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跳ね馬が放つ“光”の正体 フェラーリ初のBEV「ルーチェ」

近年、世界の自動車メーカーはBEV(電気自動車)へのシフトを加速させている。イタリアの跳ね馬、フェラーリも例外ではない。2024年10月、同社はブランド初となるBEVのスペックやプラットフォームの画像を公開した。4ドア4シーターになるとされるこのモデルは、当時「エレットリカ」と呼ばれていた。

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そして今年2月、その正式車名が「ルーチェ(LUCE)」であることが発表され、同時にインテリアの写真も公開された。興味深いのは、この発表が元アップルのデザイナーでiPhoneのデザインを手がけたジョニー・アイブと、デザイナーのマーク・ニューソンがカリフォルニアで設立したデザインスタジオ、ラブフロム(LoveFrom)とともに行われた点だ。

新型車のティーザー写真といえば、暗闇の中にボディシルエットを浮かび上がらせる演出が定番だ。ところが今回公開されたのは、ステアリングやスイッチ、メーターといったディテールを切り取ったカットばかり。だが、その丸みを帯びた柔らかな造形を目にすると、そこにジョニー・アイブの名を重ねたくなるのも自然だろう。

ダッシュパネルやスイッチ類のコンポーネントは、どこかアップル製品を思わせるように角が美しく丸められ、柔和で洗練された印象を与える。一方で興味深いのは、ステアリングやメーターといった主要パーツの意匠に、フェラーリのクラシックモデルを思わせるモチーフが見て取れることだ。

フルデジタルという最先端の中身を持ちながら、伝統の気配を宿す。ラブフロムはフェラーリ初のBEVを、モダンとクラシックが溶け合うデザインで包み込んでみせた。すでに公表されている情報によれば、ルーチェのプラットフォームはアルミニウム主体。フロアには韓国のSK Onとの共同開発による容量122kWhのリチウムイオンバッテリーが搭載され、航続距離は530km以上とされる。モーターは前後に2基ずつ配置され、フロントの合計出力は286ps、リアは843ps。システム総合では1129psという、いかにもフェラーリらしい数値が掲げられている。

電動化とともに、環境配慮の取り組みも進められている。シャシーやサブフレーム、サスペンションなどに使用されるアルミニウムの約75%はリサイクル材を採用。走行時のゼロエミッションだけでなく、生産段階でのCO₂排出削減にも目を向けた。

さらにフェラーリにとって欠かせない要素が「音」だ。ルーチェでは、電子的にV12エンジン音を再生するのではなく、駆動系が実際に発する音を増幅し、走行状況に応じてコントロールするという。BEVとしては後発ながら、独自の技術にこだわる姿勢にも、跳ね馬らしい哲学がにじむ。

ルーチェに関する第3回目の発表は今年5月を予定しており、そこでスタイリングを含めたすべての情報が公開される見込みだ。車格としては4シーターモデルのプロサングエに近いポジションになるとみられる。ルーチェとは、イタリア語で「光」を意味する言葉。フェラーリ初のBEVは、その名のとおり、スポーツカーの頂点に立つブランドの未来を照らす存在となるのだろうか。

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Text : Takuo Yoshida

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