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和製スーパースポーツを再認識する

70年代半ばのスーパーカーブーム

’70年代半ば、我が国の自動車シーンにおいてスーパーカーが大ブームを起こしたことを覚えている人もいるだろう。ではスーパーカーとは何だったのか? 現代の視点に立ち穿った見方をするならば、それはスポーツカーの中でも特に派手なスタイルが話題を呼んだ一群だったということができる。

鋭く尖ったスタイリングと大排気量のマルチシリンダーエンジンを搭載し、300km/hオーバーの最高速を標榜する。だが実際にその大台に達したモデルは僅かであり、スーパーカーはきちんとした計測機器がなかった時代の伝説的な乗り物だったといえる。

現在のスーパースポーツ

現在でもスーパーカーと呼ばれるモデルは存在するが、派手なスタイリングのみならずハンドリングや動力性能にも秀でたそれらは「スーパースポーツ」と呼ばれることが多い。スポーツカーを超越したクルマという位置づけである。時代の最先端のテクノロジーを秘め、実際にめっぽう速い。そんなスーパースポーツの端緒を開いたのは、レースカーとロードカーの双方を作り続け、その境目が限りなく近かったポルシェであることは言うまでもないだろう。

だがそのポルシェの高性能とイタリアンスーパーカーの雰囲気を範として誕生した2台の和製スーパースポーツも、その世界に確たる爪痕を残している。その2台とはもちろん、現在でもその命脈を繋ぐニッサンGT-RとホンダNSXである。 初代とは異なり現行モデルのラゲッジスペースにゴルフバッグを搭載できない新型NSXだが、もちろん助手席に寝かせれば「おひとり様」は充分に可能だ。高性能とそれに比肩する万全の信頼性。クルマ好きゴルファーであれば和製スーパースポーツの実像を知っておいて損はないだろう。

和製スーパースポーツ ニッサンGT-R

現在のR35型ニッサンGT-Rの原初は1989年に誕生したスカイラインGT-R(BNR32型)である。フロントに6気筒ターボ・エンジンを搭載し、4輪へのトルク配分を緻密に行う4輪駆動システムを組み合わせるという構成は以降のニッサンGT-Rの伝統として熟成されている。GT-Rの賢い4駆システムに最大のヒントを与えたのはポルシェ959と言われているが、時代をリードする圧倒的な高性能をポルシェの7分の1ほどの価格(新車当時、R32GT-Rは500万円弱、ポルシェ959は3500万円)で達成している点に、高性能を熟成させ低価格で供給するという日本のモノ作りに対する姿勢が表れているだろう。

※車両画像ははUS仕様の為、日本仕様と一部異なります。予めご了承ください。

ライバルはポルシェ911GT2

現行のGT-RであるR35型のニッサンGT-Rは世界的にも羨望の的であり、そんな我が国を代表するスーパースポーツがポルシェ911GT2をライバルとして名指しして、ポルシェのお膝元であるニュルブルクリンク・サーキットでラップタイムを競い合っている事実は誇らしい。2007年にデビューしたR35型GT-Rは毎年のように進化しており今年で11年目。いよいよフルモデルチェンジの声も囁かれるが、10年間熟成された現行型も充分に魅力的だ。480psからはじまった最高出力は565psまで向上し、高性能版のGT-R NISMOに至っては600psに到達している。

スーパースポーツとしての圧倒的なポテンシャルを誇りながら、4人乗車が可能であり、また独立したリアのラゲッジスペースにゴルフバッグを積載できる点もニッサンGT-Rの和製スーパースポーツらしい一面と言えるかもしれない。

高純度なスポーツカー ホンダNSX

一方のホンダNSXはGT-Rのライバルとして位置付けることができるが、ホンダの方法論はニッサンのそれとは全く異なる。エンジンを車体中央に置くミドシップ、2シーターのレイアウトを採用しているという点においてNSXはイタリアン・スーパースポーツの影響を色濃く受けており、スポーツカーとしての純度も高い。

スーパースポーツを再定義した初代NSX

1990年に誕生した初代NSXはその信頼性の高さと、実用域から超高速域までの性能的な幅の広さにおいてスーパースポーツの世界観を再定義する1台だった。天才エンジニアであるゴードン・マーレイはNSXの快適性にヒントを得て稀代のスーパースポーツであるマクラーレンF1を作り上げた。'90年代のフェラーリがF355あたりから一気に躍進を遂げた背景に初代NSXがいたことは疑いの余地がないのである。

”ハイブリッド”な2代目NSX

都合2代目となる現行NSXは2016年にデビューしている。このクルマを「和製」と断言できないのは、日本のホンダの生産車であり、基礎技術の多くを日本で開発しておきながら、プロデュースから生産までをアメリカ・ホンダが行っている為である。新型NSXはV6エンジンをミドシップマウントし、2シーターとする基本構成までは初代のそれを引き継ぐが、そこから先は別物で、3つのモーターを内包するハイブリッドモデルとなっている。特にフロントの2輪にそれぞれ1個ずつのモーターを配したSH-AWDシステムは日本人による技術主導のクルマ作りを彷彿とさせる。

和製スーパースポーツにもスポットライトを

初代NSXは純国産らしく、スーパースポーツであるにも関わらず2本のゴルフバッグを搭載することができた。だが新型はラゲッジスペースの開口部が狭まり、ゴルフバッグを搭載することができなくなっている。何かを得ると何かを失うという関係性は自動車パッケージングについて回る難しさを内包してはいるが、それでも多くの人が容易に高性能を味わうことができるという点は、GT-RとNSXに共通する美点といえる。今月BRUDERでは身近な国産メーカーの作品であるが故に正当な評価が下されていない部分もある和製スーパースポーツにスポットライトを当て、GT-RとNSXの2台を試乗レポートしたい。

NISSAN GT-R
メーカー希望小売価格:10,230,840 円から(税込)

  • ボディサイズ | 全長4,710 × 全幅1,895 × 全高1,370mm
  • ホイールベース | 2,780mm
  • エンジン | GT-R専用VR38ツインターボエンジン
  • 排気量|3,799cc
  • 最高出力 |570ps(419kW) / 6,800rpm
  • 最大トルク | 637N・m / 3,300-5,800rpm

HONDA NSX
メーカー希望小売価格:23,700,000円(税込)

  • ボディサイズ | 全長4,490/ × 全幅1,940 × 全高1,215mm
  • ホイールベース | 2,630mm
  • エンジン |水冷V型6気筒 DOHC ツインターボ+3モーター
  • 排気量|3,492cc
  • 最高出力 | 507ps(373kW) / 6,500-7,500rpm
  • 最大トルク | 550N・m / 2,000-6,000rpm

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