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試乗レポート

平日と週末を繋ぐプラグインハイブリッド、BMW 「740e iパフォーマンス」

2017.08.08

  • ドイツ車
  • BMW
  • 7シリーズ
  • セダン
  • 新世代ハイブリッド

'70年代から6世代にわたってラグジュアリーセダンの最高峰に位置し続けてきたBMW7シリーズ。その堂々とした姿態はエグエクティブの日常を支える移動手段であり、説明不要のステータスシンボルでもある。2年前にフルモデルチェンジされた現行7シリーズのラインナップは多岐にわたるが、中でも異彩を放つ1台が740e iパフォーマンスだろう。高効率なガソリン・エンジンの他に、プラグインハイブリッド・システムを内包したこのクルマは、電気モーターによる静々とした走行から、ハイブリッドパワーを積極的に開放するダイナミックなスポーツドライビングまで、幅広いポテンシャルによって乗り手を魅了する。

つい先頃までSUV台頭によるセダン人気の低迷が叫ばれていたにも関わらず、トヨタ主導でセダン復権というコピーが浸透しつつある。だがそんな我が国の表面的なムーブメントとは関係なく、4ドアセダンは世界中で重宝され続けている。なぜならそれは移動手段である以前に、オーナーの人となりを表すステータスシンボルとして認められているからである。BMWの旗艦である7シリーズはもちろん、セダンとして最上級の格を有している。中でも自らステアリングを握るオーナーに注目されている1台が、車名の末尾に加えられたeのアルファベットひとつで自らの成り立ちを控えめに主張する740e iパフォーマンスである。

BMW 740e iパフォーマンスのパワートレーンは2リッター直列4気筒ツインパワーターボのガソリン・エンジンと電気モーターを組み合わせている。しかもバッテリーの充電は走行中の回生のみならず、外部電源を使用するプラグインハイブリッド(PHEV)システムなのである。7シリーズの存在感のあるボディにコンパクトな直列4気筒エンジン+8速ATという組み合わせはダウンサイジングの時流に合ったものであり、エンジンとモーターの出力合計は326psにも達している。一方、リアシートの床下に収納されているハイボルテージ・リチウムイオン・バッテリーの電力のみで、140km/hの最高速と、42kmもの距離を走行できる点も実用的といえる。

PHEVというと「構造が複雑」というイメージを抱く人がいるかもしれないが、740e iパフォーマンスを実際にドライブしてみると、使い勝手は通常のBMWセダンと何ら変わらない。ゆったりと走っている場合はEVとしてより静かに。性能をフルに発揮したい場合にはガソリン・エンジンのパワーに電気モーターのパワーが上乗せされることにより、これまでにない豪快な加速を体感できる。一方エンジンブレーキを効かせたり、ブレーキによる減速をはじめると、回生システムが普通のガソリン車であれば捨てられてしまっているエネルギーを回収しバッテリーに蓄えるという仕事を、特別な操作もなく速やかにやってのけるのである。

BMWのeドライブテクノロジーによってエネルギーの解放と回収を賢くこなす740e iパフォーマンスだが、Cピラーに備わるe Driveのエンブレム以外に外観からその高性能を窺うことは難しい。むしろこのクルマを目の当たりにし、触れた瞬間に伝わってくるのは現行BMW 7シリーズの質感の高さである。歴代の7シリーズは「運転手付き」というイメージが前面に押し出されており、他のBMWセダンより落ち着いた印象を持っていた。だが引き締まった表情と張りのあるプレスラインを特徴とする現行の7シリーズのボディは、BMWのDNAに含まれるアスリートとして主張がはっきりと表れているのである。

BMW740e iパフォーマンスを走らせた時に強く訴えかけてくるフィーリングは高いボディ剛性と、7シリーズの概念を打ち破る軽快な動きに由来している。全長5110mm、車重は2トン超えとなるが、スチールとアルミニウムで形成されたモノコックボディは、さらにカーボン・コアと呼ばれるカーボン製の部材で補強されており、先代の7シリーズより130kg程度軽く、そしてスポーティな走りに応えるだけの高いボディ剛性を確保することに成功しているのである。BMWの伝統に則り前後の重量配分は50:50に設定されているため、バッテリー搭載による重量増もドライバビリティに悪影響を与えていないが、ラゲッジスペースはバッテリーの影響で大きめのキャディバッグが1個(小さめなら2個)積載できる程度。決して広いスペースが確保されているとはいいがたい。

高剛性のボディと最新のハイブリッドシステムの性能を下支えしている740e iパフォーマンスのサスペンションには、セルフレベリング機能の付いたエアサスが装備されている。このためシフトレバー脇にあるドライビング・パフォーマンス・コントロール・ボタンでCOMFORT、SPORT、ECO PRO、Adaptiveという走行モードを選べば、エアサスのダンピング特性やパワーデリバリーを自在に設定できる。乗り心地を重視したCOMFORTで家族をもてなし、ひとりでゴルフコースに向かう道中はSPORTでリニアなスポーツドライビングを楽しむ。ハイブリッドシステムと自在に硬さを変えるアシが、740e iパフォーマンスにかつてない2面性を与えているのである。

BMW7シリーズの歴史を鑑みると、高級車シーンに常に最新のテクノロジーを紹介してきた事実が浮かび上がる。その伝統は最新モデルにも息づいている。スマートフォンによって愛車を遠隔操作できるBMWリモートサービスのアプリケーションにはハイブリッドモデル専用のものも用意されており、車輛の状態をいつでもチェックできる。乗車前にエアコンを作動させ、最適な温度にしておく機能も夏場には嬉しい機能といえるだろう。またインフォテイメントシステムやナビを操るBMWジェスチャー・コントロールも直感的な操作を可能にし、ストレスフリーなドライブフィールに貢献している。

追従式のクルーズコントロールや衝突回避といった快適走行と安全のための装備をBMW 740e iパフォーマンスは標準搭載している。ドライビング・アシスト・プラスによってステアリング修正やレーンキーピングを含んだアクティブ・クルーズコントロールを実現しているし、車線逸脱や前車接近、後車衝突といった警告機能も充実している。もちろん被害軽減のための自動ブレーキ機能も万が一の状況を考え装備されているのである。また車体の周囲に取り付けられたセンサーやカメラによって実現したパーク・ディスタンス・コントロールも駐車の際に重宝する機能といえるだろう。

740e iパフォーマンス のPHEVとしての性能をフルに活かすには、使用環境が何より重要になる。夜間の安い電力を利用して自宅でフル充電し、平日は近所の送迎や買い物にゼロエミッション走行(電気モーターのみの走行)で使用し、週末は高効率なハイブリッド走行によってカントリーサイドにあるゴルフコースに出かける。そんなメリハリの効いた使い方をするオーナーにとって、BMWのPHEVは最高の環境性能とパフォーマンスを提供してくれるのである。セダンのステータス性と、その内側に込められた新世代のハイブリッドシステム。740e iパフォーマンスは、正常進化したセダンの究極の到達点といえるだろう。

BMW 740e iPerformance
車両本体価格:11,920,000円(税込)

  • ボディサイズ | 全長5,110×全幅1,900×全高1,480mm
  • ホイールベース | 3,070mm
  • エンジン | 2.0リッター 直列4気筒DOHCツインパワーターボ + 電気モーター
  • 最高出力 | 326PS(240kW)/ 5000 rpm
  • 最大トルク | 51.0kgm(500Nm)1550 rpm

問い合わせ先

BMW ジャパン
フリーダイヤル:0120-269-437http://www.bmw.co.jp/ja/index.html

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