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実用的でスポーティ 車の魅力を一台に凝縮  新型「ゴルフGTI」

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もし、いますぐに人生最後の一台を選べと言われたら、このクルマかもしれない。フォルクスワーゲン新型「ゴルフGTI」に試乗しながら、そんなことを考えた。筆者がクルマに求める要素のすべてが、この一台に詰まっていると感じたからだ。

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外観は、第8世代となる現行ゴルフがベースとなっている。フロントグリルに赤いラインの差し色があしらわれていること、シートがタータンチェック柄になっていることなどは、1976年に登場した第1世代のゴルフGTIから引き継がれる伝統だ。

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また、大人2人が余裕をもって座れる後席や広々とした荷室など、実用性を一切損なわずにスポーティモデルを仕立てる手法も、70年代から変わらずに受け継がれている。

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ただし、運転席から眺めるメーターパネルは大きく変わった。液晶のメーターパネルは好みのスタイルを選ぶことができ、たとえば全面をカーナビ画面にすることも可能だ。

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また、空調やオーディオの操作をセンターコンソールのタッチパネルに集約したことでスイッチやダイヤルなどが姿を消し、シフトセレクターが小型化されたこともあって、インテリアは随分とすっきりとした。第8世代ゴルフの開発テーマのひとつが「デジタル化」で、それはインテリアを見ると一番わかりやすい。

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2.0リッターの直列4気筒ターボエンジンの最高出力は、従来型プラス15psアップの245ps。走り出して感じるのはパワーアップしたということではなく、加速が繊細かつ滑らかになったことだ。 エンジン自体が洗練されている印象を受けるし、ツインクラッチ式の7速DSGも年を追うごとに変速がスムーズになっている。加えて、エンジンと7速DSGのマッチングも進化を続けているのだろう。

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アイドル回転付近から十分なトルクがあるために発進加速がラクで、赤信号が続いてもイヤな気持ちにならない。シフトショックがほぼ皆無で、低回転域でもアクセル操作に対するレスポンスが優れているから、市街地をトロトロ走ってもストレスを感じない。

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こうした柔軟性を備えている一方で、回転を上げるとドラマティックな一面も見せる。3000〜3500rpmを超えると、それまでくもっていた排気音の音質がカラッと乾いたものに変わり、さらに回転を上げると抜けのよい澄んだ音で耳を喜ばせてくれる。音が変わるのとほぼ比例してレスポンスもさらに鋭くなり、特に5000rpmを超えると、「寄らば斬る」という、名刀の切れ味を見せてくれる。

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市街地ではプレミアムカーのようで、飛ばすとスポーツカーになるという性格は、足まわりも共通だ。高性能車はハイパワーを受け止めるために足まわりを固めるのが常識であるけれど、このクルマは違う。舗装の荒れた部分を強行突破して、「ガツン」というショックが来るかと身構えていると、「カッツン」と乗り越えて、良い意味で拍子抜けしてしまった。

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試乗車には245/35R19サイズのタイヤと、電子制御式の可変ダンパー「DCC」をセットにしたオプションが装着されていて、これも良好な乗り心地に一役買っている。「DCC」とは路面のコンディションや走行状態にあわせて1秒間に200回も減衰力を調整するハイテク装備で、街中ではしなやかに、高速ではしっかりとした乗り心地を提供する。

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山道では、まるで軽量スポーツカーのようにひらりひらりと舞う身軽さにも、ハイテクが貢献している。ドライバーが気づかない程度に、微妙にコーナー内側の車輪にブレーキをかける「XDS」(電子制御ディファレンシャルロック)という仕組みが俊敏なコーナリングフォームをもたらしてくれる。

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ただし、コーナリングはシャープでありながら、荒っぽさや野蛮な感じは一切ない。がっしりとしたボディ設計や、正しい位置で正確に機能するサスペンションなど、クルマの基本、いろはの「い」がしっかりとしているからだろう。土台が強固だからこそ、パワーを上げてもアジリティ(敏捷性)を高めても、しっかりと消化できているのだ。

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飽きずに長く愛用できそうなシンプルなスタイリングは、クラスレスだから高級ホテルの車寄せにも臆せず横付けできる。いざ走らせてみればスポーツカーとしても楽しめるし、プレミアムカーの快適性も享受できる。もちろん、自動ブレーキや追従機能など、安全・運転支援装置は現時点での最高レベルのものを備えている。

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日本の道路事情でも扱いやすいサイズのなかに、クルマの魅力が凝縮されている。これ一台でなんでもこなせ、ハッピーなクルマ生活が送れるという、実に稀有なモデルがゴルフGTIなのだ。

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フォルスワーゲン ゴルフGTI  車両本体価格: 4,660,000 円(税込)

  • ボディサイズ | 全長 4295 X 全幅 1790 X 全高 1465 mm
  • ホイールベース | 2620 mm
  • 車両重量 | 1430 Kg
  • エンジン | 直列4気筒 DOHC インタークーラー付ターボ
  • 排気量 | 1984 cc
  • 変速機  |7速 DSG
  • 最高出力 | 245 ps(180 kW)/ 5000 - 6500 rpm
  • 最大トルク | 370 N・m / 1600 - 4300 rpm
    • Text : Takeshi Sato

お問い合わせ先

  • フォルクスワーゲンカスタマーセンター フリーダイヤル:0120-993-199

    www.volkswagen.co.jp
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