男子ツアーを応援しようと、
日本のナショナルカンパニー3社が
2008年に大会を始めた。
その中のトヨタとキヤノンは
現在、スポンサーを離れたが
パナソニックだけは一時中止したものの
2016年から大会を復活させた。
会場は主に関西を転々とするスタイルで、
毎年変更している。
今年は兵庫県の有馬ロイヤルGCで行われ、
設計は日本を代表する上田治の晩年の作品だ。
彼の経歴がなんといってもすごい。
旧制中学時代、背泳ぎの選手として活躍し、
日本記録を3度も樹立。
京都大学農学部で林業を学んだ後、
1936年にはベルリンオリンピックに
審判として参加した。
帰国の途、9カ月間にも渡り
欧米の名門コースを視察した。
帰国後C.H.アリソンのアシスタントに。
そして廣野GCの支配人を経て
コース設計家となった。
日本で多くのゴルフ場を設計し
晩年、力を入れたのがこの有馬ロイヤルGCだ。
これまでの経験を活かし
熟練の技でコースの魅力を詰め込んでいった。
アリソンのDNAを日本で受け継いだのは
上田治で間違いない。
宮本 卓Taku Miyamoto
1957年、和歌山県生まれ。神奈川大学を経てアサヒゴルフ写真部入社。84年に独立し、フリーのゴルフカメラマンになる。87年より海外に活動の拠点を移し、メジャー大会取材だけでも100試合を数える。世界のゴルフ場の撮影にも力を入れており、2002年からPebble Beach Golf Links、2010年よりRiviera Country Clubほか、国内数々のオフィシャルフォトグラファーを務める。また、写真集に「美しきゴルフコースへの旅」「Dream of Riviera」、作家・伊集院静氏との共著で「夢のゴルフコースへ」シリーズ(小学館文庫)などがある。全米ゴルフ記者協会会員、世界ゴルフ殿堂選考委員。