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試乗レポート

SUVの概念を覆すラグジュアリーカー、ベントレー「ベンテイガ」

2017.04.27

  • イギリス車
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ベントレーとロールス・ロイス。ともに英国の高級車メーカーだが、最大の違いはベントレーの歴史がレースとともにあるということだろう。1920年代のルマン24時間レースを席巻したほか、2000年代にも復活して優勝を果たした。ラグジュアリーであることとスポーティであることは等しく大切な彼らのアイデンティティーなのだ。同じ英国生まれでジャケットを着て楽しむスポーツでもあったゴルフの相棒にこれ以上にふさわしいブランドがあるだろうか。

ベントレーは1919年にスポーツカーメーカーとして生まれ、その後長らくロールス・ロイスのもとにあったが、2000年前後にベントレーを含むロールス・ロイスが身売りされることになり、BMWとVWが激しく争った結果、ロールスをBMWが、ベントレーをVWが手に入れた。経営が安定し、約70年ぶりにモデルを開発することとなったベントレーは生き生きと新世代のラグジュアリーカーを開発した。

コンチネンタルGT、フライングスパー、ミュルザンヌ……順調にラインナップを拡大してきた。そんな中、2012年のジュネーブショーで、ベントレーがアンヴェールしたコンセプトカーのEXP9Fは関係者を驚かせた。それがSUVだったからだ。2000年代以降SUVは大流行し、多くのブランドが手掛けるようになったが、ベントレーまで参入するとは。時代の変化を感じさせた。

4年後、EXP9Fは、デザインこそ変わったが、サイズやコンセプトはそのままにベンテイガとして市販された。カタログには「真の発見の旅とは、新しい景色を探すことではない。新しい視点で見ることなのだ」というマルセル・プルーストの言葉が紹介されている。つまり彼らはベンテイガがSUVかどうかの前にベントレーであるということを伝えようとしているのだろう。カタチがどうあれベントレーなのだと。

全長5150mm、全幅1995mm、全高1755mm、ホイールベース2995mm、車両重量2530kgという巨体を、6リッターW12タツインターボエンジンで動かす。ずしりと重量感のあるキーをもって乗り込み、ショルダー部分にダイアモンドステッチが施された上質なレザーシートに腰を下ろし、ひとしきりウッドのフェイシアを眺めてからスターターボタンを押すと「フォン」というエンジン始動音が控えめに響くが、すぐに再び静かな車内に戻る。

Dレンジに入れ、まずは控えめにアクセルを踏む。12気筒エンジンならではの滑らかな回転を体全体で感じることができる。街中ではタコメーターの針は2000rpm未満で上下しているに過ぎない。もう少し右足に力を込めると、エンジン音がわずかに高まると同時に、やんわりと身体がシートバックに押さえ付けられる。ベンテイガにとってはウォーミングアップ程度に過ぎない負荷だが、世俗の尺度を当てはめるなら十分に鋭い加速だ。

さらに深くアクセルペダルを踏めば、最高出力608ps、0-100km/h加速4.1秒という本領を発揮し、周囲の交通を置き去りにするような加速を見せつけることも可能だ。レースを戦うために生まれたベントレーの血統を感じることができる。だが、このクルマの場合、そのパワーを使い切るよりも、余裕をもった走りのために使うほうが似つかわしい。また、エアサスの硬さを4段階から選ぶことができる。ハードに設定してハンドリングを優先させ、山道でスポーツカーを追いかけ回すことも可能だし、コンフォートに設定して快適性を優先させることもできる。4WDなので悪路にも強い。

車内は前席、後席が等しく快適だ。どこに座っていようと、運転していようと、してもらっていようと、何時間でも疲れることなく過ごすことができる。ラゲッジスペースは凹凸の少ない使いやすい形状で、容量は430リッター(トノカバーを格納すれば590リッター)が確保されるため、複数のキャディバッグを積み込むことができる。リアシートは荷物の量や形に合わせ、40:20:40の割合で分割して倒すことができる。

ベンテイガには、ベントレーを名乗る以上、備わっているべき力強さ、豪華さ、快適さもあれば、SUVならではの悪路走破性や使いやすさもある。豪華さの中にスポーティさがにじみ出ている。超高級車の売れ行きは景気にさほど影響を受けず、ベントレーの年間販売台数はここ数年約1万台で推移してきたが、ベンテイガが加わった2016年、一気に前年比9%アップの1万1023台となった。ベントレーの新しい挑戦は世間にすんなりと受け入れられたというわけだ。

BENTLEY BENTAYGA
車両本体価格:27,390,000円(税込)

  • ボディサイズ|全長5,150×全幅1,995×全高1,755mm
  • ホイールベース|2,995mm
  • エンジン|6.0リッター W12 ツインターボ
  • 排気量|5,945cc
  • 最高出力|608ps(447kW)/ 6,000rpm
  • 最大トルク|91.8kg・m(900N・m)/1350-4500rpm
取材協力:
  • ラフォーレ&松尾ゴルフ倶楽部

問い合わせ先

ベントレーコール
フリーダイヤル:0120-97-7797www.bentleymotors.jp/models/bentayga/

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