
EVは確実に広がりつつあるが、走りにこだわるドライバーが抱く「満足できる走行性能と航続距離は両立するのか」という疑問は依然として残る。BRUDERではその答えを“実走データ”と“体験”から導き出すため、今回はアウディのフラッグシップEVサルーン「RS e-tron GT performance」を走らせてみた。静止しているときの存在感からして別格だ。低く構えたワイドボディ、滑らかなルーフライン、張りのあるフェンダー。そのすべてがプレミアムスポーツサルーンとしての緊張感と美しさをたたえ、マトリクスLEDヘッドライトの鋭い光がその雰囲気をさらに引き締めている。だが、このクルマが本当の姿を見せるのは動き出してからだ。
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今回も都内から茨城県鉾田市の「ザ・ロイヤル ゴルフクラブ」まで往復256kmを走行。出発時のバッテリーは100%で、メーターが示していた航続可能距離はおよそ407km。WLTCモードの公称値が631kmであることを考えると、実走で約2割~3割の差が出るのはEVでは常識的な範囲だ。それでも、この数字がどこまで実際の走りと整合するか。そこが今回の焦点だった。

走り出して驚かされるのは、ステアリングを切った瞬間に返ってくる反応の正確さだ。ダイレクトでありながら嫌味がなく、わずかな舵角でも車体が自然に向きを変える。重厚なEVでありながら、コーナーでのボディの動きは驚くほどスムーズで、無駄なロールを感じさせない。路面からのインフォメーションはしっかり伝わるのに、不快な突き上げは巧みに抑え込まれている。RSの名を冠しながら、速さを誇示するような荒々しさは一切なく、すべてが洗練に向かって整えられている印象だ。

静粛性も特筆すべきポイントで、高速巡航中の風切り音は信じられないほど少ない。ロードノイズも抑え込まれ、キャビン内には静かな時間が流れる。結果として長距離移動の疲労感が少なく、まるで上質なラウンジにいるような心地よさが続く。この「走りの快楽」と「移動の快適さ」の両立ぶりは、EVかどうかという枠を超えて、単純に“高級車として優れている”と感じさせるものだった。

航続距離に関しては、往路で24%、復路で25%を消費し、合計で49%を使用した計算になる。1%あたりの走行距離は約5.2km。ハイパフォーマンスEVとしては非常に優秀な数字で、ロングドライブでの不安を払拭するには十分すぎる結果といえる。

ゴルファーの“足”としての適性を考えたとき、このクルマの評価はさらに上がる。早朝に出発し、現地でラウンドを楽しみ、帰りも充電なしで都内まで戻れる余裕がある。帰路の途中で予定に合わせて短時間チャージしても良い。静かで疲れにくい乗り味は、ラウンド後の身体にもやさしい。移動がスムーズだと、1日の満足度は確実に変わる。RS e-tron GT performanceは、その“ライフスタイル全体の質”まで底上げしてくれるEVだと感じた。

- アウディ RS e-tron GT performance 車両本体価格: 2470万円(税込)
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- バッテリー容量 | 105 kWh
- 一充電最大走行可能距離 | 631 km(WLTCモード)
- バッテリー100 % 時表示距離 | 407 km(今回テスト時) ※2
- 256 Km 走行時の電力消費量 | 49 %
- 今回のテストでの電力消費量 | 5.2 km / % ※1
- eMOBILITY POWER(30分) | 24 %(走行距離:127 km 分)※2
- 0-100% 充電時間(6 kw / h) | 約17 時間
- 0-100% 充電時間(3 kw / h) | 約35 時間
- ※1: km/%はAアウディQS e-tron GT performanceのバッテリー容量1%当たりの走行距離で、こちらの数値によって他車との比較が可能になります
- ※2:直近の走行パターンも含めた演算になります。参考データとしてお考え下さい
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