マット・クーチャーやタイガーが愛用するSEAMUS(シェイマス)とはどんなブランドか -【HOLE 1】

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名だたる米・プロゴルファーがプライベートでオーダー、日本ではスタイリッシュなヘッドカバーブランドとして通なゴルファーから支持を得ている『SEAMUS(シェイマス)』。ブランド創設者のアクバーとメーガン夫妻の来日に伴い、BRUDERが単独インタビューを実施。商品の魅力や、ブランドを立ち上げた経緯について聞いた。

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▲表面、裏地の素材選びから番手のデザインまでひとつひとつ手が込んでいるシェイマスのヘッドカバー(左)。スティール製ボールマーカーは、オレゴンの鍛冶屋でひとつひとつ手作りされている。真ん中にあるのは、レーザーカッターでカットされた、アメリカのロックバンド、グレイトフル・デッドのキャラクター・ベアのバッグタグ。見た目のかわいさもあるが、じつはアメリカのサブカルチャーの背景やストーリーがありユーモアに溢れている(右)。

編集部:シェイマスはずっと注目していたブランドだから、2人に会えてうれしいよ! 日本に来るのははじめて? 印象はどう?

アクバー:ありがとう。日本に来たのは妻のメーガンがはじめてで、僕は2回目。前回太平洋クラブ御殿場コースでプレーをしたときに、各組にキャディがついていたり、リモコンで動くカートを見て驚いたんだけど、今回も面白い発見をたくさんしているよ。

編集部:どんな発見?

アクバー:今回はいろんなゴルフショップを巡っているんだけど、とにかくどこも店内がとてもスタイリッシュ。ゴルフショップなのに、スポーティーというより、まるで百貨店の紳士服売り場のようで。僕らが今日いる、青山のホリーズ ゴルフ マーケットもお洒落だし、あと印象に残っているのはビームス ゴルフ、モンジーかな。デザイナーとも友達なんだ。

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編集部:たしかに日本のゴルフブランドショップは、スポーツショップというより、まるでブティックだよね。シェイマスも本当にスタイリッシュだよ。早速ブランドについて聞いていこうかな。まずは立ち上げの経緯から。

アクバー:もともとぼくは公認会計士と不動産業をやっていて、メーガンは、PENDLETON(ペンドルトン)というアメリカの繊維製造会社の婦人服デザイナーをしていたんだ。彼女は裁縫が好きで、ゴルフが好きな僕や仲間のためにペンドルトンの高級ウール生地を使ったヘッドカバーを作ってくれていた。

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メーガン:幼い頃からミシンや縫い物がとにかく好きで。裁縫は母に教わったんだけど、父は家具を作っていたり、職人一家なの。

アクバー:最初は自分たちが好きなものだけ作って楽しめればいいと思ってたんだけど、ある日メーガンが仕事を辞めてきちゃって。それで思い切って、2人でブランドを立ち上げたんだ。会計士時代はJONESと仕事をしていたこともあって、そこでもゴルフマーケットに人脈ができていたし、仲間うちにバンドン・デューンズ・ゴルフリゾートというゴルフコースでバイヤーをやっている友人がいて、彼のサポートもとても大きかった。

編集部:夫婦でビジネスをやるって、大変じゃない? 2人の役割分担は?

メーガン:私は家で仕事をするようにしているし、従業員が増えたことで人に任せることができるようになったから、良い感じのバランスよ。

アクバー:役割でいえば、僕が「Thinker(考えるひと)」で、メーガンが、

メーガン:「Doer(実行部隊)」。

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アクバー:僕ら、2人揃ってSEAMUS GOLFなんだ。大事にしているのは、シンプリシティ、ミニマリズム、そしてゴルフの伝統を尊重し、歴史を感じてもらうこと。もちろん新しい要素を加えることで、独自性を生むようにしているし、ゴルフをしない人が見ても「欲しい!」と思ってもらえるようなものづくりを心がけてる。そもそもメーガンは、ノンゴルファーだしね。

メーガン:私はゴルフはしないけど、子どものころからキャンプやハイキングによく行っていて、アウトドアに親しんでいたから、機能性の高いデザインに興味があった。だからアパレルの勉強をして、ペンドルトンに就職をしたの。自社工場もあったから、生地選びから織り方、色選びといったデザインに関わる全工程を学ぶことができた。それを今に活かしているのよ。

アクバー:僕らのモットーは、ノンゴルファーにゴルフはクールだ、楽しそうだと思ってもらえるものをつくること。ノンゴルファーがゴルファーに贈るギフトとして選んでくれるように。

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編集部:一番最初につくったのは、ドライバー用ヘッドカバー?

