今年も様々なSUVが誕生しているなかで、最新の一台はアメリカから上陸を果たしたばかり。キャデラックの新型「エスカレード」である。1999年に誕生したキャデラックのフルサイズラグジュアリーSUVは、今回で5代目へと進化を遂げた。
フルサイズSUVを名乗る資格は定かではないが、全長5m超えのボディを持っていることが重要となる。ロールス・ロイス「カリナン」、レクサス「LX」、BMW「X7」、ベントレー「ベンテイガ」、ランボルギーニ「ウルス」、メルセデス「マイバッハ GLS」等々、オーバー5mクラスには高級ブランドが目白押しだが、これらのライバルと比べてもなお、エスカレードの5.4mという全長は最大なのである。
実車を目の当たりにすると「大きい!」という一言に尽きる。フロントマスクが垂直の壁のように立ちはだかっており、大きいボディをより大きく、立派に見せている。先代エスカレードの顔は、アメリカの大統領専用車のものに近かったが、今回もしっかりと威厳が感じられる。大きいボディがオーナーにもたらすベネフィットとは何か? さっそく新型エスカレードを運転してみた。
ステアリング位置は左のみだが、大きなボディをキープレフトさせるのに都合が良かった。乗り心地はエアサスペンションによって極上に保たれており、ステアリングを切った感覚も先代より切れ味がよく洗練されている。ボディの大きさに比べて、走りは軽快だ。そして運転席から振り返って広い室内を見回した時、新型エスカレードの真価が理解できた。
室内レイアウトは3列シートで、2列目がビジネスクラス風の独立タイプ、3列目は3人掛けとなっている。スタイリングはSUVなのだが、室内のレイアウトはトヨタ「アルファード」をイメージすると理解しやすいのではないだろうか。
フルサイズSUVの中には3列シート7人乗りのモデルが少なくない。だが3列目シートのヘッドクリアランスや足元スペース、乗り降りのしやすさまでを考慮すると、エスカレードはトップクラスと言い切れる。
3列目シートを使用した場合のリアの荷室は狭まってしまうことがほとんどだが、エスカレードはそれでも700リットル以上の実用的なスペースが確保されている。ゴルファーにとっては、3列目シートを倒さなくても複数のキャディバッグを積めるので、ゆったりとした室内でゴルフ場に向かうことができる。アメ車だから大きくて当然、ではなく大きさに見合った価値があるのだ。
新型エスカレードとライバルを比べた場合の特徴をあと2つあげるとすれば、車両価格と燃料代だろう。ライバルの車両価格は2000万円超えが当たり前で、中には4000万円に迫るものもあるが、エスカレードは1500万円程度に収まる。使用燃料に関しても、推奨はハイオクだが、レギュラーガソリンも使用可となっている点が、ガソリン価格が高騰する昨今において嬉しいメリットと言えるだろう。
威厳に満ちたスタイリングと快適な室内空間。圧倒的な存在感を誇るキャデラック エスカレードのボディは、アメリカを代表するラグジュアリーSUVに唯一無二の価値をもたらしているのだ。
キャデラック エスカレード プラチナム 車両本体価格:14,900,000円(税込)
- ボディサイズ | 全長 5400 X 全幅 2065 X 全高 1930 mm
- ホイールベース | 3060 mm
- 車両重量 | 2740 Kg
- エンジン | V型8気筒 OHV / L87
- 排気量 | 6156 cc
- 変速機 |10速 AT
- 最高出力 | 416 ps(306 kW)/ 5800 rpm
- 最大トルク | 624 N・m / 4000 rpm
- Text : Takuo Yoshida
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