思わず凝視してしまうナイキ×シェイマスのコラボゴルフシューズ -【HOLE 2】

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編集部:去年はナイキとのコラボシューズを発売したんだとか。

アクバー:そう、Air Zoom Victory Tourシリーズとして、発売したんだ。ナイキとはこれまでもヘッドカバーや、ロリー・マキロイが使ってるヤーデージブックカバー、ケプカの特注シューズバッグなんかを作っていたんだけど。もっとなにか大きなプロジェクトを動かしたいねとなって。僕が持っているキャディバッグは、ウッドカモフラージュ柄のワックスキャンバスにバイソンのレザー、ペンドルトンの生地をミックスしたものなんだけど、それを見たナイキのメンバーが、こういう、色んな素材を使ったゴルフシューズを作ってみるのはどう? って提案してくれたんだ。

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編集部:ナイキの聖域であるシューズの領域でコラボできるなんて、本当にすごい。

アクバー:なかなかできるものじゃないよね。僕らにとっても大きなチャンス。しかもこれは、SEAMUSとナイキ、ペンドルトンという3ブランドのトリプルコラボだった。ナイキ史上、ゴルフでもゴルフ以外でも3ブランドのコラボは今までなかったらしい。ナイキは昔から身近にあるブランドで。なにしろ僕たちはBeeverton(ビーバートン)にあるナイキ本社のすぐ近くで育ったから。じつはナイキの創業者、フィル・ナイトも僕と同じ公認会計士だったんだよ。そういうところでも親近感があったから、とても光栄に思うし、ワクワクしたよ。

編集部:作ったシューズについて、詳しく教えて。

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アクバー:ライニングにはペンドルトンの厚みのあるブランケットウールを使った。保温性はもちろん、吸湿性も高いからね。ワックスキャンバスの部分は、パターンもさまざまで、ペンドルトンパターンのカラフルなソールも楽しい作り。

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編集部:欲しかったなーーー(涙)。JONESもそうだけど、アメリカはコラボが多くていいよね。

アクバー:そうだね。うまくいってるコラボは、企業うんぬんの前に、双方にいる個人同士が仲が良かったケースがほとんどだと思う。そして、全く違うカテゴリーの2社が結びつくことが多い。たとえばナイキは技術的に進んでいて、性能重視。SEAMUSは機能性もそうなんだけど、ヘリテージを大切に、「ゴルフとは」という概念重視。このふたつが結びついたら、それはワクワクするゴルフアイテムができあがるよね。常に進化し続けたいと思ってるユニークで小さなブランドはたくさんある。大企業も新たな顧客層を獲得したいと思ってる。だから、双方にとってハッピーなんだ。JONESとも何年も一緒にやっているよ。それは、マットもクリスもナイスガイだから。バンドンデューンズというゴルフ場に週末に行って遊んで、「じゃあバッグ作るか!」って、そんな感じ。

編集部:そういう外交や交渉、マーケティングはアクバーが担当なの? SEAMUSのバッグをヤギが担いで、キャディをやっているプロモーションムービーを見たんだけど、そういうアイデアも?

アクバー:マーケティングは基本的にThinkerの僕が担当。ゴートキャディは、オレゴンにThe Retreat & Links at Silvies Valley Ranchっていうハイクラスのリゾートがあって、大規模なヤギ農家でもあるんだけど。そこが新たに7ホールのショートコースを作ることになったときに連絡をくれたんだ。「ヤギにキャディをさせたいんだけど、彼らが担ぐバッグを作れる?」って。「イエス!」と即答したよ。そこからすぐに大型犬で試してみたりしたんだけど、ヤギって意外と大きいんだよ。100kg近くあるの知ってた? もう何から何まで調べてね、動き方や食べ方、フンの仕方まで(笑)。それでヤギのバッグに必要ないくつかの要素が見えてきたんだ。

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メーガン:まず、ヤギについてきてもらうためには、ピーナッツが必要(笑)。そしてそのピーナッツを入れる、大きなポケットも。ゴルファーがプレーの合間にあげるの。あと必要なのは、人間の忍耐力ね。ピーナッツをあげたからといって、人間の言うことをすべて聞いてくれるわけじゃないから。美味しい草があればその都度止まって、キャディが満足するまでお客さんは待たなきゃいけない。そういうのも含めて、遊び心があって、楽しい。ヘッドカバーを作る会社にしては、ずいぶん面白そうでしょ(笑)。そんなユーモアがわたしたちの強みだったりもする。ゴートキャディに関しては、CNNもインタビューにきたの。

編集部:その発想はなかなか出てこないよね。たしか、ブランドの名前であるSEAMUSも動物にちなんでいたよね。飼い犬の名前なんじゃなかったっけ。

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アクバー:メーガンの実家で飼っているアイリッシュテリアの名前。あとは、“Golf in Kngdom”っていう本があって、そこに出てくるSeamus MacDuffにもちなんでる。

編集部:改めて聞くけど、製品を作る上で、大切にしていること、哲学は?

アクバー:機能性と、ゴルファーに寄り添うこと。見ただけでわかるような、シンプルなもの、とにもかくにもゴルファーが使いやすいものを作るというのを心がけているよ。

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編集部:ヘッドカバーでいえば、人気はやっぱりペンドルトンの生地を使ったもの?

アクバー:いや、タータンチェックかな。あとハワイアン柄。

メーガン:タータンチェックは300種類くらいあるから。ペンドルトンとは数がかなり違うせいもあると思う。

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編集部:今回日本に来て、インスパイアされること・ものはあった?。

アクバー:ものだけでなく、場所からも。前に連れて行ってもらった、温泉のあるホテルのデザインなんて、本当に素晴らしかった。僕もメーガンも現代美術が好きなんだけど、日本のデザインは、たとえば他の国にある何かから着想を得て作られたものだったとしても、必ずそこには工夫が施されてる。もとの商品よりもずっと良いものができあがる。お酒がいい例だよね。ビールも、ウイスキーだってシングルモルトとか、オリジナルよりも全然いいものを作ってる。日本は素晴らしくて、何度でも来たいよ。

COOPERATION撮影協力

堀川芝球商店【Holly’s Golf Market(ホリーズ ゴルフ マーケット)】

住所:東京都港区南青山3-2-3 1F
電話番号:03-3470-4303

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