メーカー純正のクラシックカーに触れる、ジャガー「E-Type REBORN」

クールなカーライフを送りたい。そう考えた時の選択肢を新車に限定するのは賢くない。銘車と言われるモデルの多くはクラシックカーだからだ。ところが古いクルマは年数を経た分だけ傷んでいることがほとんどで、結局のところ憧れに終わることが多い。だが世界で最も美しいクラシックスポーツカーの新車が手に入るとしたら? クルマ好きにとってこれ以上の朗報があるだろうか。

ジャガー・ランドローバー社の特装車部門であるSVOは、「ジャガー・ランドローバー・クラシック」として、これまでも初代のレンジローバーやランドローバー・シリーズ1といった歴史的なモデルを台数限定で集めて徹底的にリペアし、新車同様の状態に仕上げる「リボーン(再生)」プロジェクトを手掛けてきた。そんな彼らは今回、'60年代の銘車であるジャガーEタイプを10台限定で蘇らせることを発表した。

マニアが古いクルマを修復するのは珍しい話ではないが、自動車メーカーがリボーンを手掛け、販売まで行うスタイルは稀である。4月上旬にドイツのエッセンで開催されたクラシックカーショーにおいてリボーンされ、新車同然の姿となったジャガーEタイプの1号車が展示され、大きな話題をさらった。グレーに塗られた1965年型のEタイプ・クーペ・リボーンの修復方法は徹底している。当時の設計図面や当時のパーツをできる限り使用してオリジナルの雰囲気を忠実に再現しつつ、実用における安全を確保するうえで必要とあれば新たにパーツを製作し使用しているのだ。ボディの防錆処理には最新の技術が投入されているが、溶接の方法など見た目に関わる部分は'60年代のスタイルに拘るという念の入り方なのである。

近年は、ジャガーEタイプのような傑出したクラシックカーの価格が高騰している。20年前であれば初期型のEタイプでも500~800万円ほどで購入することができたが、昨今では3000万円を上回ることも珍しくない。こうした需要を考えると、今回のリボーンに付けられた28万5000ポンド(4000万円弱)という価格は決して高いとはいえない。何しろコンディションは新車同様であり、今後購入価格を上回るプレミアも期待できるのだから。実用性の面ではEタイプの直接的な後継である現代のジャガーFタイプ等とは比べることもできない。しかし安定した価値という観点においては自動車という価値基準をはるかに越えた走る骨董品といえるだろう。極上のクラシックカーで山裾にあるカントリークラブを目指す。その光景はこの上なくクールであるに違いない。

JAGUAR E-Type REBORN
参考価格:28万5000ポンド(4000万円弱)

  • オリジナル車両の製造時期: 1961~1968年(Series 1)
  • エンジン: 265bhp、3,781cc または 4,235cc、直列6気筒ガソリン
  • トランスミッション: 4速マニュアル、後輪駆動
  • ブレーキ: サーボアシスト・ブレーキ(フロント/リア)
  • 最高速度: 150mph
  • 0-60mph加速: 7秒

bruder.golfdigest.co.jp

問い合わせ先

ジャガー ランドローバー ジャパンフリーダイヤル:0120-18-5568

ジャガー: http://www.jaguar.co.jp/index.htmlランドローバー: http://www.landrover.co.jp/index.html

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