
イギリス中西部の風光明媚な町、グレートマルヴァーンを拠点とする老舗ブランド、モーガン。1912年の創業以来、手作業によるクラフトマンシップを守り続け、今なお“時を超えて存在するスポーツカー”を作り続けている。流れるようなフェンダーラインとロングノーズのシルエットは、いつの時代にも変わらないモーガンの象徴だ。その伝統を受け継ぎながら、新たな一歩を刻んだのが最新モデルの「スーパースポーツ」だ。
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新たに採用された「CXVシャシー」は、従来のCX構造をさらに進化させたアルミ製プラットフォーム。ねじり剛性を向上させつつ軽量化を実現し、クラシカルなボディに確かな走行安定性をもたらしている。また、モーガンとしては異例ともいえる空力性能への本格的なアプローチも注目すべき点。クラシックなフォルムをほぼそのままに、空気抵抗を5%低減。さらに、走行中に車体を持ち上げようとするリフトを20%も抑え込み、風の流れを味方につけている。

ボディスタイルは伝統のソフトトップに加え、カーボンファイバー製の脱着式ハードトップを新設定。そして今回初めて独立したトランクスペースを備えた点も大きな進化だ。これまでスペアタイヤが鎮座していたリアエンドに、ようやく荷物を収めるスペースが誕生した。容量は決して広くないが、クラシックなシルエットの中に潜むこの“実用性”は、オーナーに新しい自由を与えてくれる。

キャビンに足を踏み入れれば、ウッドとレザー、そしてアルミが織りなす職人の手の温もりが迎えてくれる。その佇まいはまるで、英国の伝統家具のよう。モーガン特有の素材の質感が、乗る人に“古き良きブリティッシュスポーツ”の気配を思い出させる。

フロントに収まるのは、BMW製の3.0リッター、直列6気筒ターボエンジン。最高出力340ps、最大トルク500N・mを発揮し、ZF製8速ATを介して後輪を駆動する。このドライブトレーンは、クラシカルなフォルムの奥に潜む現代の確かな性能を象徴している。

モーガン スーパースポーツは、ブランド史上もっとも高性能でありながら、決して過去を捨ててはいない。伝統を“守る”のではなく、“進化させる”という選択。そこにこそ、モーガンが語る「新しいクラシック」の意味がある。

イギリス・ピッカースレイロードの本社工場ではすでに初期ロットの生産がスタート。ヨーロッパではデリバリーが始まっており、日本では正規代理店エスシーアイが販売を開始している。価格は2310万円。最先端と伝統、そして人の手によってつくり続けられる“温度”を考えれば、その価値は数字以上だ。

モーガン スーパースポーツ 車両本体価格: 2310万円(税込)
- ボディサイズ | 全長 4110 X 全幅 1805 X 全高 1290 mm
- ホイールベース | 2520 mm
- 車両重量 | 1170 kg
- エンジン | 直列6気筒 ターボ
- 排気量 | 2998 cc
- 最高出力 | 340 ps(250 kW)
- 最大トルク | 500 N・m
- 変速機 | 8速 AT
Text : Takuo Yoshida








