メルセデス・ベンツ GLE450 4Matic、ピュアEVを買う前に乗りたい1台

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クルマは移動のための道具だが、オーナーの趣味や考え方を表す存在でもある。いち早くピュアEVに飛びつくのもいいが、現状で賢いクルマ選びをしようと思うなら“エムヘブ(MHEV)”あたりも意識してみるのもいい。減速のエネルギーを回生しつつ、そのパワーを再加速に活かす。新型GLEの最高峰、GLE450 4MATICスポーツは、ストレスのない最新のハイブリッド・メルセデスだ。

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Paragraph01 まだEVは早すぎる、と思うなら

SUVの台頭、パワートレインの電動化など、自動車シーンの流行は今も目まぐるしく変化している。メルセデスの最新ニュースで最も印象的なのは、ついに同社初のピュアEV であるEQCの受注が開始され、実車のデリバリーが10月頃から開始されるということ。アメリカのテスラだけが独走していたピュアEV 市場にヨーロッパの巨人が割って入り、本当の戦いがはじまるのだ。 EV化の背景にあるのは、今後CO2低減をはじめとする環境対策のルールが厳しさを増すことが明らかなためであり、その解決策は現状ではEV化以外にありえないとされているのである。

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と言ったところで、じゃあ明日からピュアEVに乗り換えますか? と言われたら、まだしり込みしてしまうという人が大半ではないか。自宅に充電設備を備え付けなければいけないのはもちろんだが、高速道路のサービスエリアやゴルフ場に2~3基ずつある充電設備だって、もしEVが本格的に売れはじめてしまったら、慢性的に不足してしまうことは目に見えているのである。 自動車メーカーの側もそんな充電インフラの現状や消費者の気持ちをよく理解しているのか、ピュアEVに移行する前段階ともいえるモデルをリリースしはじめている。そのキーワードがMHEV=マイルドハイブリッドだ。ダウンサイジングされたガソリン(もしくはディーゼル)ターボ・エンジンに、48Vまで電圧を高めたモーターを組み合わせる。これまでのハイブリッド車と違うのは、駆動用モーターがスターターを兼ねているという点だろう。

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そんな最新のMHEVシステムを搭載したメルセデスのSUVが、今回撮影したGLEシリーズの最高峰、GLE450 4MATICスポーツである。メルセデスがISGと呼ぶMHEVシステムが組み込まれた3リッター直列6気筒ガソリン・ユニット搭載のこのクルマは、例えば現状のピュアEVのようにオーナーに何らかの苦労を強いることない。ピュアEVの進歩を横目で見つつ、最新のハイブリッド・テクノロジーを満喫できるというわけだ。

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Paragraph02 新たなスタイリングに包まれた質実剛健

GLE450の核となっているシステムはISG搭載のM256パワーユニットだが、第一印象で新しさを主張するのは男か女かでいえば中性的、昼か夜でいえば夜っぽい艶やかなスタイリングだろう。近年のメルセデスは「センシュアル・ピュアリティ(官能的純粋)」というデザインフィロソフィーを掲げており、すでに多くのモデルに採用している。

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インテリアに関してもシンプルで滑らかな曲線でまとめられているが、使い勝手や空間効率といった観点でみていけば、そこにあるのは質実剛健なメルセデスそのものなのである。前後シートの着座位置はSUVらしい高さで視界も良好。スライド&リクライニング機構が付いたリアシートは足元スペースも十分に確保されており、一昔前のSクラスのような快適さを誇っている。また日本市場に導入されているGLEは全て3列シートの7人乗りになっている点もこれまでのGLE にない機能といえるだろう。

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Paragraph03 ゴルフバッグ4本積みも可能

3列シート装備と聞くと、ゴルファーにとってはラゲッジスペースの使い勝手が気になるところだが、心配はいらない。ラゲッジスペースの横壁に設置されたスイッチを操作すれば、2列目、3列目シートを倒しこむこともできるし、またスイッチ操作ひとつでリアの車高を上下させ、荷物の積み込みを楽にしてくれるシステムも備わっている。フロントシート周りだけじゃなく、クルマ全体が電動化され使い勝手が向上しているのである。

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ラゲッジスペースのフロア幅は決して広いとは言えないが、しかし2列目シートを起こしたままでもゴルファーの要求に十分に応えてくれる。ゴルフバッグは横方向に2本、その上に斜めに1本搭載できることは確認済。後方視界を気にしないのであれば、さらにもう1本重ねて積み込めるので、4名乗車でゆったりとゴルフ場へ行くことができる。

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Paragraph04 帰りの運転はクルマに任せてみる?

