伝統のネーミングが復活、アルファロメオ「ジュリア」

伝統的な自動車メーカーは、伝統的なモデルネームを抱えているものだ。ジュリアという女性名詞は、'60年代のアルファロメオを象徴するネーミングである。今年、アルファロメオは久方ぶりにジュリアの名前を冠した4ドアセダンをデビューさせる。色気のあるボディラインと、スポーティなアピアランス。21世紀のジュリア、それは栄光の復活劇となるに違いない。

勘の良い人なら察しがつくと思うのだが、アルファロメオの銘車“ジュリア”のネーミングはシェイクスピアの作品「ロミオとジュリエット」にヒントを得たものである。そしてイタリアン・スポーツカーのファンは、1962年に誕生した小さなボディにツインカム・エンジンを搭載した高性能スポーツセダン“ジュリア”に今なお特別な感情を抱いている。数年前から復活が噂されていたアルファロメオのフラッグシップ・スポーツセダンは正式にジュリアと命名されデビューが決定した。21世紀のジュリアはサイズ的にはDセグメントに属しており、メルセデスCクラスやBMW3シリーズに真っ向勝負を挑むことになる。

'90年代以降のアルファロメオは親会社であるフィアットに由来した前輪駆動モデルがほとんどだった。ところが真新しいジュリアはフロントエンジン、リア駆動という構成になっている。この事実だけでもアルファロメオのスポーツセダン復権に対する強い意気込みが伝わってくる。パワーユニットは2リッター直列4気筒ターボがメインとなるが、上級モデルには2.9リッターのV6ツインターボエンジンも搭載される予定。組み合わされるギアボックスは高効率な8速オートマティックなので、動力性能は現代ヨーロッパ車の最先端レベルと言っていいだろう。一方流麗なスタイリングは、ドイツ車とは一線を画するイタリアン・デザインそのもの。スピードと美の融合こそ、アルファロメオ・ブランドの本懐なのである。

長いモータースポーツ活動の歴史があり高性能車を専門としてきたアルファロメオだけに、ジュリアのプレスリリースにはカーボン製のパーツを多用し軽量化を実現したことや、可動式のエアロパーツ、大容量のブレーキといったトピックが並べられている。それでも新しいジュリアは常識的なセダンであり、複数のゴルフバッグを収納できるようなリアトランクスペースもしっかりと確保されているに違いない。イタリア、ミラノの名門はスポーツ性を追求するあまり、実用性が損なわれるようなクルマ作りをすることはないのである。我が国に導入されるジュリアは4グレードが用意されており、価格は446万円から1132万円までと発表されている。日本市場における発売開始は10月14日に決定している。

ALFA ROMEO GIULIA QUADRIFOGLIO
車両本体価格:11,320,000円(税込)

  • ボディサイズ | 全長4,635×全幅1,865×全高1,435mm
  • ホイールベース | 2,820mm
  • エンジン | V型6気筒 DOHC 24バルブ インタークーラー付ツインターボ
  • 排気量|2,891CC
  • 最高出力 | 510PS(375kW)/ 6,500 rpm
  • 最大トルク | 61.2kgm(600Nm)2,550 rpm

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