プジョー 508 GTライン、 生活にフレンチの風をとり込む

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薄いアメリカンのコーヒーばかり飲んでいると、たまにはフレンチプレスで淹れた深みのあるコーヒーが飲みたくなる。それはお堅いドイツ車ばかり乗っていると、たまにはシートの柔らかい軽快なフランス車に乗りたくなる気持ちと似ている。フランス車で旬なクルマといえば、スポーツカーならアルピーヌ A110、サルーンなら今年デビューしたばかりのプジョー 508が気になる存在だ。 伸びやかなボディとダウンサイジングエンジンを組み合わせた508は、フランス車の魅力をいっぱいに詰めこんだ1台だからである。

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Paragraph01 気分を変えたいならフランス車

クラブセットを丸ごと入れ替える。あるいは、高層階のマンションに引っ越ししてみるように、クルマの場合も全く新しい風を感じたくなる時がないだろうか。SUVからスーパースポーツカーに、オープンカーからセダンにといったボディ形式の変更もいいが、国籍の違うクルマを選ぶのはいかがか。国籍は変えてもボディ形式をキープすれば、使い勝手はそのままで雰囲気だけを変えることができる。

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生真面目なドイツ車や日本車を乗り継いできたオーナーならば、この際思い切ってラテン系のクルマに乗り換えてみるのも面白いが、あまり目立ちたくないのであれば、イタリア車よりもフランス車もいいだろう。ゴルフバックがしっかり積めて、ロングドライブもストレスなくこなせる。そんなゴルファーの必須要件を満たしてくれるフランス車といえば2代目に進化したばかりのプジョー 508になるだろう。

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Paragraph02 日本やドイツと違う個性に浸ってみる

コショー挽きや自転車にもそのロゴを見ることができるフランスのプジョーは自動車生産の歴史も古く、18世紀の終わり頃から量産を行っている。伝統的に車名が数字で表されるプジョー車の特徴は、作りという点では簡潔かつ合理的、走りはフランス車全体の特徴でもある柔らかくストローク感のある乗り心地ということになる。

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アウトバーンを時速200km/h以上で走るためにボディもサスペンションも硬めで、質感の高さをひしひしと感じさせてくれるドイツ車や、痒い所に手が届く繊細な作り込みを特徴とする日本車。そんな我々にとって身近なクルマから乗り換えると、プジョーのクルマはボディの質感やエンジンのレスポンスがふわっと軽く、しかし運転支援システムなど現代のクルマに求められる要点は一通りちゃんと抑えていて、新鮮に感じられるに違いない。

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現在のプジョーは小型のハッチバックから、メルセデスCクラスやBMW3シリーズに代表されるDセグメント・セダンの508まで、どちらかといえば中、小型車中心のラインナップを揃えている。とはいえ実際の508GTラインはカチッとしたセダン代表のようなメルセデスCクラスあたりと比べると、低く伸びやかなボディを特徴としており、ひとまわりコンパクトなポルシェ・パナメーラのような4ドア・クーペ感がとってもお洒落に見える。

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Paragraph03 スタイリッシュでも室内広し

ヘッドランプ脇にある縦のポジションランプからしてスポーティで、他ブランドに似ないプジョー508GTライン。なだらかに傾斜するリアはガラスごと大きく開くハッチバック形状になっており、ゴルフバッグの出し入れが非常にしやすい。車幅から想像するほどラゲッジスペースの横幅はないので、ゴルフバッグは斜めに積むかたちとなる。高さには余裕があるので2本積みならX字にして入れることができるし、リアのシートバックの片側を倒せば縦方向に3本積むこともできるはずだ。

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コックピットの特徴的な部分は小径のステアリングが低い位置に固定されるiコクピットで、これは近年のプジョーに共通するもの。ステアリングの上からメーター類を見るかたちになるこのコクピットは、慣れるとドライバーの目の前が広々としていて扱いやすく感じられる。プジョー508はステアリング形式だけではなく、ダッシュパネル全体も個性的で、センターコンソールに横一線で並ぶピアノの鍵盤のようなスイッチ類も直感的で扱いやすく、全体に端正なデザインなのでプレミアム感も高い。

