コンパクトSUVを侮るな! ルノー キャプチャーが「大きく」進化

f:id:graphishio:20210215151646j:plain

f:id:graphishio:20210215144658j:plain

ヨーロッパの自動車市場で一番の激戦区とされるのが、Bセグメントと呼ばれるコンパクトカー(フォルクスワーゲン ポロやトヨタ ヤリスが該当)のカテゴリーだ。国によっては販売台数の3〜4割を占める大きな市場となっている。今回紹介するルノー「キャプチャー」は、このBセグメントに属するSUVだが、実際に試乗してみると、そのカテゴリー以上に「大きく」感じるモデルだった。

f:id:graphishio:20210215145447j:plain

その理由のひとつは、まずデザイン。彫りの深いラインとエレガントな面の組み合わせで構成されるエクステリアは、SUVらしいタフさを感じさせると同時に、優雅な弧を描くルーフラインがエレガントな印象を与える。表情豊かで華やかな外観は、無骨な実用車とは明確に一線を画す存在感だ。ヘッドランプまわりやリアのコンビネーションランプに「Cシェイプ(ランプが下方に伸びる)」と呼ぶ形状のLEDライトを採用することで、ボディがワイドで大きく見える効果もある。

f:id:graphishio:20210215145414j:plain

インテリアはシックな印象だ。一見するとシンプルなデザインであるけれど、色つやのいいパーツを使っていたり、手が触れる部分にソフトなパットを配置したり、キメ細やかな気配りによって、大人っぽい落ち着いた内装に仕上がっている。フラットを基調とするダッシュボードのデザインによって室内が広く感じられることもあって、「コンパクトSUV」という言葉から想像するよりは上質で、大きなクルマだという印象を受ける。

f:id:graphishio:20210215145421j:plain

スペース効率という観点で見れば、SUVというスタイルの全高を上手に利用した設計により、後席とラゲッジスペースも外観から想像するよりはるかにゆとりがある。ルーフラインがボディ後端に向かって落ちていくけれど、後席の頭上空間はしっかり確保されており、荷室も広々としているうえにスクエアな形状で使い勝手がいい。

f:id:graphishio:20210215145456j:plain

事実、このクラスのSUV としては後席の足元スペースも荷室容量も最大級で、カッコよさと効率を両立したフランス車らしいデザインなのだ。

f:id:graphishio:20210215145444j:plain

エンジンを始動して走り出せば、その力強いトルクに感心する。搭載する1.3リッター直列4気筒直噴ターボエンジンはルノー、日産、三菱が共同開発したもので、同じプラットフォーム(基本骨格)を共用するルノー「ルーテシア」に積まれるものと基本的には同じエンジンだ。

f:id:graphishio:20210215145437j:plain

ただし、キャプチャーに積まれるエンジンはSUVの用途に合わせてチューンされており、ルーテシアに積まれるものより最高出力も最大トルクも強化されている。その結果、市街地から高速道路まで、余裕を持って走ることができるどころか、「パワフル」「速い」と表現したくなるほどの力強さを発揮する。

f:id:graphishio:20210215145409j:plain

しかも、デュアルクラッチ式の7速ATとのマッチングも良好で、ほとんど変速ショックを感じさせずに素早く最適なギアへとシフトする。パワートレーンが力強いうえにスムーズなのだから、ハンドルを握って感じられるドライブフィールは、もちろんBセグメントというクラスの中では特筆に値するレベルだ。

f:id:graphishio:20210215144742j:plain

そして、このクルマを「大きく」感じた最大の理由は、高速道路で速度を上げるほどに動きが落ち着き、実際のサイズ以上の安定感を感じたためだった。サスペンションがきれいに伸びたり縮んだりすることで車体をフラットな姿勢に保つのはルノー車の美点であるけれど、このクルマはその美点がさらに色濃く感じられた。 舗装の荒れた部分や路面のつなぎ目からのショックを上手にいなし、ピョコタンとはねたりすることもなく、横風を受ける状況下でも矢のように直進する走行安定性は、従来のBセグメントのレベルを軽く上回る。ぜひ試乗して体感してほしい。

f:id:graphishio:20210215145459j:plain

さらに、運転支援機能が大幅に進化している点も、従来のBセグメントとの大きな違いだ。先行車両に追従する機能は、一度止まっても再発進するところまでカバーしてくれるので渋滞での疲労やストレスを低減してくれる。加減速のスムーズさも実に滑らか。車線の中央を維持する機能も効果的に働くから、本来の直進性の良さと合わせて、高速道路で長時間運転する場合にも疲労は少ないはずだ。きっと、ゆとりのあるシャシー性能が、グランドツアラー(GT)としても期待できるこのクルマの懐の深さにつながっているのだろう。

f:id:graphishio:20210215151636j:plain

都市部ではコンパクトSUVとして小気味よく走り、遠出をするときにはGTに変身する。都市型ゴルファーにはまさにうってつけの一台ではないだろうか。

f:id:graphishio:20210215145503j:plain

ルノー キャプチャー
車両本体価格:2,990,000円(税込)

  • ※表示価格にはオプションは含まれておりません。
  • ※価格には保険料、税金(消費税除く)、自動車リサイクル料金、その他登録等に伴う費用等は含まれておりません。
  • ボディサイズ | 全長 4230 X 全幅 1795 X 全高 1590 mm
  • ホイールベース | 2640 mm
  • 車両重量 | 1310 Kg
  • エンジン | 直列4気筒DOHCターボ
  • エンジン排気量 | 1333 cc
  • 最高出力 | 154 ps(113 kW)/ 5500 rpm
  • 最大トルク | 270 N・m / 1800 rpm

 

  • Text : Takeshi Sato

お問い合わせ先

  • ルノーコール フリーダイヤル:0120-676-365 (受付時間 9:00~18:00、年中無休)

    www.renault.jp
閉じる