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14本で描く、ゴルフの物語。

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「フォーティーン」。なぜ、このようなブランド名になったのだろう?そんな風に思ったことはないだろうか。「14」という数字に込められたカリスマクラブデザイナーの熱い想い、そして今も受け継がれるブランド哲学に迫ってみたい。

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ゴルフクラブ14本をつなぐ。それは苦手な番手をなくすこと。

 ゴルフブランドの名前を"フォーティーン"とした竹林隆光(たけばやし・たかみつ)は、やはり素晴らしいゴルファーだったのだなぁと、思う。
ご存じのとおり、ゴルフとは最大14本のクラブを駆使して、少ない打数を争うスポーツである。そして、ゴルフはドライバーだけで行うものではなく、フェアウェイウッド、アイアン、ウェッジ、そしてパターと、異なる役割をもった道具を、状況に応じて使い分けていく頭脳戦でもある。
個々の番手の性能(やさしさ)はもとより、見えない番手間の"つながり"がショットの成功に大きな影響を及ぼしてくることを、竹林は知っていた。日本オープン(77年)のローアマにもなったほどの腕前だ、単に"飛べばいい"、"今日イチが出ればいい"などという、都合のよいことは考えていなかった。

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フォーティーン ゴルフクラブ商品一覧    ※GDOショップ

「すべてのゴルファーにベストな14本を。」

 それがフォーティーンというブランド名に込めた、竹林の想いである。14本のつながり、流れをつくるために、竹林はターゲットゴルファーを絞り込んだ。
見えない誰かのためではなく、目の前にいる友人のため、あるいは自分のためと考えることで、必要とされるクラブの方向性、課題となる番手を鮮明にした。
新たなクラブを開発し、苦手な番手をなくしてこそ14本のつながりを生み出すことができる。ミスに対してやさしいクラブを開発できれば、それが飛距離アップにもなると考えていた。

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つながりを考えたクラブ開発が単品カテゴリー大ヒットの源

  フォーティーンはユーティリティクラブやウェッジといった単品カテゴリーに強いブランドだと思っているゴルファーは多い。しかし、それはおそらく、間違いである。
 たしかにフォーティーンの名が広く知れ渡ったのは、『HI‐858』という中空アイアンをアーニー・エルスが使ってメジャー優勝(02年全英オープン)を果たしたときだった。当時、『HI‐858』はメジャーを制したアイアン型ユーティリティとして大きく報道された。だが、竹林はこれをユーティリティクラブとしては設計していない。『HI‐858』は#1からSWまでを揃えたアイアンセットであり、エルスや多くのツアープレーヤーがたまたまそのやさしさに惚れ込み、ユーティリティ的な感覚でマイセットにコンビネーションしただけなのである。
 ウェッジにしても同様である。一世を風靡した『MT‐28』にはアイアンセットのPWと同ロフトの42度、48度がいち早く用意された。市場では単品ウェッジシリーズが流行し、ウェッジとアイアンがかけ離れつつある中、竹林はスピンがかかる機能を模索。そして、ロフトのあり方をも追求したのだ。現在ではPWの代わりにウェッジシリーズの48〜46度を入れるツアープロも多いが、フォーティーンはいち早くその提案をしていたのである。

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フォーティーン ゴルフクラブ商品一覧   ※GDOショップ

優れたロングアイアン、そしてウェッジに対する高い評価は、すなわちフォーティーンがどれだけ、各番手のつながりを大切にしているかの表れだと思う。14本のセットとして各番手がどう機能しなければならないのか? その想いがあるからこそ、難易度が高いとされるロングアイアン領域や繊細さが要求されるウェッジカテゴリーにおいて、独創的ともいえるアイデアが生まれ、そこに注目と賞賛が集まったわけである。
 竹林は2013年に64歳の若さでこの世を去ったが、その開発マインドは脈々と現在の開発陣に受け継がれている。誰のために、どんなクラブが必要なのか。ターゲットを徹底的に絞り込む開発思想の表れが、定評あるアイアンセットの充実であり、それにコンビネーションしやすいユーティリティやウェッジの緻密なバリエーションなのである。
 「すべてのゴルファーにベストな14本を。」その想いをフォーティーンというブランド名に込めた竹林隆光。その彼がブランド創設当初に作ったパーシモンウッドには、ゴルファーへの愛情あふれるこんなメッセージが刻まれている。

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"GOOD LUCK(幸運を)"

 コースに出たなら難しいことはクラブに任せて、ひたすらプレーを楽しんでほしい。一度ミスをしたからといって、投げ出してはいけない。14本のクラブをつないでつくる物語、それがゴルフなのだ。懐かしいゴルフの先輩から、あらためてゴルフ道具の本質を教わった気がした。

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取材にご協力いただいたフォーティーン 池田純 氏
同社で製品のプロモーション担当を勤めているかたわら、自らも競技ゴルファーとして数々の大会で好成績を残す。竹林 隆光の"思い"や"信念"は今もなお、社員に受け継がれている。

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FOURTEEN The clubs for the Discerning Golfer.

"美しく打ちやすいクラブ造り"は創業当時と変わらず、現在のクラブにも受け継がれている。最新シリーズはGDOゴルフショップはじめ、全国のゴルフショップで販売中

竹林 隆光 Takamitsu Takebayashi 1949 - 2013

成蹊大学法学部を卒業後、ヨコオゴルフを経て1981年にフォーティーンを設立。重心設計、慣性モーメントなど、やさしさを物理的な側面から数値化し、ゴルフクラブの扱いやすさを飛躍的に高めた功労者である。

  • Shooting by Takahito Ochiai
  • Text by Yoshiaki Takanashi
  • Direction by Ryotaro Ikeda

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