雨の日を上機嫌にする “傘”へのこだわり

できる男の身だしなみとして持っておきたい「傘」。デザインや素材にこだわった一本なら、憂鬱になりがちな雨の日も気分が上がるので、“ビニ傘”勢とは所作や表情に差が出てきます。時計や靴、スーツやカバンだけでなく、傘にもこだわる。そんな人に、日本の伝統と職人技が光る紳士傘を紹介します。

#1“伝統”にこだわる/前原光榮商店

1948年創業。大量生産・大量消費の時代にあって、洋傘の伝統的な製法を受け継いでいる数少ない老舗メーカー。洋傘づくりの要である「骨」「生地」「手元」「縫製」すべてに素材選びからこだわり、裁断縫製の加工でも大規模な機械ではなく、小さな工房スペースで職人が手作りしている。

「市松模様」「アーガイルチェック柄」「亀甲文様」「ヘリボーン柄」の同色生地をランダムにつなぎ合わせた、パッチワークのようなデザイン。手元にはかつてゴルフのシャフト材として最高峰と言われたヒッコリーを採用している。メンテナンスをすれば、ずっと使い続けることのできるサスティナブルな面も兼ね備えている。

ユージェイカーボン×ヒッコリー ¥46,200(税込)

#2“デザイン”にこだわる/+RING(プラスリング)

断ち落としや断ち間違いなど、未使用にも関わらず廃棄されてしまう生地やパーツを生まれ変わらせて、スタイリッシュかつ堅牢な傘やアイテムを提供している。デッドストックパーツから新しく加える(プラスする)部品は傘を束ねるリング(ゴムバンドとボタン)だけというのが、ブランド名の由来でもあるそうだ。

職人の間で“究極のデザイン”とも呼ばれているパッチワーク縫製の傘は、その唯一無二のデザイン的な側面だけでなく、雨から安心して身を守るといった道具としての機能をもしっかり持ち合わせている。カジュアルになりがちなデニム調の素材を使用した傘も、バンブーハンドル仕様ならシックなスタイルのアクセントとなりそう。

+RING complex Sr.334/ブルー、Sr.335/ブラウン 各¥7,150(税込)

#3“素材”にこだわる/槙田商店

1866年創業当時、産地の織物を取り扱う甲斐絹問屋としてスタートした。傘に使われている布は、富士山の雪解け水で鮮やかに染められた糸を織ったジャカード生地。繊細な模様も大胆な絵柄もすべて織生地で表現する。糸一本一本で描く凹凸と、色柄にこだわったオリジナル生地は、世界のトップブランドからも支持されているという。

ストライプのネクタイを彷彿とさせるデザインは、スーツやジャケットスタイルとの相性が抜群。スタイリッシュで落ち着いた大人の魅力を演出してくれる表柄だけでなく、裏側に柄を施したデザインは、シンプルな中にも“遊び”を仕込んでいて個性的。閉じても、開いても美しいシルエットは、洗練された男性が持つにはぴったりです。

Tie ¥8,800(税込)

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  • Edit/Text : Junko Itoi
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