺人」綾辻行人(講談社文庫)/¥946(税込)

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COOPERATION

文喫 六本木 副店長 小粥莉子

2024年日本出版販売入社。現在文喫 六本木のブックディレクターとして、企画選書や展示イベント企画、本のある空間のプロデュースなどを行う。

Edit : Hiroto Goda

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