2020年より日本への導入が始まったランドローバー「ディフェンダー110」は、世界中で人気を集め、納車待ち1年以上という品薄状態が話題となった。人気の理由としては、本格的な悪路走破性能と快適性を両立したことのほかに、個性のあるデザインやベーシック仕様で500万円台からというお値打ち感が挙げられる。
そして2021年には、ショートボディ仕様の2ドアモデル「ディフェンダー90」の販売が始まった。ゴルフに行くことや、ファミリーカーとして使うことを考えれば、ドアが4枚あって後席や荷室が広いディフェンダー110のほうが使い勝手がよさそうに思えるけれども、2ドアのディフェンダー90を選ぶ理由もある。
ひとつは、ディフェンダー110に比べて圧倒的に取り回しが良いこと。全長もホイールベース(前後輪の間隔)も、ディフェンダー90のほうが435mmも短く、最小回転半径は5.3m。ディフェンダー110の6.1mとは明らかな違いがあり、車庫入れや縦列駐車が圧倒的に楽ちんなのだ。
短くなることで、軽くなるというメリットも生まれる。同じエンジンを積んだ、ほぼ同装備の仕様を比べてみると、ディフェンダー90のほうがディフェンダー110よりも140〜150kgほど軽くなる。軽くなるということはそれだけ加速力が増すということでもあり、2.0リッターのガソリンターボエンジンを積む仕様の0-100km/h加速を比較すると、ディフェンダー90が7.1秒であるのに対して、ディフェンダー110は7.4秒。「たったの0.3秒か」という声もあるだろうけれど、乗り比べてみると数値以上に軽やかな出足を体感できる。
こうした実用面のほかに、「2ドアのほうが本格的だ」という理由でデフェンダー90を選ぶ方もいるだろう。もともと、悪路で高い機動力を発揮するために誕生したこの手のクルマは、短いボディが主流だった。ホイールベースが長い仕様は、大きな凹凸がある路面で亀の子状態に陥るから、本気で悪路を走るのならショートホイールベースのほうが有利なのだ。
事実、ディフェンダーの先祖にあたる1948年にデビューしたランドローバーシリーズⅠも、1970年に登場したレンジローバーも、オリジナルモデルは2ドアだった。こうした史実を鑑みると、ショートボディのディフェンダー90がオリジナルの精神を色濃く反映している。
快適性や積載性よりも取り回しのよさを重視し、本格的なオフロード走行を好まれる方。あるいはチョロQやミニ四駆を思わせる愛嬌のあるキャラクターが気に入った方には、ディフェンダー90は最適な一台ではないだろうか。
ランドローバー ディフェンダー90 車両本体価格:5,510,000円(税込)
- ボディサイズ | 全長 4510 X 全幅 1995 X 全高 1970 mm (エアサスペンション)
- ホイールベース | 2585 mm
- 車両重量 | 2100 Kg (エアサスペンション)
- エンジン | 直列4気筒 DOHC ターボチャージャー
- 排気量 | 1997 cc
- 最高出力 | 300 ps(221 kW)/ 5500 rpm
- 最大トルク | 400 N・m / 2000 rpm
- Text : Takeshi Sato
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