アクバー:ドライバーは大きいから裏地も多く必要になるし、ドレープに工夫が必要だから、フェアウェイウッドカバーから作り始めたんだ。

メーガン:フェアウェイウッド用だったらヒッコリーのクラブにも使えるしね。ゴルファーはドライバーに愛着を持っている人が多いけど、ドライバーは1本。フェアウェイウッドなら何本か持っているはずだから、マーケットをテストするのにちょうど良かったの。

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編集部:今ではマーカーやクラブケースもあるけど、一番の売れ筋商品は?

アクバー:面白くって、売ってる場所によって違うんだ。たとえばウェブサイトや日本ではヘッドカバーが売れる。アメリカのゴルフショップだと、マーカーが売れるところが多いかな。イベントだとバッグタグやポーチ、クラブケース。

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編集部:日本ではオンラインストアでもそうだし、ここ青山のホリーズ ゴルフ マーケットにもシェイマスの商品は置いているけど、アメリカではゴルフショップでも売っているんだね?

アクバー:アメリカでは、ハイクラスなプライベートクラブの中にあるゴルフショップがメイン。600箇所くらいに卸しているかな。あとはスポットで、US OPENで6回、MASTERSでも4回販売させてもらったよ。

編集部:すごいね! メジャートーナメントでの販売は、どういういきさつで?

アクバー:もともと販売をしていた、チェンバーズベイというゴルフ場が、US OPENの会場となったのがきっかけで。そこから他のメジャーにも繋がっていったんだ。2019年のプレジデンツカップのチームにもヘッドカバーを提供したんだ。世界のベストゴルファーに使ってもらっているということは、誇り高いし、ブランドの付加価値にもなる。

編集部:マット・クーチャーとも親しいんだとか。

アクバー:2015年に、「ヘッドカバーを買いたいと思ってるんだけど、ロゴを入れてもらうことは可能ですか?」って問い合わせがきたんだ。で、メーガンが僕に「マット・クーチャーって知ってる? その人がロゴを入れて欲しいって言ってるんだけどどうする?」って。

メーガン:ちがうちがう、さすがに名前は知ってた。ただ、まさか本人だと思わなくて。同姓同名? 珍しいなって思っただけ(笑)。

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アクバー:チャリティートーナメントでうちのヘッドカバーを見てくれたみたいで、気に入って欲しいと言ってくれて。もちろん差し上げますといってロゴを入れたものを贈ったんだ。毎回お金を払おうとするんだけど、それはさすがに断ってる。僕らとしては、マット・クーチャーのためにいろいろ作るのが楽しくて。ハワイでプレーをするときにはアロハプリントのヘッドカバーを、スコットランドに行くときは、タータンチェックを。すると彼がそれとお揃いのタータンチェックのパンツを買ってきたりするんだ。

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編集部:お互いに楽しんでいるわけだ。

アクバー:そうだね。彼のおかげでいろいろ拡がっているし、感謝もしてる。プレジデンツカップでも、彼がみんなに渡すギフトを作ったんだ。タイガーもブーメラン型の栓抜きをみんなへのギフトにしてくれた。ライダーカップでも3回、マット・クーチャーやジョーダン・スピース、パトリック・リード、リッキー・ファウラーが使ってくれている。フランス開催のときは、星条旗柄のヘッドカバーをコルクで作ったんだ。プロゴルファー以外でも、パルプフィクションのサミュエル・L・ジャクソンは、マーカーを使ってくれているよ。BAD MOTHER 〇〇〇CKERって書いてあるものをね(笑)。あとはビル・マーレイや、バスケ選手、フットボール選手など、おかげさまでいろんな有名人と繋がったよ。

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▲トーナメントやイベント会場では、実際にこの金槌を持参し、その場でスティール製ボールマーカーに刻印しているそう。

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COOPERATION撮影協力

堀川芝球商店【Holly’s Golf Market(ホリーズ ゴルフ マーケット)】

住所:東京都港区南青山3-2-3 1F
電話番号:03-3470-4303

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