13世紀にさかのぼる歴史をもつ、豪奢なシャトーでぜいたくゴルフ

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フランスのゴルフライフスナップ第3弾。今回は絶対日本ではありえない、なんとシャトーつまりお城のゴルフ場を訪問。それがパリからクルマで約1時間、シャルル・ド・ゴール空港から約20分に位置するシャトー・ド・ラレーだ。170ヘクタールの原生林と、敷地には鹿、猪、狐、ウサギ、雉などが棲息する自然の美しさに囲まれた牧歌的な平和な雰囲気のなか、古いシャトーのまわりにゴルフ場が展開されており、格別でぜいたくなゴルフを堪能できるのだ。

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シャトー・ド・ラレーの歴史は13世紀までさかのぼり、もともとフランス貴族の狩猟用のお城として建てられたもの。何回か所有者は変わったが、シャトーが現在の姿となったのは1600年代初期。前庭の左右上部を44頭の狩猟犬と、鹿とイノシシが飾り、それをローマ帝国とオリンポスの神々の18の像が保護しており、フランス国重要文化財に指定されているほど。さらに奇才でありフランスのマルチな芸術家、ジャン・コクトーが監督を務めた1946年のモノクロ名画『美女と野獣』のロケ地となったことでも有名だ。

シャトーに隣接して18ホールのラ・リコルヌがある。チャンピオンシップの基準を満した6145mのパー72のコースで 、広いオープンフェアウェイのフロントホール、森の環境と隠れたバンカーの美しい景色の中でより狭くて挑戦的なバックホールを誇っている。18番はシャトーに向かっており、壮観な眺め。9ホールのパー36、2955mのラ・ダグエは、周辺のヴァロワ地域の公園の景色を一望できる。こんな環境でのゴルフは日本では体験できないだろう。ゴルフコースのまわりにはツリーハウスが何棟もあり、宿泊もできる。

余談だがフランスには「レ・パス・ビンゴルフ」という299ユーロのカードが販売されていて、7月1日から8月31日までの間、パリ近郊のゴルフ場を何回でもプレーできるという。シャトー・ド・ラレーもその一つで、かなりの人気を誇っているそうだ。

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シャトーの正面から左手に入るとかつては馬小屋だったと思われる塔のような屋根を持つ石積みの建物があり、ここがカート置き場として使われている。こんな建物だけでもグッときてしまう。カートは電動ではなく、手引きなのもフランスっぽいところ。パーキングからも近い。手前の右側にクラブハウスとレストランがある。

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ゴルフコース内側からの眺め。ここは18番でシャトーに向かってティーショットを打ち、グリーンはシャトーの前という絶好のロケーション。グリーン手前にはバンカーがあり、平坦ながらも戦略製と正確なショットを要求される。逆にシャトー内からゴルフコースを眺めるのも絶景。なんともノーブルな気分にさせてくれる。

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シャトー側は18ホールのコースだが、練習にもってこいの9ホールコース、ラ・ダクエもある。エコロジーを意識して農薬は用いず、ナチュラルな自然を楽しむことができる。フランスらしく、サスティナブルが考えられている。こちらはコーチがジュニアにティーチングをしているところ。9ホールなので、ハーフセットで練習中。

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こちらも9ホールのラ・ダクエコース。グリーンなどは手入れがされているが、自然な感じで草や樹木が生え、牧歌的な雰囲気を醸し出している。こんな景観の中、手押しカートを引きゆっくりとゴルフ。起伏の少ない平坦なコースとなっており、初心者向けといえる。18ホールを回ったあとこの9ホールを回るというのもいいだろう。

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18ホールのラ・リコルヌの一幕。樹木が両側から迫るタイトなホールだ。ティーマークや標識などはなにもなく、自然との一体感が楽しめる。狭いフェアウェイながらも、ドライバーでトライ。ゴルファーのウエアは基本無地の組み合わせ。ただブルー、パープル、スカイブルーなどのカラフルなシャツが緑の中で美しく映えている。

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レストランの外の席のパラソルの下で、ホール上がりにすぐ飲めるよう、目前に冷やしてあるワイン。これは「グリ・ブラン」という現代的で品質の高いロゼワイン。南フランスの偉大な葡萄品種の一つ、グルナッシュというブドウ品種で辛口。こんなワインが待っていると思うとプレーにも楽しみが増えるものだ。

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クラブハウスの中で休憩中のジュニアたち。グローブを着用し臨戦態勢。現在、フランスには世界ランキング上位選手はいないが、ゴルフ環境は素晴らしくジュニアにとっても優しい。今後、活躍する選手が現れてもおかしくはない。シャトーといえども厳格さはなく自由な雰囲気。

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マダム&ムッシュゴルファーたちのランチ風景。さきほどの冷やしたロゼワイン「グリ・ブラン」を飲みながら食事を楽しむ。レストランは1階にあり、140名収容が可能な規模で、メニューはモダンなバーフードクラシックと「シェフの提案」のスパイシーなセレクションを中心に構築されている。素敵な環境は記憶に長く残ることだろう。

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上の写真でマダムが食していたのがこちらのメニュー。人気のステーキタルタル、サラダ、フライドポテトのコンビネーション。味見をしてみたが、かなりの美味。肉に合わせて赤ワインをセレクトし、バゲットとともに。シャトー・ド・ラレーのレストランで、こんな本格的フランス料理を味わいプレーをしてほしい。

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スイーツも本格的。こちらは焼きタルト、カスタードクリーム、イチゴ、リンゴ、キウイ、ブドウ、ミントにフランボワーズソースを添え、粉砂糖が振りかけてある。見た目にも美しく、美味なのがフランス流。食事のあとにデザートで絶品スイーツを食べる…。フランスのゴルフライフスタイルは、人生の喜び自体を高めてくれる。

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18ホールの横のシャトーの前の道。お昼になり練習場から帰ってきたジュニアたち。手引き三輪車、二輪車のアナログ感が逆にお洒落。二人とも襟のないシャツにショーツというカジュアルなスタイルで自由に満ち溢れている。シャトーというと権威的イメージがあるが、空気感はまるで逆。遊びながらゴルフを楽しんでいるのだ。

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看板やロゴマークなどなにもなく、一見ではゴルフ場とはわからない、シャトー・ド・ラレーの正面の外観。前庭の左右上部のモニュメントは必見だ。13世紀に建てられ、現在の姿になったのが17世紀初頭。入口を入って左奥が9ホールのラ・ダクエ、真っ直ぐいくと18ホールのラ・リコルヌがある。建物内手前は事務所だ。

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STAFFスタッフ
Photo
Manabu Matsunaga
Text
Gotaro Hosomura
Edit
Yuka Sato

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