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株式会社ビームス 代表取締役社長 設楽洋x戸賀敬城 対談「アメリカへの憧れを体現した、BEAMS」

飛距離でなく、アプローチで攻めるゴルフ

戸賀敬城(以下、戸賀):今日は本当に恐れ入りました。

設楽洋(以下、設楽):お疲れ様でした。戸賀っちが営業ゴルフに徹してくれましたね。私を慮ってくれました(笑)。勝ったー!

戸賀:しっかりとオヤジのゴルフをやられていましたね(笑)。2〜3打目からピタピタと寄せて……。

設楽:だんだんと距離が出なくなってしまったので、アプローチとパターで勝負しなければならなくなりました。寂しいんですが、そんなゴルフです。

戸賀:でも、今日のスタートの段階では、「最近、ドライバーの調子が悪くて……」とおっしゃっていたのに、ほとんど乱れていませんでしたよ。

設楽:いやいや。まっすぐは行くんですけど、距離が出ない。390ヤードのホールになると、もう2オンは無理な年齢なんですよ。悲しいのは、見た目は若いので、キャディさんはもっと飛ぶと思ってること。飛ばしてみると、距離は年齢通りなんですよ(笑)。

戸賀:前回ご一緒した時は僕もイーグルを出すことができたんですが、今回は不甲斐ないゴルフでした。

設楽:楽しませてもらいました(笑)。

戸賀:最初はふたりの関係からお話させてください。僕も50歳になりましたが、大学を出てすぐに配属されたのが「Begin」でした。Beginといえば、BEAMSとかなり近い編集部でしたよね。

設楽:その時からのお付き合いですから、ずいぶん長くなりましたね。

戸賀:僕らが学生の時代は、誰もがBEAMSに行っていました。もちろん僕もそうです。編集者になって設楽さんの名前はすぐに知りましたし、お見かけしたこともあったけど、名刺交換なんてとうてい出来ませんでした。いつから顔見知りになったのかな……。たぶん名刺交換はしていませんよね?

設楽:いつ名刺交換したかは覚えていませんが、戸賀っちの顔と存在はよく知っていました。

戸賀:ありがとうございます。

設楽:当時から今に至るまで、色々なところで“飛ばして”いるから(笑)。

戸賀:「MEN'S EX」が立ち上がった段階で、ご挨拶はしているんです。とにかくファッション誌のエディターにとって、「BEAMS=設楽さん」という存在。思い出せないくらい、関係の深い先輩です。

設楽:こちらこそ、たくさんお世話になっています。

アメリカンライフを体現するショップ「BEAMS」

戸賀:皆さんもご存知の話ですし、設楽さんも何度かお話しているかと思いますが、まず大学出られてから、電通に入られたんですよね。そして、翌年にはお父様が立ち上げたBEAMSをお手伝いしている。その辺りのことから、お聞きしたいんですが……。

設楽:僕は1951年生まれで、戦後のミッドセンチュリーのど真ん中に生を受けた世代です。1976年、25歳でBEAMSがスタートして、2001年になった時に50歳になりました。僕の人生は四半世紀ごとに面白いことが起こっています。僕らの世代は小さい頃に初めてテレビが家にやってきて、ホームドラマで観たアメリカにずっと憧れてきました。

未だに、ベースにはアメリカへの憧れがあります。大学時代、学生運動で校舎が封鎖されていたので、夏になると湘南に行って、ひと夏ずっと過ごしていました。そこでベース(基地)の人と知り合って、ベースの中に入れてもらうと、そこには夢で見たアメリカが広がっていました。バスケットをやっている子供達が、見たことのないスニーカーを履いている。いや、当時はスニーカーって言葉もなかったですね。「俺らと違うバッシュ履いてるじゃん!」、「白いジーパン履いてる」と友達と言い合っていました。

そういった物が欲しかったけれど、手に入れる場所なんてありません。バザーで出ていても、サイズが合わない。そんな想いがずっとあったんですね。大学を卒業して電通に入って、ちょうどオイルショックがありました。親父が経営していた段ボールの会社が厳しくなったこともあって、何か新しいことをやらなければならない。

そんな時に、かつて抱いていた想い、アメリカンライフを体現するショップを「BEAMS」という形で始めました。アメリカの生活を売る店を始めたのが、スタートです。

戸賀:まだその頃は、電通の仕事が本業ですよね?

設楽:そうですね。本当に6.5坪の小さな店だったので、そっちで生計立てるまではとてもいかない。物と情報がなかった時代だったので、アメリカでどんなものが流行っているのかなど、電通にいることで様々な情報も入ってきました。電通には足掛け8年いたんですが、7年間は両方を手がけていましたね。

戸賀:電通的には問題なかったんですか?

設楽:一度局長に呼ばれて「お前、副業やってるんだろう?」って聞かれるたんですけど、「副業はそっちからも金を得ることでしょうが、俺は注ぎ込んでますから」って言いました(笑)。あれは副業ではなくて、趣味の店をやっているようなものと通したんです。

戸賀:8年ちょっとで電通を辞めて、83年からはBEAMSの社長として完全にスタートした訳ですよね。

設楽:電通を辞めてから、色々と新しいことを始めました。地方に出店したり、レディースを始めたり。家具や雑貨を展開するなど、洋服以外のことを取り扱いし始めたのは、そこからです。一番最初から「アメリカンライフショップBEAMS」と名乗って、洋服を売るのではなく、アメリカの生活を売る店でした。今は何百倍の規模にもなりましたが、やっていることは最初から変わりませんね。

─第2回目は10月12日公開。「ゴルフ感」について伺います。

PROFILE : 株式会社ビームス 代表取締役社長 設楽洋(したらよう)

1951年、東京都出身。
1975年、慶應義塾大学経済学部卒業。1975年、 電通へ入社。セールスプロモーション局にてイベントプロデューサーとして活躍。1976年、 父の立ち上げた「BEAMS」設立に参加し原宿で「AMERICAN LIFE SHOP BEAMS」を6坪のショップとしてオープン。1982年、株式会社ビームス設立。ゴルフ歴40年、ベストスコア76

COOPERATION
取材協力

カメリアヒルズカントリークラブ

国内女子トーナメント「アース・モンダミンカップ」開催コース。安田幸吉氏の設計によるコースはフラットで広いフェアウェイと巧みに配されたハザードにより、すべてのプレイヤーが楽しめる正統派の美しいコースに仕上がっている。また、クラブハウス内はヨーロピアンエレガンスに統一し、心安らぐ空間で贅を尽くした施設ときめ細かな温かいサービスをご提供している

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