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試乗レポート

エレガントでスポーティ。ふたつの顔を持つクルマ、アウディ「A5」

2017.07.18

  • ドイツ車
  • アウディ
  • A5
  • クーペ
  • エレガントスポーツ

アウディ自らが「The most beautiful Audi car」と言い切るだけあって、Audi A5はひとめ見た瞬間に心をキュッとつかまれるような、スタイリッシュなモデルだ。自動車デザインという言葉はなにやら難解そうだけれど、別に難しいことはない。ファッションや音楽と同じように「カッコいい/カッコ悪い」や、「好き/嫌い」を感じ取ればいいと思う。でもせっかくの機会なので、このクーペが美しく見える理由を掘り下げてみたい。Audi A5には4ドアクーペの「Sportback」と3ドアクーペの「Coupe」があり、やがて屋根が開く「Cabriolet」も導入されるはずだが、今回は「Coupe」をご紹介したい。

Audi A5 Coupeのデザイン的ハイライトは、ヘッドランプに始まってボディ後方に向かって流れる、ショルダーラインの美しさだ。エッジの立ったラインがゆるやかにうねる様をアウディは“Wave”と呼ぶが、一見シンプルに見えてじっくり観察すれば凝りに凝った造形であることがわかる。そしてこのラインが、スポーティでありながらエレガントでもあるという、Audi A5のキャラクターを表現している。デザインで見るべき点をもうひとつ挙げれば、“パワードーム”と呼ばれるボンネットのふくらみ。ここから先が本題で、“Wave”も“パワードーム”も、ただ単に飾り立てただけではない。そこには機能の裏付けがあるのだ。

Audi A5のタイヤを収める前後のフェンダーは、野生動物の筋肉のようにナチュラルに盛り上がっており、4本の足が力強く地面を蹴ることをイメージさせる。そしてヘッドランプからスタートした“Wave”を目で追うと、リアフェンダーのあたりが頂点になっていることがわかる。これは、タイヤがしっかりと地面を捉えることをデザインで表現しているのだ。“パワードーム”も、ボンネットの下に力強いパワー発生装置を収めていることを視覚でも伝える。Audi A5のデザインはただの装飾ではなく、内に秘めた高性能を形としても表しているのだ。

コクピットに収まり、エンジンを始動。走り出してすぐに、2リッター直噴ターボエンジンとツインクラッチ式の7段Sトロニックを組み合わせたパワートレーンに感心する。停止状態から走り出す瞬間に、豊かなトルクが車体を押し出し、優雅に発進するのだ。Sトロニックは変速したことをドライバーに伝えないほど滑らかにシフトアップし、スムーズに車速が上がる。エンジンのスペックを見ると、370Nm(37.7kgm)という大きなトルクを1600〜4500rpmという広い回転域で発生しているが、そのボディラインにふさわしい、エレガントな走りを提供するパワートレーンなのだ。ただし、ひとたびアクセルペダルを踏み込めば、ただエレガントなだけではないことがわかる。

高速道路の合流や山道で、アクセルペダルを踏み込むと、エンジンは「コーン」という乾いた快音とともにシャープに回転を上げるのだ。そしてタコメーターの針が上昇するほどにパワー感がみなぎる。最高出力は252psと充分以上。低速ではエレガントだった性格は、回せば回すほどスポーティに変身。エンジンは6500rpmまでストレスなく吹け上がり、特に4500rpmから上の領域ではアクセルペダルの操作に敏感に反応するから痛快だ。このレスポンスは、スポーツドライビングを堪能するにあたって実に嬉しい。

優雅さとスポーティさが両立しているのは、パワートレーンだけではない。足まわりも、“ふたつの顔”を持っているのだ。車両の性格を変えることができる「アウディドライブセレクト」をスイッチで切り替え、「コンフォート」モードを選ぶ。すると、路面から伝わるショックがまろやかなプレミアムカーの乗り心地を提供してくれる。ヤル気になった時には「ダイナミック」モードだ。多少、路面から伝わるショックは尖ったものになるけれど、身のこなしがシャープになり、コーナーの連続をスパッスパッとクリアすることができる。

街では優雅、山ではシャープに走るこのモデルは、高速道路では安定感に満ちた走りで、安心を提供してくれる。理由はふたつで、まずアウディ独自の四駆システムquattroのおかげで、路面に吸い付くかのような感覚を味わうことができる。雪の日にゴルフに行くことはあまりないだろうが、ゲリラ豪雨の多い昨今、quattroの存在は実に心強い。安心をもたらすもうひとつの理由は、先行車両に追従するなどの運転支援システムの出来のよさだ。先行車と適正な距離を保ちながら、自動で滑らかに加速し、自然に減速するので、長距離ドライブでの疲労が少ない。しかも渋滞時にハンドル操作までアシストしてくれるトラフィックジャムアシストも標準装備だから、鬼に金棒だ。

冒頭で、Audi A5のデザインは機能に基づいたものであると書いた。同様に、このデザインはカッコいいだけでなく、きちんとスペースユーティリティを考慮したデザインでもある。試しに後席に座ってみればそれがわかるはず。確かに前席を倒して乗り込まなければいけないからアクセスに優れるとは言い難いが、一度後席に収まれば、足元の空間も頭上の空間も、大人が乗るように設計されていることがわかる。スタイリッシュな外観から想像するより、トランクルームが遙かに広いことにも驚かされる。8.5インチのキャディバッグが斜めに1個、クロスする形で入れれば2個も入りそうだ。

このモデルの特徴をひとことで言えば、「エレガンスとスポーティネスの両立」ということになるけれど、あえてもうひとつ挙げれば、未来感があることも挙げられる。オプションのAudiバーチャルコクピットを選べば、液晶のメーターパネルはスイッチ操作ひとつで様々にカスタマイズできる。地図画面にすれば、視線の移動を最小限にとどめながらカーナビを利用できる。インターネット接続するAudi connectやスマートフォンと連携できるAudi スマートフォンインターフェイスは標準装備だから、ショートメッセージに音声で返信したり、音声入力で目的地を設定したり、いままでのクルマとは明らかに違う体験ができるのだ。

クーペの語源は、もともとは「切る」という意味のフランス語。馬車の時代に、キャビン(客室)の後ろ半分を切って、パーソナルな空間と優れた運動性能を備えた贅沢な仕様が、それが祖先だ。したがってAudi A5 Coupeは、優雅かつスポーティに走るというクーペ本来のキャラクターを満たしたモデルだと言える。加えて、先進的な運転支援装置や新しいインターフェイスなども備えた、実に贅沢なモデルである。

Audi A5 Coupe 2.0 TFSI Quattro sport
車両本体価格:6,860,000円(税込)

  • ボディサイズ|全長4,690 × 全幅1,845 × 全高1,365mm
  • ホイールベース|2,765mm
  • エンジン|直列4気筒DOHCインタークーラー付ターボ
  • 排気量|1,984cc
  • 最高出力|252ps(185kW) / 5,000-6,000rpm
  • 最大トルク|370N・m / 1,600-4,500rpm
  • Text : Takeshi SATOU
  • Photographer : Koichi Shinohara
  • Golf Course : Camelliahills Country Club

問い合わせ先

アウディジャパンフリーダイヤル
フリーコール:0120-598-106http://www.audi.co.jp/jp/web/ja.html

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