ブランドディレクターを務める、20代ゴルファー、コール・ヤングのゴルフ観 - Golfickers meets Malbon Golf【HOLE 5】

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今回は、マルボンゴルフのブランドディレクターで、ゴルフは1-2歳のときからやっているというコール・ヤングにインタビュー。彼は20代という若さで、スティーブンやエリカと共に、同ブランドでブランディングやプロモーションを担当している。ファッションとゴルフを愛してやまないコールに、彼ら世代のゴルフ観、そして、業界に対する思いを聞いた。

バンチョー(以下、B):まずは、コールのプロフィールから教えて。ゴルフは何歳のときからやっているの?

コール・ヤング(以下、C):1-2歳のころ。母方の祖父母、特に祖父がゴルフを教えてくれたんだ。大人用のクラブを短くカットしてくれて、それでスイングしていたことを覚えてる。

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ピータン(以下、P):そんなに長く! いまでもゴルフは好きみたいだけど、続けられたのはなぜ?

C:僕の性格なんだけど、敢えて周りの友達とは違うことをしたかったんだ。それに、ゴルフは集中力が鍛えられるし、特有のエチケットを学ぶのもおもしろかった。

B:ゴルフ業界で働くきっかけは?

C:もともとは、アパレル関係をやっている小さな代理店で、営業とマーケティングを担当していたんだ。大学を卒業して、プロゴルファーにはなれないとはっきり分かっていたから。

P:具体的に、以前はどんな仕事をしていたの?

C:Levi’sスケートボーディングや、ベニスビーチのスケーター用のサングラスブランドをもっている代理店で、営業とマーケティングをしながら、Revolve.comやForward.comの買い付けを担当してた。ファッションウィークに行ったり、ショーに参加する機会もあって、どんどんファッション業界にのめり込んでいった。ただ一方で、ゴルフがすごく恋しくて、ゴルフを仕事にしたいなぁとは、ずっと思ってた。

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P:そんな中、マルボンのことはどこで知ったの?

C:たまたま友だちがインスタグラムでゴルフのスイング動画をアップしていて、それを見て「ゴルフやるんだ?」って聞いてみたんだ。そしたら、友達夫婦がゴルフブランドを立ち上げるんだって言われて。それがマルボン夫妻だったんだ! 

とてもユニークな発想でフェアファックスにお店を開くと聞いて。ゴルフは今後の自分の人生の最終地点だと思っていたから、自分でマーケティングプランをつくって、エリカとスティーブンにプレゼンテーションしに行ったんだ。

P:すごい行動力!

C:自分の人生の中で興味があった、「ファッション」と「ゴルフ」が融合する、素晴らしい場所を見つけたと思ってるよ。

B:コールが、マルボンに参画して、楽しいと感じているところはどこ?

C:マルボンにいるひとりひとりが仕事を楽しんでいるところと、同僚がとてもユニークなところ。経歴もさまざまだし。身内のジョークじゃないけど、上手いゴルファーや下手なゴルファーの話を気兼ねなくできるチームだというのも、ゴルフ好き特有のおもしろい環境だと思う。それから、若い従業員に対して、いかにゴルフがクールで楽しいスポーツかを教えることも。ストリートウェアカルチャーと伝統的なウエアのクロスオーバーがなければ、彼らは興味をもたなかっただろうね。まだスタートから間もないから、限られた人数ではあるけど、仲間と一緒に、同じゴールに向かって動けているのも楽しいし、スティーブンやエリカから学ぶことも多いよ。

B:たとえば、どんなこと?

C:2人のことは会う前にしっかりリサーチをしていたんだけど、想像以上にマーケティングの才能が素晴らしいんだ。彼らがやっているブランディングとマーケティングのやり方に関しては、いまはどんなことでもスポンジのように吸収できるようにしているよ。

P:これはチャレンジングだな、難しいな、と思うこともある?

C:ゴルフ業界の、コンサバの壁かな。その壁を壊すことは、一番のチャレンジだと思う。難しい業界ではあるけど、会社として上手くやっていると自負してる。スティーブンも自分自身も、バックグラウンドにゴルフへのリスペクトがあるから、その核を壊そうとしているわけじゃない。これまで通り伝統やエチケットは尊重しながら、新しい命を吹き込むことが大事、という考え方でやっているよ。業界が、変化を必要としているし。

B:コールから見て、いまのゴルフ業界にとって、足りないと思うこと、やるべきことは何だと思う?

