高級腕時計で鮮やかな「カラー革命」を狙うHUBLOT

「カラー革命」というと、かつては政治における話だが、現代では高級時計の世界で注目を集めるキーワードの一つだ。トレンドのグリーンやグレーに加えて、これまでになかったオレンジやパープルなど鮮やかな色のケースや文字盤のモデルが続々と登場している。2022年3月末、2年ぶりにスイス・ジュネーブで開催された、高級時計ブランドが新作を発表する時計フェア「ウォッチズ＆ワンダーズ（時計とその奇跡） 2022」でも、鮮やかな色の時計がいくつも展示された。

なかでも、かつてない魅力的な色の時計をタフなセラミックケースで実現して注目されたのが、セレブリティの間で大人気の高級時計ブランド「ウブロ（HUBLOT）」の機械式クロノグラフ「ビッグ・バンインテグレーテッドセラミック」だった。

ウブロは“アート・オブ・フュージョン（異なる素材やアイデアの融合）”をコンセプトに、時計には使われてこなかった最先端素材の導入や大胆な色づかいで展開しているスイスの時計ブランド。そのコレクションのうち「ビッグ・バン」は、知る人ぞ知る存在だったウブロを、一躍メジャーに押し上げた機械式スポーツクロノグラフで、「ビッグ・バンインテグレーテッド」は2020年から展開するケース＆ブレスレット総合型モデルを指す。

ビッグ・バンインテグレーテッドには、金属素材のほかセラミック素材のモデルも存在し、2021年からセラミック素材のカラーバリエーションが増加中。ブラック、ホワイト、ブルー、グレーのラインアップに加え、2022年には新たにインディゴブルー、サンドベージュ、ジャングルグリーン、スカイブルーの4モデルを追加してきた。

従来のスポーツクロノグラフにはなかった鮮やかで美しい色味は「ウォッチズ＆ワンダーズ 2022」の会場でもひときわ目を引いた。ハイテクセラミック製ケースとブレスレットは、頑丈でSS（スレンレススチール）ケースより軽く、着け心地も軽快。文字盤側もケースの裏側もスケルトンになっており、ウブロが誇る自社製クロノグラフムーブメント「ウニコ」の精密で美しいメカニズムと動きを眺め、心臓の鼓動のような心地よい音を聴く楽しみもある。

「カラー革命」は新素材の開発が進んでいることにも起因するが、復刻モデル人気に引っ張られた “渋い色”のレトロクラシックなテイストにそろそろ市場が飽きてきたせいもあるかもしれない。身に着けるアイテムだから、時計にも一定の周期で“気持ちが上がる”ような新しさは求められる。さあ、あなたはいま何色のモデルを選ぶ気分だろうか？