旅する写心~Every Day Is A New Day

「文壇ゴルフ」というのをご存知だろうか。
小説家の方が集まりゴルフを愉しむ。
出版社や新聞社が主催したり、
有名なのは丹羽文雄さんの「丹羽学校」だった。

川口松太郎、柴田錬三郎、水上勉、井上靖、、、
伊集院静さんから聞いた話では、
それはそれは先輩からのマナー教育は
厳しかったという。

今回日本女子オープンが開催された
紫CCすみれコースは、吉川英治さんが
「紫草といえば武蔵野が浮かんでくる」という発想から
街の象徴でもある醤油にも因んで
「紫カントリークラブ」と名付けた。
この時のいきさつを書いた原稿が
今でもクラブハウスに飾られている。

私もある出版社の文壇ゴルフの末席に入れて頂いている。
一年に一度、作家の方達とご一緒できるのが待ち遠しい。
彼らのゴルフの愉しみ方とは。
ゴルフ場の空気を一瞬で感じ取り、
それを文字に表現する。
吉川英治さんはきっと愛情を持って
このコースを歩かれたのだろう。
開場から翌年、この世を去った。

宮本 卓Taku Miyamoto

1957年、和歌山県生まれ。神奈川大学を経てアサヒゴルフ写真部入社。84年に独立し、フリーのゴルフカメラマンになる。87年より海外に活動の拠点を移し、メジャー大会取材だけでも100試合を数える。世界のゴルフ場の撮影にも力を入れており、2002年からPebble Beach Golf Links、2010年よりRiviera Country Club、2013年より我孫子ゴルフ倶楽部でそれぞれライセンス・フォトグラファーを務める。また、写真集に「美しきゴルフコースへの旅」「Dream of Riviera」、作家・伊集院静氏との共著で「夢のゴルフコースへ」シリーズ(小学館文庫)などがある。全米ゴルフ記者協会会員、世界ゴルフ殿堂選考委員。

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