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見た目も走りも進化! 魅力が倍増した アストンマーティン「ヴァンテージ」

アストンマーティンの最もアグレッシブな2シーター「ヴァンテージ」が、マイナーチェンジを経て上陸した。新たなフロントマスクは、アストンのフラッグシップモデルの「ヴァンキッシュ」や「DB12」に通じる最新のフェースデザインに刷新され、その進化はひと目で分かるほど明確だ。

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もう一つの大きなトピックはパワーユニットの強化。メルセデスAMGから供給される4リッター、V8ツインターボエンジンは、510psから665psへと驚異的にパワーアップされた。155psの伸び幅は、ただのスペック上の数字でなく、運動性能そのものを根底から変えるインパクトを持つ。ターボ過給の調整で出力向上は容易とされるが、これほどのアップグレードは目を見張るものだ。

現代アストンマーティンの特徴である、微かに斜めに上がるドアを開け、シートに身を沈めると、大胆に変更されたダッシュボードが視界に飛び込んでくる。ステアリングは以前の六角形からシンプルな円形に戻され、3分割だったメーターナセルは1枚もののデジタルモニターに変更。「伝統的なアストンマーティンが奇をてらう必要などない」という姿勢がデザインからも感じ取れる。

リアタイヤは幅325mmの21インチと圧巻のサイズ。これを飲み込む全幅1980mmのボディは、堂々とした存在感を誇る。さらに驚くべきは、665psものハイパワーでも、頑なにリア駆動(FR)を貫いている点だ。そのスペックを前にすると、走り出す前から手に汗がにじむ緊張感を覚える。

いざ走り出すと、若干重みというか凝縮感のようなものは感じられるが、8速ATが滑らかで途切れのない加速を提供し、しっとり、そしてスッと走りはじめる。視界もいいし、低速の乗り心地も悪くない。なにより、今回のマイナーチェンジで変わったのはステアリングの引き締まり感かもしれない。路面に落ちている小石ひとつを踏んでもわかる精度があり、コーナーのグリップ感も以前よりはるかに生々しく伝わってくる。それでいてレーシングカーのように敏感過ぎないのはさすがだ。

走行中のクルマの様子が生々しく伝わってくると、スピードを上げていってもドライバーが自信を持ってドライブし続けられる。新型ヴァンテージの公表された最高速度は325km/hで珍しいものではないが、最高速時のドライバーの心拍数の高まりには違いがあるはずだ。おそらく普通のヨーロッパ車を150km/hで走らせている時くらいの心持ちで300km/hオーバーを楽しめるのではないか。

今回のマイナーチェンジではドライブモードにも進化が見られる。以前は標準というべき「スポーツ」と、その上の「スポーツ+」、そしてサーキット用の「トラック」と3モードだったが、ステアリングやサスペンションの硬さを任意に設定できる「インディビデュアル」と「ウェット」が加わった。特にウェットモードは、665psのハイパワーをリア駆動で制御する際に不可欠な存在と言える。

ヴァンテージは完全な2シーターのスーパースポーツでありながら、キャディバッグが積めることで知られていた。その収納力はゴルファーにも魅力的でバッグ2本を余裕で積むことができる。そこに圧倒的な走りのパフォーマンスが加わる。ゴルフ場でほとんど見かけない希少性、そして実用性を併せ持つ一台として、もっと注目されてもいいだろう。

アストンマーティン ヴァンテージ  車両本体価格: 2690万円(税込)

  • ボディサイズ | 全長 4495 X 全幅 1980 X 全高 1275 mm
  • ホイールベース | 2705 mm
  • 車両重量 | 1745 kg
  • エンジン | V8ツインターボ
  • 最高出力 | 665 ps(489 kW)
  • 最大トルク | 800 N・m
  • トランスミッション | 8速 AT
  • 0-100 km/h | 3.5 秒
  • 最高速度 | 325 km/h

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Text : Takuo Yoshida

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