全長5m弱、車重2.4トン弱、しかも全高の高いSUVと言えば、以前ならスポーティな走りなど想像もできなかったが、現代のSUVは違う。堅牢なボディ骨格とロールを軽減するエアサス、前後の駆動力を自在に配分する4駆システム、そして驚くほど滑らかなパワーデリバリーに徹するISG搭載のパワートレインによって、GLE450は大きさや質量をドライバーに覚らせない。発進の際のズンッと来る太いトルクにはマイルドハイブリッドによる電動アシストも加担しているはずだが、複雑なシステムの動きを察知させないところに真の高性能が感じられる。

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そんなGLE450の運転感覚は「パワフルなEクラス」を想像してもらえればいいと思う。367psを暴力的にではなく、しっとりと使っているあたりに、ライバルに対して大人っぽい、メルセデスらしさが感じられる。  とはいえ昨今の自動車では、実際のドライバビリティより、アダプティブクルーズコントロールの方が重要視されている。メルセデス流の正式名称はアクティブディスタンスアシスト・ディストロニック(自動再発進機能付)&アクティブステアリングアシストと長いが、つまりステアリングさえ握っていれば、あとは前走車と一定の距離を保って加減速もステアリングも全てクルマがやってくれる自動運転の技術である。  疲れた帰りの高速道路で渋滞にあうことが多いゴルファーにとってこれは必須の機能といえ、GLE450は最新のメルセデスだけあって、この機能も非常に優秀といえる。いまだに「自分が運転しないと怖い」と言っているベテランドライバーもたまに見かけるが、一度慣れてしまえばこの機能を使わずにはいられなくなること必至だ。

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Paragraph05 全方位的にストレスがない

走りに関してのストレスは一切ないが、実際にクルマに乗り込んでナビゲーションシステムで目的地を設定するというプロセスに関しても、MBUXというインフォテイメント機能を持つメルセデスはライバルに対して一日の長がある。「ハイメルセデス」とクルマにしゃべりかけ「富里ゴルフ倶楽部に行きたい」とだけ言えば、それだけでナビの設定は完了する。これまでのように、走行中は操作できないナビと格闘するようなこともないのである。

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現行モデルのメルセデスは以前のように機能一辺倒というわけではなく、それなりにお洒落に気を使っているし、GLE450に関してはSUVらしからぬ色気が感じられる。ピュアEVはまだ早いけれど、それでも自分がクルマに敏感であるという主張はしておきたいと考えているゴルファーにとって、GLE450 4MATICスポーツは最適な選択肢といえる。

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MERCEDES BENZ GLE450 4MATIC Sports
メーカー希望小売価格:メーカー希望小売価格:11,320,000円~(税込)

  • ※写真はオプション装着車。
  • ※表示価格にはオプションは含まれておりません。
  • ※価格には保険料、税金(消費税除く)、自動車リサイクル料金、その他登録等に伴う費用等は含まれておりません。
  • ボディサイズ |全長4940×全幅2020×全高1780mm
  • ホイールベース |2995mm
  • エンジン | ガソリン直6ターボ+48V MHEV(ISG)
  • 排気量 | 2999cc
  • 最高出力 | 3367ps(270kW)/ 5500-6100rpm
  • 最大トルク |4500Nm /1600-4500rpm/li>

 

  • MERCEDES BENZ GLE450 4MATIC Sportsのトピック
  • ●最高レベルの先進運転支援システム
  • ●エネルギー効率の良いISG搭載のパワートレイン
  • ●3rdシートの装備で広がる実用性
  • Photo : Koichi Shinohara
  • Text : Takuo Yoshida

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