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なぜニューバランスは“グレー”なのか 「Grey Days」から読み解くブランドの普遍性

5月になると、スニーカー好きの間で自然と話題に上がるのが、ニューバランスの「Grey Days(グレーデイズ)」だ。限定モデルの発売や特別なイベントが開催されるこの期間を、毎年楽しみにしている人も多いだろう。

「Grey Days」とは

「GREY ART MUSEUM2026―五感で感じる伝統と革新―」、(メイン画像)「伝統」を象徴するプロダクト『574』

そもそも「Grey Days」とはなにか。ニューバランスが、ブランドの象徴カラーである“グレー”を称えるもので、世界各地で限定プロダクトやイベントを展開する。大規模なグローバルイベントとしてスタートしたのは2018年のことだ。

ライフスタイルだけでなく、スポーツの各カテゴリーを横断してブランド全体で行われる。日本ではフラッグシップストアであるニューバランス原宿でのPOP-UPやランニングイベントに加え、東京・西麻布の「WALL_alternative」でアート展覧会「GREY ART MUSEUM2026―五感で感じる伝統と革新―」を開催中だ(5月30日まで、18:00~24:00)。

(左上)東城信之介氏『Unnamed』、和泉侃(いずみ・かん)氏『Synesthetic Grey』、(左下)富喜製麺研究所のGG(グレー胡麻)ヌードル、京都「7T+」のスモーキー京番茶ジェラート、Grey Art Museum2026オリジナルラベルのワイン、「Olfactive Studio Ne」限定ドリンク、飲むニューバランス(右)「革新」を象徴するプロダクト『ABZORB 2000』と萬代基介氏『bubble balance』

「伝統(Heritage)と革新(Innovation)」をテーマに、空間・音・香り・体験・食と五感を横断する体験型展示は、イベントを象徴するプロダクト『574』と『ABZORB2000』を中心に、5名のクリエイターとの協働により構成。グレーを多角的に解釈した世界観に、日本独自のクラフツマンシップが凝縮されている。

なぜニューバランスは“グレー”なのか

ニューバランスは1906年、ボストンで矯正靴やアーチサポートインソールの製造会社として設立された。ランニングシューズといえば白やビビッドカラーが主流だった1980年代。同社は都市のコンクリートや石畳に自然に調和するカラーとして、初めてグレーのランニングシューズを発売した。シティランナーが増える中で、街の景色に溶け込みつつ、汚れが目立ちにくい実用性も兼ねてという考えのもとだ。

「本当に売れるのか?」と懐疑的な意見もあったが、いざ販売すると瞬く間にヒットした。グレーはやがてブランドを象徴する“表現”へと進化し、数十年にわたりニューバランスのアイデンティティを形づくってきた。現在も、企業として新しいチャレンジをする時には必ずグレーをファーストカラーとする、“ゲン担ぎ”のような慣習が残されているという。

ひと口にグレーと言っても、ニューバランスが採用するそれは無数に存在する。青みがかった精かんなグレー、温かみのあるベージュ寄りのグレー、深みのあるチャコールなど、モデルによって緻密に使い分けられている。上質なスウェードとメッシュのコンビは、カジュアルなスタイルにはもちろん、ジャケットやスラックス、あるいはゴルフの行き帰りといった大人のドレスダウンにも見事に馴染む。現代でこそグレーは洗練や知性を感じさせる色として選ばれるが、「どんな服にも合わせやすい」という圧倒的な万能さもある。

ブラックほど重くなく、ホワイトほど軽すぎない。ネイビーやブラウン、カーキとも自然に調和し、スポーティにもクラシックにも振れる。主張し過ぎないからこそ、履く人の年齢やスタイルを限定しないのだ。30代のモダンな着こなしにも、ミドルシニア 世代の上質な休日スタイルにも違和感なく収まる。トレンドが移り変わろうとも、「“グレーのニューバランス”だけはワードローブに必ずある」という大人は少なくないはずだ。

Sport レガシージャケット

ニューバランスにとってグレーとは、ブランドの美学そのもの。目立つためではなく、人生に長く寄り添うための色。都市の日常に溶け込み、履く人のスタイルの変化を寛容に受け止める。私たちがその一足に惹かれてしまうのは、そんな引き算の美学に、無意識に共感してしまうからかもしれない。

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お問い合わせ先

  • 株式会社ニューバランスジャパン TEL: 0120-85-7120

Text : Junko Itoi

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