2017年はプレミアムSUV躍進の年だった。ベントレーは思った通りに好調で、ランボルギーニもついにリリース完了、トリを務めるロールス・ロイスも秒読みの段階に入っている。だが2018年はもうひとつの流れ、4ドア・クーペが勢いを増す。メルセデスCLSに端を発するプレミアムな4ドア・クーペはこれまでもスタイルを重んじるクルマ好きに評価されてきたが、SUVにないフォーマルな魅力に火が点きそうな気配濃厚なのである。4ドア・クーペの世界観を端的に表す1台、アウディRS7スポーツバック・パフォーマンスを走らせ、その魅力を探ってみた。

アウディはここ20~30年の間に最も格をあげた自動車メーカーであると、イギリスのモータージャーナリスト、ジェレミー・クラークソンが言っていた。もちろんその言葉には彼一流の辛辣なセンテンスが続くのだが……。とはいえアウディが格を上げた事実は誰の目にも明らかである。

アウディ躍進の背後にあるもの、それは革新的なフルタイム4輪駆動のクワトロシステムに代表される技術的なファクターよりも、スタイリッシュなデザインを浸透させブランド全体を底上げする方法論にあったといえる。今日、誰もが当たり前のように用いているLEDを活かした装飾的なヘッドランプをアウディが自らの専売特許のように広めたように、現代のアウディは普遍的なモノを自らの個性として取り込む術に長けている。

クーペライクなセダン、もしくは4ドア・クーペというカテゴライズを誰が最初に定義したのか定かではないが、今日では全てのドイツ・ブランドが“流麗なセダン”を当たり前のようにラインナップしている。メルセデスはCLS、ポルシェはパナメーラ、BMWはグランクーペ、VWはアルテオン、そしてアウディはA5やA7にスポーツバックという独自のネーミングを冠し、4ドア・クーペの分野でも流行を牽引している。

アウディRS7スポーツバック・パフォーマンスは、車名のインパクトだけでも充分に凄みが伝わってくるアウディA7系の最高峰モデルである。特に派手なエアロで武装しているわけでもないのだが、他のドイツ系4ドア・クーペとは一線を画すウェッジの効いたスタイリングによる存在感は相当なものだ。

全長5m超、車幅も1910ミリという体躯は、一昔前なら立派なフルサイズであり、運転手付きのクルマを想像してしまう人もいるだろう。けれど実際のRS7スポーツバックを目の当たりにするとオーナーカーにしか見えないのは、やはりクーペライクなスタイリングゆえだろう。特にリアエンドまでなだらかに傾斜していくルーフラインはこれまでのノッチバック・セダンにはなかった4ドア・クーペ最大のチャームといえる。

ラゲッジスペースはリアエンドでキュッと窄まったスタイリングの影響により、外寸から想像するほど広くはない。縦方向に長いラゲッジスペースになっているので、ゴルフバッグを横方向に積むことができないのである。だがもちろん縦方向であれば2本のゴルフバッグを余裕でのみ込むことができるし、リアガラスも含めて大きく開くオートマチックテールゲートの使い勝手も良好といえる。

室内空間の使い方にもアウディ一流の美学が息づいている。広い空間に抑揚の大きなダッシュパネルやセンタートンネル、そしてRS専用のシートといったコンポーネンツを配置して、スポーティでタイトな空間を作り上げているのである。 上質なバルコナレザーの表面にハニカムパターンのステッチが入れられたRS専用のバケットシートは、腰を下ろした瞬間にアウディRS7スポーツバック・パフォーマンスが誇るとてつもない動力性能を予感させてくれる。ドライバーの目の前に広がるダッシュパネルの造形にも緊張感が漲っており、外観と符合している。 広い空間をタイトに使うという方程式はリアシートにも波及している。一般的な3人掛けにはせず、贅沢に2人掛けとしている点に4ドア・クーペらしいパーソナル感が滲み出ているのである。

圧倒的なスタイリングが前面に押し出されているアウディRS7スポーツバック・パフォーマンスだが、硬質なステアリングを握り走り出してみると、アウディのもうひとつの個性が顔を覗かせる。それは根っからの技術屋によって設計され、寸分の隙もなく組み上げられた機構から生み出される凝縮感の高いドライブフィールである。RS7スポーツバックに搭載される4リッターV8ツインターボ・エンジンは実に605psというスーパースポーツ並みの動力性能を秘めている。だが8速ティプトロニック・トランスミッションやフルタイムで4輪に賢くトルクを配分するクワトロシステム、DRC(ダイナミックライドコントロール)付きのスポーツサスといった一連のギミックが、暴力的ともいえるピークパワーをインテリジェントに躾けているのである。僅か3.7秒で100km/hに達してしまうアウディRS7スポーツバック・パフォーマンスのポテンシャルは相当なものだが、乗り手にそこまでの緊張、迫力を強いないクールな感覚こそアウディの真骨頂といえる。

ボディに軽量なアルミニウム材を多用したRS7だが、それでも車重は2トンを僅かに越える。だがサスペンションに仕込まれたDRCは油圧の力でロールやピッチングを相殺し、一方リアアクスルに備わったスポーツディファレンシャルは、コーナリング時に外側のタイヤを増速させて旋回を助ける。一流のスポーツカーがそうであるように、アウディRS7スポーツバック・パフォーマンスもまた、スピードを増すごとに走りの軽快感が増すのは繊細なギミックがあってこそなのである。

スタイリングとドライビング・パフォーマンスに話題が集中しがちなRS7だが、MMIナビゲーションやタッチパネルMMIで操るインフォテイメントにも精度の高さ、使い勝手の良さが込められている。特にメーターナセル内にもナビを表示できたり、またヘッドアップディスプレイによってフロントガランスに様々な情報を表示できる点は、視線の移動を減らし安全な移動に直結するシステムとして有効といえる。またステアリングのアシストも加わって走行レーンをキープしてくれるアウディアクティブレーンアシストが加わったアダプティブクルーズコントロールは現代のプレミアムカーになくてはならない装備だが、RS7はその点にも抜かりがない。

背の高いボディによって強い存在感を放つSUVとは異なり、スタイリッシュな見た目で見る者を圧倒する4アド・クーペ。SUVよりフォーマルで、しかしリアのラゲッジルームの扱いやすさなど実用面のメリットが際立つこのボディ形式がいよいよ、2018年のプレミアムカー・シーンの主役に躍り出ると言われている。 その代表格ともいえるアウディRS7スポーツバック・パフォーマンスは、まずダイナミックなスタイリングで見る者のハートを射抜き、実際に触れ、走らせた際の質感の高さによってクルマ好きを魅了する。わかる人にだけその凄さが伝わればいい、というスタンスの粋人にこそお薦めしたい1台である。

Audi RS 7 Sportback performance
メーカー希望小売価格:18,760,000 円から(税込)

  • ボディサイズ | 全長5,010 × 全幅1,910 × 全高1,425mm
  • ホイールベース | 2,915mm
  • エンジン | 直噴V8 DOHCツインターボエンジン
  • 排気量|3,992cc
  • 最高出力 | 605ps(445kW) / 5,700rpm
  • 最大トルク | 750N・m / 1,750rpm

問い合わせ先

アウディジャパンフリーダイヤル:0120-598-106http://www.audi.co.jp/jp/web/ja.html

ジョーンズスポーツ(キャディバッグ) ニーディープ : Tel 03-5422-6421 http://www.kneedeep.jp

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