C:新しい人たち、ゴルフをしたことがない人たちに、まず理解してもらうこと。僕自身がゴルフをクールだと感じているように、同じく理解してほしいから、それが自分にとってのミッションだと思ってる。ゴルフをリスペクトしつつ、僕なりに壁を打ち破っていくよ。

B:スティーブンとのインタビューでも、アメリカでもまだゴルフは年配のスポーツだというイメージが強いと言ってた。僕たちは、コールのような20代のゴルファーが、これからのゴルフ業界を変えていく上で一番重要なジェネレーションだと感じているんだけど、周りにもそういった仲間たちは増えてきている?

C:増えているかというと、まだ断言はできない。でも、自分のような若いゴルファーは、もっといるんじゃないかな。2000年初期のタイガー・ウッズや、マイケル・ジョーダンがゴルフをはじめたことに、影響を受けた世代。

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B:じゃあ、コールと同じ世代やもっと若い子たちにゴルフを知ってもらうには、どうしたらいいと思う?

C:ファッションでいえば、いまの人たちに響くのは若いアスリートがかっこよく着られるようなブランドだと思う。ストリートウェアのシュプリームやオフホワイト、それこそもっとラグジュアリーなブランドも、スポーツカテゴリに参入してくるんじゃないかな。そういったゴルフとは全く関係のないファッションブランドとのコラボレーションが実現したら、新しい人たちにも届きやすくなると思う。

実際に、マルボンの路面店はフェアファックスにあるんだけど、シュプリームや、ジョーダンの新しいプロダクトを見に来たその足で、マルボンのストアに立ち寄る人が、想像以上に多いんだよ。マルボンに来て、初めてゴルフを知ったという人たちもかなりいる。ゴルフだって、いまやヒップでクールなものなんだよ、というプレゼンテーションを僕たちが続けていけば、ゴルフラバーはどんどん増えていくと思う。

P:ルッチやレミ(スティーブンの息子たち)を見ていると、彼らにとっての憧れのヒーローの影響力もすごそうだよね。

C:ルッチやレミの世代はバスケやサッカーが好きで、それぞれ憧れの選手がいる。そんな選手たちの影響力はすごくて、彼ら自身がインフルエンサーとして、企業や商品のブランディングまでできてしまう。例えば、バスケット選手のレブロン・ジェームズのファッションにはみんな影響されるし、ロナウドがナイキと一緒にデザインをしていると聞いたら、その商品を欲しくなる。ファッションとスポーツって、すごくつながっている。ゴルフ業界でも、そんなコラボレーションが生まれる日は遠くないよ。

P:僕らも、ゴルフがすごく楽しいっていうことをできるだけ多くの人に伝えたいし共感してほしいから、どんな形であれとにかくまずは興味をもってもらうことが一番大事だと思ってる。だから、スティーブンやコールの話はすごくよく分かるし、やっていることの規模は違うかもしれないけど、根底にある考え方は全く一緒だと思う。

C:ゴルフって、堅くて真面目すぎるイメージがあるよね。日本も、アジア自体まだ行ったことがないけど、きっと同じイメージをもっているんだろうね。それを溶かすような何かはとても大事。たとえば、Golfickersのインスタはフォローしているんだけど、BANCHOとPETANの2人をみると、ついクスッと笑ってしまう。そんな、笑顔を引っ張り出せるような要素が必要なんだよ。ゴルフはそんなに堅苦しいものではなくて、ゲームを楽しむという気持ちが大事だと思ってる。今後の2人の活動を、これからも楽しみにしてるよ。それに、何かコラボできるかもしれないと思うとワクワクするし、一緒にゴルフ業界を変えていけるのはとてもエキサイティングだよ。

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B:僕たちこそ、こうしてゴルフのすばらしさやかっこ良さを、この記事を通じて日本の人たちに伝えることができて感謝してるよ。今後、スティーブンやコールとのつながりから、世界中の有名な人たちと絡んでいくことになりそうだから、それに関してもとても感謝してる。

C:ゴルフ嫌いややったことがない人たちに、かっこよくてクールな人たちもゴルフをやるって伝えていけば、きっと世界は変わっていくよ。Golfickersと僕たちなら、きっとできるよ。

P:コール、ぜひ日本に来てよ!

S:じつは、来年の4月に行くよ!桜の時期だし、最高だよね。

B:もう日本に友だちもいっぱいできたんだから、遠慮なしにいつでも連絡してね。

C:もちろん、連絡するよ。いろいろやることがあるよね!

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