新しい環境、慣れない新生活。年度が替わって緊張感のある日々が続き、連休も終わったところでなんとなく気分が沈みがち…そんな心を解きほぐしたいときにピッタリな音楽がカリフォルニアから届きました。肩の力を抜いて、耳を傾けてみませんか。歌詞対訳を中心に音楽関係の翻訳家としての顔を持つ編集部員が「ちょっとマニアックだけど聴くとハマる音楽」を紹介します。
クセが強めなジャケットデザインからは想像できないくらい、音楽性はとびっきりスイート。「BRAINSTORY(ブレインストーリー)」は、ロサンゼルス郊外で生まれ育ったケヴィン&トニーのマーティン兄弟、その友人エリックにより2014年に結成されました。ジャズをベースに、様々なジャンルやカルチャーを織り交ぜた独自の世界観を構築し、19年に米国の名門レーベルからデビューしました。23年には初来日公演を行い、圧倒的な歌唱力と演奏力で日本の音楽マニアのハートをがっちりつかみました。
そんな彼らの最新作『SOUNDS GOOD』は、実体験を基にした切ない歌詞と、フイルムカメラで撮った写真のようにレトロな空気感がなんとも心地良い。ずる休みして朝からビール片手に自分を甘やかしたくなるような解放感に「こんな日もあっていいよね」という気分にさせてくれます。
BRAINSTORYの音楽性をジャンルで分類するとしたら、メンバーのトニーいわく「サイケデリック・ソウル」がしっくりくるそうですが、どんな音楽なのかイマイチ想像できないですよね。ひとまず細かいことはいったん置いて、まずはポテトチップスでもほおばりながら聴いてみてほしいのです。
一曲目「Nobody But You」のノスタルジックなイントロに心を奪われたら最後、アルバムタイトルのようにSOUNDS GOOD(イイ感じ)とつぶやいてしまうこと間違いなしです。全曲を聴き終わるころには、「あしたからまた頑張りますか~」と少しだけ前向きになれているはずです。
BRAINSTORY/SOUNDS GOOD(BARRIO GOLD RECORDS)/2,860円(税込)
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Text : Yu Sakamoto