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開いた瞬間、世界が変わる BMW 「Z4」

「Z4」この名前を聞けば、多くの人が“BMWらしいオープン2シーター”を思い浮かべるだろう。現行型は2019年に登場した3代目で、すでに2022年にマイナーチェンジを終えている。そして今、このモデルを語るうえで避けられないトピックがある。モデル末期が、確実に迫っているという事実だ。

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ヨーロッパではファイナルエディションが発表され、2026年3月で生産終了となることも公表された。これまでなら次期型の登場が当然の流れだったが、Z4に限っては「次がない」という噂が絶えない。電動化の波が押し寄せる現代、自動車メーカーが2シーターのピュアオープンをラインアップし続けるのは、もはや簡単な判断ではない。

未来が読めない。それでも「今、味わえるZ4が抜群に仕上がっている」のは、ハンドルを握った瞬間に明らかだった。現行ラインアップは直列4気筒ターボの「20i」と、直列6気筒ターボを積む「M40i」。今回は、その6気筒モデルに触れることができた。

今のZ4はキャンバス地のソフトトップのみ。かつての折り畳み式メタルルーフとは違うが、むしろこの“軽さ”がロングノーズのシルエットをより端正に見せ、直6エンジンとの相性もいい。クルマ好きなら、この組み合わせだけで心が跳ねるはずだ。

ソフトトップを下ろしたままドアを閉めて運転席へ潜り込むと、一気にスイッチが入る。上半身は空へ抜けるように開放的なのに、シートと足元はスポーツカーらしくタイト。視界のなかでメーターパネルからセンターモニターへ流れ込むレイアウトは“いつものBMW”で、迷いのない操作感が手に馴染む。

街中を抜け、アクセルを深く踏み込んだ瞬間、直6ターボの息づかいが一気に背中を押す。387psという数字以上に、伸びていくフィーリングが清々しい。ルーフが開いているのに、ボディは驚くほど静かで揺るがない。アダプティブMスポーツサスペンションが路面を受け止め、段差を越えるたびに「これ、本当にオープン? 」と疑うほどの剛性を感じさせる。

背後の大型ウインドディフレクターは優秀で、巻き込む風は最小限。シートヒーターを入れて走れば、冬でも“空気の冷たさごと楽しめる”。我慢を美徳にしていた昔のオープンカーとは、まるで違う世界だ。

高速道路まではクーペのように閉じたまま走り、郊外に入って景色が広がったらボタンひとつでオープンエアへ切り替える。わずか数秒の動作で、車内の空気も気分もガラッと変わる。これも現代のオープンカーならではの贅沢だ。

リアトランクは左右が大きくえぐれた形状で、キャディバッグ一本は横置きで積める。開口部はそれほど大きくないため、積み込みには少し工夫だ。しかし、それを補って余りあるのが“風を浴びながら走る時間そのもの”だ。スポーティで、軽快で、Z4にしかないドライブフィールがある。

「いつかはオープンに乗る」という思いを抱えている人は多い。だがZ4の生産が終わり、同じ世界観の純ガソリン車がこの先どれだけ残るかは、誰にもわからない。“いつか”では遅い。今こそ、手に入れるべきモデルがある。BMW Z4は、その筆頭だ。

BMW Z4 M40i  車両本体価格: 984 万円(税込)

    • ボディサイズ | 全長 4335 X 全幅 1865 X 全高 1305 mm
    • ホイールベース | 2470 mm
    • 車両重量 | 1570 kg
    • 排気量 | 2997 cc
    • エンジン | 直列6気筒ターボ
    • 最高出力 | 387 PS(285 kW)
    • 最大トルク | 500 N・m
    • トランスミッション | 8速 AT

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Text : Takuo Yoshida

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