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シートは昔のフランス車ほど大きくて柔らかくはないが、それでも座り心地は非常によく、ホールド感も高い。またこのクラスとしては珍しく、フロントシートにマッサージ機能が標準で付いているあたりもプジョーを代表するセダンらしい部分といえる。リアシートは足元スペースが非常に広くゆったりとしているが、クーペスタイルの低いルーフによる美しいシルエットを重視したため、ヘッドクリアランスは少な目であることは理解しておいたほうがいいかもしれない。

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Paragraph04 走りを広くカバーする包容力

プジョー 508GTラインのスペックを見ていくと、誰もが1.6リッターという小さなガソリン・エンジンに驚くはずだ。もちろん今どきなのでターボは付いており、180psという充分な最高出力を誇るのだが、それでも走り出すまでは「本当にこれで大丈夫なのだろうか?」と思わずにはいられない。 プジョーの現在のエンジンラインアップは実に合理的で、ガソリンが1.6リッターの4気筒ターボと1.2リッターの3気筒ターボのみ、ディーゼルは2リッター4気筒ターボという3種類に絞られている。ボルボなどもそうなのだが、エンジンのバリエーションを限定しつつ、ターボの設定等によって最高出力に幅を持たせるのが今どきの賢い自動車メーカーのやり方なのである。

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走りはじめてみると、プジョーのガソリン・エンジンとしては最大の排気量を誇る1.6リッターターボと8速ATの組み合わせは実に元気がいい。車体の重量を感じさせず、シフトチェンジの段差もないままハイスピードに到達する。 プジョー 508GTラインは、高速道路では排気量も忘れてついつい飛ばしてしまうほどの快速クルーザーなのだが、フランス車らしい部分はゆったりと走らせたときに表れる。飛ばしてナンボのドイツ車あたりは、ペースを落としたり渋滞にはまったりすると少しゴワゴワと硬い乗り心地が気になったりすることがあるが、プジョー 508GTラインは速度域を選ばない。ゆったり走るのであればACC(アダプティブクルーズコントロール)のスイッチを入れて、ついでにシートのマッサージもONにして、柔らかい乗り心地の安楽ドライブを楽しむことだって得意なのである。フランス車特有のアタリの柔らかさは、やる気満々でゴルフ場に向かう時の高揚した気分にも対応してくれるだけでなく、お疲れモードの帰り道にもうまくマッチしてくれる。

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またプジョー 508GTラインのスタイリッシュなボディは2名乗車のゴルフ旅にも似合うし、一方では家族で過ごす週末の様々なアクティビティもソツなくこなせる積載能力や使い勝手を秘めている。これまであまりフランス車を真剣に考えたことがなかったというゴルファーにとって、プジョー508GTラインは意外な選択肢かもしれない。だが実際にこのクルマの独特のテイストに触れてみれば、慣れ親しんだ周波数帯とは異なる「ちょうど良さ」を発見できるかもしれない。

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PEUGEOT 508 GT Line
メーカー希望小売価格:メーカー希望小売価格:4,590,000円~(税込)

  • ※写真はオプション装着車。
  • ※表示価格にはオプションは含まれておりません。
  • ※価格には保険料、税金(消費税除く)、自動車リサイクル料金、その他登録等に伴う費用等は含まれておりません。
  • ボディサイズ |全長4750×全幅1860×全高1420mm
  • ホイールベース |2800mm
  • エンジン | ガソリン直列4気筒ターボ
  • 排気量 | 1598cc
  • 最高出力 | 180ps(133kW)/ 5500rpm
  • 最大トルク |250Nm /1650rpm

 

  • PEUGEOT 508 GT Lineのトピック
  • ●他に似ない5ドアハッチのスタイリング
  • ●なれると扱いやすい独特のコックピット環境
  • ●高速走行もゆったり走行にも対応するドライバビリティ
  • Photo : Koichi Shinohara
  • Text : Takuo Yoshida

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